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2007年9月の16件の記事

2007年9月24日 (月)

タバコが気になる映画『HERO』

 今日は予定が変更となったので、空いた時間に映画を観ました。
 木村拓哉主演の『HERO』です。
 たまたま貰った映画鑑賞券があったこともあります。
 しかし、電車の中で、その鑑賞券を玄関に置いたまま出かけたことに気付きました。取りに帰って出直すのも面倒です。違うところに行くのも、すぐに思い至りません。幸いなことに私は学生の身分も兼ねているので、学割で映画館に入ることにしました。

 さらに自己嫌悪に陥ることが重なりました。
 遠くを見るためのメガネも、出しておいたのに、持ってくるのを忘れたのです。
 最近は、こうしたうっかりミスが多くて、本当にいやになります。自分はもう若いころの自分ではなくて、何事も忘れっぽくなっているので気をつけよう、と自分に言い聞かせることが多いのは事実です。忘れることに臆病になってはいけないと、ショックを和らげる訓練は日々しているのに、ダブルで物忘れに直面すると、ドッと疲れます。

 上映30分前に入ったのですが、何と25分も蒸し暑い通路に並ばされました。今日はことのほか暑く、また雨も予想される天候だったので、みなさん手元の紙で扇いだり、上着などを脱ぐ人が目立ちました。
 環境に配慮して、館内のエアコンを自粛しているとも思えません。空調の効かない通路を入場の待機場所にしていることに、気付かないはずはありません。整列を呼びかける従業員の人も、汗を拭いているのですから。このような所に並ぶように指示をする意図が、どうもわかりません。観客にこんな思いをさせて平気な映画館側の無神経さに、多くの人が不愉快に思っていたに違いありません。
 私は、もしタダ券を忘れずに持ってきて入っていてたら、15分も待たされた時点で、何の躊躇いもなく帰ったと思います。しかし、とにかく1500円も払ったことでもあり、もったいないのでジッと辛抱しました。
 この映画館は、大きな街中にあります。しかし、ここの経営はそう長くはもたないでしょう。こんなところには2度と来るものか、と思わせてくれます。映画人口が上向きになっている時期に、こんな粗っぽい観客のあしらいでは、みんな自宅で快適にリラックスした雰囲気でDVDやネット配信の映画を観ることでしょう。
 まさに、足を運ぶ映画人口を減らさんがための施設となっています。従業員の教育もなっていなかったので、もうどうしようもない最悪の映画館でした。

 それはさておき、6割ほどの入りだったでしょうか。意外に多くの人が来ていたのに驚きました。それだけ、この映画は人気があるのでしょう。

 『HERO』は、話の展開がよくできた台本だと思いました。また、木村拓哉と松たか子も、少し軽めではありましたが、無理のない、いい演技をしていました。
 ただし、気になったことが1つだけ。それは、開始早々にタバコを吸うシーンがあり、その後も何人もの出演者がタバコを吸います。紫煙が立ちのぼり、灰皿にタバコが山盛りの場面もあります。検事は、それだけストレスのかかる仕事だというのでしょうか。
 最近は、テレビでもタバコを吸うシーンには配慮しているご時世に、タバコプカプカのシーンの多さには、その意図を疑いました。舞台が韓国に移っても同じです。もっとも、なぜ韓国なのかは不明でしたが。
 日本たばこ産業株式会社(JT)から、よほど多額の援助をもらって製作した映画なのでしょう。この映画は、日本国民へのタバコ推奨の広告的役割を、立派に果たしています。
 この物語には、山口県での事件で、被害者がタバコの吸い殻を、妻が眠る海に捨てたことが大きな要因で殺人を犯した、ということが伏流しています。そのことと、このタバコの奨めが矛盾するように思いました。

 それはともかく、後半の出来がいいと思いました。最終場面の音声認識翻訳機という小道具の活用は、韓国語とスペイン語の訳文がうまく2人の気持ちを、お互いはもとより観客にも、間接的に効果的に伝えていて、憎い手法だと感心しました。
 それだけに、タバコという小道具が下品すぎました。
 あのタバコのシーンを撮り直すと、若い人たちにも鑑賞を奨められますが……。

愛用のブックカバー

2ddxzcyd_sブックカバー



 本を持ち歩いて読む時には、愛用のブックカバーをしています。
 本を購入すると、書店で包装を兼ねて紙のカバーをしてくれます。色が選べる書店もあります。購入してすぐに電車で読む時などは、このサービスはありがたいものです。
 本を裸で持ち歩くのに抵抗があるので、私は必ずカバーをします。読まなければならない、多少とも義務を感じる本は、書店のカバーのままで持ち歩きます。または、本の表紙のカバーを引っ繰り返して、白いカバーにします。しかし、読みたくて読む本は、愛用の革カバーを付けます。

 上の写真の(1)(6)は、中国の杭州で買ったものです。包まれていた中身のノートブックは処分し、この革のカバーを手元に残しています。ただし、このカバーの大きさに合う本が、まだありません。ノートの表紙だった革の表紙をブックカバーに使おうとしているのです。いろいろな大きさの本があるので、いずれ出番があることでしょう。

 (2)は、女性用の手帳の表紙だったものを、これまた中身は処分し、この表紙をブックカバーにして使っています。文庫本用です。女性用に作られたものだけに、内ポケットや栞など、いろいろと細かな工夫がなされています。カバーの回りは、札入れのようになっています。色々なものが入ります。今、一番使う機会の多いものです。
 ただし、このカバーは縫製が雑で、中央右端のベルトを通す所の縫い糸が下まで通っていませんでした。また、周囲の縫い方も雑で、糸がほどけていたので、返品交換してもらいました。袋にはいった状態で売られていたので、縫い方までチェックして買わなかったのです。商品開発と販売は日本ですが、製造は海外なのでしょう。日本人向けに末長く商品を作り続けようとするならば、まずはシッカリと縫う基本は、大事にしてほしいものです。

 (3)は、これまで使用してきた中では手触りの一番いい、手に馴染むカバーです。カナザワという日本の会社のものです。この会社の革製品は非常に仕上がりがよくて、財布もこの会社のものにしています。大きな文具売り場にあります。

 (4)は、京都の雑貨屋でみつけたものです。革の質はよくないのですが、使い勝手のいいものです。新書版です。

 (5)は、コレクトの商品です。手帳カバーやカード入れとして買ったものです。合成皮革ですが、ソフトカバーの本などがちょうど入るので、ときどき使います。

 (7)は、A5判で約600頁の井上靖全集が一冊そのままスッポリと入ります。ロンドンで購入しました。ノートブックとしてアンティークショップにあったものです。中身は処分し、この革の表紙をブックカバーとして使っています。シッカリとした革で、手触りもいいし、縫製もキチンとされています。

 本を丁寧に読む時には、こうしたカバーに包んで、じっくりと読み進めています。ささやかな贅沢の1つではないでしょうか。

2007年9月23日 (日)

京洛逍遥(16)鞍馬寺

B1exgout_s鞍馬寺仁王門


 鞍馬寺の山門を見上げる構図は、どこの山寺とも同じような顔をしています。しかし、境内にはいるとケーブルカーがあるので、全山の霊気とともに鞍馬に来たことを実感します。ここから本堂までは、山道だと35分の登りです。帰りに歩いて下ることにして、とりあえずはケーブルカーのお世話になることにしました。

Rgldk0sb_sケーブルカー


 かわいいケーブルカーです。料金も100円です。いや、料金ではありません。正確な表現は忘れましたが、寸志に近いものとしてお渡ししました。

 鞍馬山の本殿は金堂と言っていました。

Mnhhp2i__s本殿金堂


 この本殿の左奥に、地下へ通ずる階段があります。

Ujpeaxwq_s宝殿


 何でも見てやろう、聞いてやろうという気持ちが旺盛な私は、本殿の下に何があるのか、降りて見ることにしました。
 ロウソクの明りだけの、薄暗い中をキョロキョロしていると、一人の男性がそばに来て何か説明をしてくださるのです。
 私は、よくこのような経験をします。つまり、いろんな方が、頼みもしないのに(?)説明をしてくださったり、珍しいところへ連れていってくださるのです。危険を感じない範囲で、話を聞いたり、付いていったりしています。
 今回も、お陰で貴重なものを見ることができました。

 その方の説明では、この奥に天皇陛下の清浄髪を納めた壺があるとのことなのです。後で調べたことですが、清浄髪は「しょうじょうはつ」と読むようです。
 私が興味を示すと、その方は、手慣れた操作で裏へ通じる通路の電気を付けて、その場所へ案内してくださいました。
 奥の中央に、見上げる位置に、「天皇陛下」と記した壺が確認できました。その右横の壺の文字は読めませんでしたが、その方の説明では皇后のものだとのことです。現在の天皇の清浄髪が納められた壺のようです。

 ここには、鞍馬山の尊天信仰に生きることを誓った信徒の方々の 清浄髪が安置されています。その中に天皇の髪があるのは、どのような経緯があるのでしょうか。折りを見て、調べて見たいと思います。もっとも、このようなことを、こうした公開の場に書くことに問題があるのでしたら、早急にこの記事を削除しますので、ご教示いただければ幸いです。

 帰りは、山道を歩いて下ることにしました。
 由岐神社の横に、『源氏物語』に関する場所がありました。

Os2uv05p_s涙の滝


 『源氏物語』の第5巻「若紫」にある「吹きまよふ 深山おろしに 夢さめて 涙もよほす 滝の音かな」という和歌が記されていました。
 これだけでは、通りかかった人にはわからないでしょう。もう少し説明があってもいいかな、と思いました。
 ささやかながらも滝の音を録音したので、いずれまた紹介しましょう。

 鞍馬については、また行く用事がありますので、引き続き報告します。

京洛逍遥(15)鷹峯の光悦寺

Ligkijvc_s光悦寺参道


 徳川家康が本阿弥光悦に与えた地、鷹峯に光悦寺があります。京都市内から見ると左上になります。

 光悦寺の参道にたたずむと、日本の良さが身にしみてきます。
 暑い日だったのですが、さまざまな木々が涼しく迎えてくれました。
 秋の雰囲気も漂わせています。

 参道の途中の山門からの風情も、気分を一層なごませてくれます。

1rro7uni_s山門より


 中に入ると、本堂に繋がる回廊が生み出す簡素な線が印象的でした。それを枠に見立てて北山杉の木立を臨むと、こんな写真を撮ることができました。

_yqi5ey7_s回廊より


 境内には、趣深い茶席がたくさんあります。こんな茶室でお茶をいただきたいものです。
 光悦寺の閉園日は、毎年11月10日から13日までの4日間だけだそうです。受付の方にお尋ねしたところ、大茶会が催されるためだとか。
 こうした茶席は、今も活用されていることを知り、日本的な建物が観賞用に保存されているだけではないことに安堵しました。そこを利用できない自分に、少し物足りなさを感じもしますが……。

 次は、有名な光悦垣です。光悦寺の写真には、必ずと言っていいほど紹介されています。背景に鷹ヶ峰を入れました。

Q2zfo7mm_s光悦垣


 この寺は、茶道に縁があって訪れるのが一番でしょう。しかし、ブラリと散策するのもいいものです。幸いなことに、拙宅から近い所にあるので、また四季折々の様子をお伝えしましょう。

2007年9月22日 (土)

源氏千年(1)講演会 in 立川

Jrglvcr2_sシンポジウム


 今日は、東京都立川市で『源氏物語』に関する講演会&シンポジウムがありました。自分の職業のことをブログに書く機会が少ないので、報告がてら紹介します。

 来年は、『源氏物語』が書かれて千年目にあたります。その根拠は、『紫式部日記』にあります。難しいことは擱いて、とにかく今年から来年にかけては、この『源氏物語』に関するイベントが目白押しです。

 私の職場の正式名称は非常に長く、誰も一度で正確には復唱できません。寿限無寿限無のようなもので、「大学共同利用機関法人人間文化研究機構国文学研究資料館/国立大学法人総合研究大学院大学文化科学研究科日本文学専攻国文学研究資料館」(通称「国文研」)です。1つだけでもややこしいのに、1つの組織が2つの役割を果たしています。2年前に、国立の機関から法人の組織となりました。

 この組織が、来年の4月から立川に移転します。現在は品川の戸越公園の横にあります。もと細川家の屋敷があったところです。国の方針により、来年から、極地研究所(南極観測で有名)と統計数理研究所と一緒に、立川の建物に活動の拠点を移すのです。その立川移転を控え、記念事業として『源氏物語』の講演会を開催し、地元の方々との親睦をスタートさせようということになったのです。

 写真をご覧いただければ分かる通り、大岡信・岡野弘彦・丸谷才一・加賀美幸子という著名な方々をお呼びしての開催です。
 あらかじめ葉書で申し込んでいただいたのですが、1,000名の募集に対して2,000名以上もの方が出席の意思を示されました。多くの方々をお断りすることとなり、本当に申し訳ないことです。

 さて、満席の会場の最初の挨拶は、今月初旬に当選されたばかりの市長でした。その中で、「国文学研究所」と最後まで何度も仰っていたのが印象的でした。よく間違えられるのです。一緒に立川の建物に入るのが「極地研究所」と「統計数理研究所」です。そして隣の建物には「国立国語研究所」があります。「国文学研究資料館」という名称は、どうも覚えにくいようです。また、海外では、京都にある「国際日本文化研究センター」(日文研)とよく間違えられます。正しく認知されるように、ピーアールすべきなのでしょうが、日本文学を勉強しているせいか、みんな奥ゆかしくて、自己主張が苦手なのです。

 講演は、大岡氏がトップバッターでした。「近江の君について」と題して、会場の笑いを誘いながらのお話でした。
 2人目は岡野氏。「いろごのみ」に関するお話です。学生時代から個人的に教わることの多かった先生なので、親近感を持って聞きました。
 3人目は丸谷氏。「昭和が発見したもの」との演題でしたが、話題が広大でなかなか『源氏物語』に繋がらずハラハラしました。
 最後は加賀美氏。「私にとっての『源氏物語』」と題し、元NHKのアナウンサーとしておなじみの朗読を交えることによって、会場の雰囲気をシッカリと掴んでおられました。

 後半のシンポジウムは、会場の笑いを誘いながら、司会の伊井春樹国文学研究資料館長の言葉巧みな進行で、大変和やかな雰囲気で行われました。

 今回の聴衆は、『源氏物語』のことをよくご存知というよりも、古文を理解できる方が多かったように思います。参加者の年齢層が高かったこともあるのでしょうか。講演内容と、引かれる文章や和歌に対する会場の反応は、非常にレベルの高いものでした。

 この講演会は、来月の10月14日(日)の午後6時より1時間、NHK教育テレビで放映されます。一人でも多くの方に、ぜひご覧いただきたいと思います。

読書雑記(3)室井佑月『ドラゴンフライ』

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 藤田宜永氏が室井佑月氏との対談の後で、こんなことを言っていました。

テレビに出演している室井さんよりも、活字の彼女の方がさらに存在感があります。(『愛に勝つ1・2・3』80頁、藤田宜永、集英社、2005.2)


 室井氏は、OL・モデル・女優・レースクイーン・銀座のホステスを経て作家になった異色の人です。最近は、テレビなどのコメンテーターとして、または新聞などのコラムでお目にかかることが多くなりました。
 ユニークな発言をする、独特の雰囲気を持ったおもしろい人だな、と思っていました。

 先の藤田氏の発言に魅かれて、突然ですが室井氏の小説を読んで見ました。銀座を舞台にしたものだったので、最近ブラブラすることが多いこともあり、具体的なイメージを持って読みました。

 この『ドラゴンフライ』は、非常におもしろい小説です。
 主人公のリュウは、秋田県生まれの新人ホステス見習いです。室井氏が青森県生まれなので、見え見えのフィクションのようです。文章は舌足らずのようですが、表現がサッパリしていて好感が持てました。
 気になったところは、ストーリーの膨らみに欠けるために、もっと掘り下げて描写してほしいと思うところが多々ありました。また、内容の珍しさに魅かれて読み進みましたが、読後は案外希薄な印象しか残りません。新鮮な気分で読んで行けても、おもしろいだけの物語に留まり、歯抜けの櫛のような読後感です。

 出来事で進行するよりも、人間の描写がなされていたら、これとは別のもっといい作品に仕上がったことでしょう。
 
 しかし、この人は、さらにおもしろい作品を書くことでしょう。藤田氏の言う「存在感」は感じませんでした。しかし、今後を期待して、今後の創作活動に注意していきたいと思います。

「水道をお使いになられているご様子」

 大きな赤い文字で「お客さまへ 至急お読みください」と書かれた東京都水道局からの封筒が、ドアポストに投函されていました。
 その文面は、以下のように記されています。


「水道使用開始申込みのお願い」
 本日、水道メータの検針におうかがいしましたところ、水道をお使いになられているご様子ですが、お申込みの手続きはお済みでしょうか。
 まだ、お申込みをされていない場合は、お手数ですが、9月26日までに、下記の連絡先へ「お名前、使用開始日」等をお知らせください。
※すでに、お申し込みの手続きがお済みの場合は、行き違いですので、ご容赦ください。
           19年9月20日
            東京都水道局



 横浜から東京へ引っ越しするに当たり、住民票・印鑑証明・電気・ガス・水道・電話・インターネット・郵便などなど、必要な移転の手続きはすべて済ませたはずです。
 それが、越してきて一カ月経った頃になって、突然の水道使用の督促です。
 文面の中の「水道をお使いになられているご様子ですが」という文言は、思い当たる節のない者にとっては、いかにも無断で水道を使っていることを遠回しに揶揄されているようで、気持ちのいい言葉ではありません。当事者だからこそ感じる語感かもしれませんが。

 連絡先として指示されている水道局お客様センターへ電話をしました。そして、横浜を転居する直前に水道局と相談した時、先方の江東区には連絡をしておきます、とのことだったことを伝え、私としては転居後に水道局に何も手続きや連絡はしていない、ということを説明しました。
 区役所へ転入届を出し、印鑑証明などの手続きをした時も、特に指示がなかったので、水道の手続きが済んでいないことには気付きませんでした。
 京都の時にも、水道の手続きが必要だったのでしょう。しかし、まだ生駒平群の自宅の水道は停止していないので、移行に伴う手続きを平群の水道局がどうのこうの、ということはなかったのです。

 窓口の方は、お客さま番号を元に、私の部屋の水道の状況を確認した後に、やはり誰からも使用開始の手続きがなされていない、とおっしゃいます。また、他府県からの転入で、それまでの市区町村の水道局が引っ越し先の市区町村の水道局に移動の連絡をして手続きをすることはない、と断言されました。
 ただし最近、東京の市から区への転入で、水道局レベルで手続きを完了するところができたが、他府県からはやはりそのようなことをすることはないのだそうです。

 とにかく、私からの今回の電話連絡で、水道使用開始の手続きがなされたこととなりました。
 電話口での対応が丁寧だったので、気持ちよくやりとりができました。しかし、横浜の方が連絡をしておくと仰ったのは、どういうことだったのでしょうか。
 特に問題があったわけではないので、この件はどうということはありませんが、何となく気分のいいことではありませんでした。

2007年9月21日 (金)

ウエブで申し込む時の不安

 秋は学会シーズンです。
 私は、10月中旬に山形である中古文学会に参加するつもりです。

 送られて来た案内状に入っていた説明では、宿泊の予約をウエブで出来るように書いてありました。しかし、申し込むためのインターネットのアドレスが見当たりません。
 担当大学の予約窓口である生協に電話をしたところ、案内状には書いていないが、大学生協のホームページから申し込めるようになっているとのことでした。

 他の皆さんはどうなさっているのでしょうか。みんなが大学生協のホームページをグーグルなどで探し、その場所を見つけて申し込むとは考えられません。まず、生協のホームページにそのような予約受付窓口が開設されていることに思い至るか、という関門があります。
 電話やファックスや郵便で予約されるのでしょうか。それとも、他の旅行会社を通して宿を確保されるのでしょうか。

 とにかく、生協の担当者の方の説明を聞いて、ウエブから申し込む手続きに入りました。
 ところが、最後の申し込み内容の確認の所に来ると、エラーが出るのです。JR(新幹線)の切符が必要かどうかをチェックしろ、とのことです。私は、ホテルの予約だけで、JRは自分で手配するつもりでした。当然、すべての項目を記入し、JRは不要のチェックをし、他のチェックをするものも確認したにも関わらず、何度やってもこの最後の確認で同じエラーが出ます。つまり、予約申し込みが終了しないのです。

 パソコンの前で、30分は悪戦苦闘したでしょうか。
 時間がもったいなくなり、直接さきほどの生協に電話をしました。
 担当者の方は、おかしいですねという言葉を繰り返しながら、こちらでは最後まで行って終了しますが、とのことでした。
 しかたがないので、ウエブからの申し込みは諦めて、日を改めて予約をすることにして、その日は断念しました。
 わざわざコンビニへ行って、ファックスで申し込むという方法は考えませんでした。

 翌日、また最終確認のところでエラーが出ます。そこで、今度は試しにJRの切符も同時に申し込むところのチェックをすると、何と最終確認を経て予約申し込みが完了するではないですか。
 往復の新幹線の時間を決めなければならないので、実際の行程を想定して確定しました。
 こんなことはよくあることなので、まあいいか、と思うことにして、一応生協へはJRの切符を頼むことにしたら予約が完了した旨の報告をメールで送りました。

 すると、その後、生協から、JRの切符を含まないホテルのクーポン券だけを送った、との連絡が、私の携帯電話に入りました。
 いろいろと検討して、指定された時間の新幹線で行くことにした後だったので、また切符の手配でゴタゴタするのを避けるためにも、先日申し込んだ通りの新幹線を含んだクーポンを送ってもらえないか、と依頼しました。
 担当者の方は、それでも問題はないとのことだったので、再度送ってもらうことになりました。近日中に届くはずの、ホテルだけのクーポンは破棄することで一件落着となりました。

 担当者の方は、希望とは違うクーポンでは申し訳ないと思って、あくまでも好意から、新幹線を外したものを送ってくださったようです。
 しかし、私としては、学会の会場までの距離や時間を勘案し、往復の発車時間を検討して申し込んだ後ったので、そのまま新幹線の指定切符も入手して、この件は終わりにしたかったのです。
 担当者の方への感想としては、好意からではあっても、一応申し込み内容とは違う、JRを外したクーポンを送りましょうか、という一言でもあれば、このような行き違いはなかったと思います。そのためにも、私の連絡先を、携帯電話も含めて伝えてあったのですから。
 JRを外した、宿泊のみのクーポン券を発送してからの電話連絡だったので、何のために緊急連絡用の電話番号を教えてあったのか、もったいないことです。私からのメールを受け取ってすぐに、JRを外したクーポンを発券する時に電話をくださっていたら……。
 その連絡のタイミングのズレが残念です。
 交わした情報が活かされていません。
 お互いが無駄にした時間と労力、そして先方は2重の発券作業と宅急便代が費やされています。

 もったいないことです。

2007年9月20日 (木)

江戸漫歩(1)夜の隅田川を眺めながらの帰宅

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 東京の職場から宿舎への帰路は、その日の気分で電車を利用しています。行きは最短時間の経路ですが、帰りはノンビリとブラブラと帰ります。これは、横浜の金沢文庫にいた時もそうでした。
 今回屋移りした深川の宿舎でも、最寄り駅が3つもあるので、いろいろなパターンで通勤を楽しんでいます。それも、仕事帰りに銀座のスポーツクラブで汗を流す関係から、交通機関の集中する銀座からの帰宅経路は、実にさまざまな組み合わせが可能なのです。

 最近、私が好んで通る道は、宿舎の近くを流れる隅田川の夜景を楽しむコースです。

V7agroeq_s遊覧船


 大阪で最底辺校といわれた高校の教員をしていた頃、毎年100人以上の退学者が出る学校だったこともあり、問題を起こした生徒の家庭訪問に明け暮れる日々でした。それも、場所が淀川の河口だったために、渡し舟で生徒たちの自宅に行っていたのです。夕陽が大阪湾に沈む頃に、自転車を押して渡し舟に乗り、夜にまた渡し舟で帰って自転車を勤務校に置き、トボトボと歩いて電車の駅から帰宅したものです。

 そんなこともあり、夕闇の川べりや、光が散乱する川沿いの夜景は、自分がやりたい勉強がしたくてもできなかったあの頃を思い出させるせいか、少し感傷的になるのです。
 金沢文庫にいた時も、金沢八景や八景島を一人で散策したものです。そして今、隅田川の光に彩られた夜景を見ながら帰宅する道すがらを楽しんでいます。

 参考までに、本ブログで過般紹介した、宿舎を臨む隅田川の昼の光景を再掲します。

Omhkcnbv_s昼間の隅田川


 時間によって川が見せる顔の変化は、なかなかおもしろいものです。

2007年9月19日 (水)

宅急便の破損品の対応

Mjumslkz_sフィンの部品


 今夏、東伊豆の河津でスクーバ・ダイビングをした後、ダイビング用品をバッグに収納して現地から自宅まで宅急便で送りました。
 翌日、届いたバッグの中身を取り出し、塩分を抜いて乾燥させるために、湯船に浸けて洗っていた時のことです。フィンという足ヒレの部品が強い力で押し潰されていることがわかりました。
 写真の右から2つ目の、グレーのプラスチックの部品がそれです。
 ものすごい斜め横からの力で破損したことがわかります。
 その右側が、後日注文して入手した部品です。

 フィンはゴム製品なので、そこに取り付けられているプラスチックの部品がこんなに変形破損するのは、想像を絶する力が加わったためとしか考えられません。バックに同梱のスクーバスーツやブーツやマスクなどのダイビング用品も、柔らかな素材のものばかりです。一体、私のバッグは、どんな扱いを受けたのでしょうか。

 すぐに、いつもお世話になっているスポーツクラブで相談をし、とにかく部品を発注しました。
 海から発送する時点では問題がなかったのは確かなので、すぐに取り扱いの店舗に電話をしました。すると、間髪を入れず、交換部品の実費を弁償するので、領収書がほしいとのこと……。
 私は、破損した部品を発注して、それが該当品であることが確認できてから、再度連絡をすると応えて、その場は終わりました。

 届いた写真の右側の部品で大丈夫であることを確認してから、聞いていた宅急便の担当者に連絡をしました。すると、東京の担当者に現金を持参させるので、領収書を用意しておいてほしい、とのことでした。それも、私の手書きの領収書でいい、というのです。私はてっきり、私の手元にある領収書を送ると、先方から送金されるのだろうと思っていました。

 とにかく、言われるままの領収書を作成し、約束の昨日、部品代金を受け取りました。
 たいした額の話ではないのですが、疑問に思うことがあります。

 まず、先週、現地担当者から電話があり、何時、どこへ伺えばいいのか、先日の打ち合わせのメモが見当たらないので教えてほしい、とのことでした。何とも、対応がお粗末です。
 そして、部品代金を持参された方は、私の手書きの領収書を受け取ると、そのまま帰られました。実際に私が支払ったことを示す領収書は見もせずに、私を信用してなのでしょうが、自筆の領収書を受け取るとすぐに帰られたのです。
 今回は金額が知れているのでそうなのでしょうか。これが数万円以上の場合は、また違った対応なのでしょうか。私には、どうもよくわかりません。
 返金してもらったので、もう終わったことではあります。しかし、このような曖昧な対応で処理をしていいのでしょうか。
 私の手書きの領収書は、あくまでも弁償金を受け取ったことに対するものです。本当にその金額が破損品に対して支払ったものである、という領収書は、確認しないで処理がされています。
 ヤマト運輸の対処方法に疑問を感じざるを得ません。

2007年9月18日 (火)

藤田宜永通読(1)『リミックス』

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 『リミックス』(藤田宜永、集英社、2006.10)は、自由気ままに生きるラッパーの冬美の行動パターンがおもしろい小説です。
 何を考え、何をするのか、読者に予測できないというところがいいと思います。彼女の意外な思考と反応が楽しめます。都心を歩き回る『転々』に近い展開だと思いました。

 次の言葉を見て、藤田氏は女をよく見ていると思いました。

「身勝手さは、相手のことを慮らない力である。これは女ならではの強さに思える。」(128頁)

 私は、女は男とは人種を異にすると思っています。これは、その点を側面から突いています。

 第一章で、冬美がつぶやく『白い恋人たち』が、それまでの冬美のイメージと違っているのが気になりました。
 そんな中で、大学の国文科で和泉式部を研究しているという圭子が出てきます。その対比がおもしろいのですが、妙な味付けが中途半端なままで終わったのが惜しまれます。

 後半の、冬美をめぐるちょっとした謎解きが、読者を惹き付けていきます。その中で、先の『白い恋人たち』がキーワードとなり、エンディングを導くものとなります。
 一人の女の子をしつこく描く中で、人間の過去の重みを感じさせてくれます。

 欲を言えば、少し作り過ぎた話になっているように思われる点が気になります。ネタの新しさに寄り掛かり過ぎ、とでも言えばいいのでしょうか。

 また、中盤からの、情を前面に出したところから、前半の歯切れの良さが失われ、モヤモヤとした展開となります。タッチが二つに分裂した点も惜しまれます。【3】

2007年9月17日 (月)

京洛逍遥(14)比叡山のルノワール

 比叡山の延暦寺があるのは滋賀県大津市です。しかし、京都側から見た歴史に縁が深いせいか、ここは京都のお寺として意識してしまいます。
 その延暦寺に行ってきました。
 ただし、根本中堂のあるお寺ではなくて、そこから山頂に登ったところにある「ガーデンミュージアム比叡」です。花と印象派の絵画を堪能しました。

 この庭園には、モネやルノワールなどフランスの印象派の画家たちの作品が、陶板画で復元されています。また、印象派の絵に描かれた木や花が再現された庭になっていて、非常におもしろい庭園美術館となっています。

 モネの睡蓮の絵の見せ方には、そのこだわりが伝わってきて感心しました。

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 この睡蓮の池は回遊式の庭園となっていて、日本的なものとなっています。

 写真の右手後ろにある、お椀を被ったような建物は、滋賀県や京都府のみならず、奈良までもが、360度を見はるかすことができる展望台です。

 さて、昨年まで、私は海外に出かけることが多かったので、時間を見つけては美術館や博物館に足を運びました。印象派の絵は親しみがあるので、いろいろと見ました。
 パリ、ロンドン、ボストンなどなど、実際に自分の眼で見た作品がここで陶板として生まれ変わっているのを見て、また、自由に触って観てほしいという展示側の粋な計らいに、新たな絵に対する興味を再確認することとなりました。
 少し離れたところから鑑賞し、そして近づきすぎると警報が鳴るという、管理された現代の美術館で観る絵とは違って、手のひらで触ってもいいということなのです。陶板画ならではのダイナミックな絵の観方に、新たな刺激をもらいました。さらには、光をキャンバスに表現した芸術である印象派の絵は、こうした自然の光の中で見るのも一興です。むしろ、画家が描いた時に近い環境で観るのは、本来の見方なのかも知れません。
 ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」などを実際に触ると、本とは違った感触が伝わってきました。

Zwueph0i_sルノワール


 そして、庭の木や草や花ばなが、展示されている絵と溶け込んでいるのもいいですね。

 右には、琵琶湖がひらけています。

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 眼を左に転ずると京都御所を中心とした平安京が遠望できます。今日は、琵琶湖がきれいに見えましたが、京都方面は少し靄がかかっていました。拙宅もかすかに見えたように思います。
 左右だけではなくて、南の彼方には、今春まで住んでいた信貴生駒の山並みも臨めます。

Nlnzzmle_s信貴生駒


 中には、印象派ガイダンスシアターというところがあり、小さな画面ではありますが、印象派の歴史などについて簡単な映画と説明があります。これには、モネの扮装をしたロボットがユッタリとした動作で語りかけてくれます。
 簡潔でわかりやすい解説です。

Wo8sriq__sモネ


 この庭園美術館は、非常によく考えられた施設です。私は現在、博物館や美術館に関わる学芸員の資格を取得するために、都内の大学で科目履修生として勉強をしています。来春には取得できそうですが、これからの博物館や美術館を考える上で、ここの仕掛けは停滞気味のミュージアム関連施設に刺激を与えるものとなっています。私にとっても、いい見本であり、すばらしい教材となります。

 比叡山の山頂という絶景の景勝地で、こんなにセンスのいい趣向によって生まれ変わった印象派の絵を堪能できるとは……。贅沢な憩いの一時を過ごすこととなりました。

 ここが1200年以上もの歴史を伝える延暦寺の地であることを、すっかり忘れていました。
 今自分がいる空間がフィクションの世界となっていることに気付くおもしろさは、得難いものとなりました。
 自分の五感を気持ちよく刺激してくれるところです。
 再訪の折には、また違った季節感を楽しみたいと思います。

京洛逍遥(13)早朝の賀茂川

 早朝の北山を遠望したところです。

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 早朝の賀茂川べりのウォーキングは、とても爽やかです。
 拙宅から数十歩で河原に出ると、たくさんの人と出会います。
 ジョギングする人、競歩のような人、颯爽と手を振って歩く人、のんびり歩いている人、自転車で走り抜ける人、そして体操をしている人などなど。
 たくさんの人が、北山からの霊気を吸いながら身体の調整をしているのです。ここには、観光客は一人もいません。いないはずです。
 私は、気分転換と健康維持のためにウオーキングをしています。

 しばらく歩くと、川中にいろいろな鳥がいることに驚かされます。こんなにたくさんの鳥が京の町にいたのかと。
 一番多いのは鷺です。ジッと何時間でも不動の姿勢で南を見つめている鳥の横を、白鷺が華麗に旋回してあたりの緊張感を切り裂きます。

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 彼らも、今日一日のためのウォーミングアップをしているのかもしれません。

 カルガモの子どもも、元気にはしゃぎながら朝食です。

Ykq9dt0x_sカルガモ


 1日の始まりを、いろいろなスタイルで迎えようとしているのです。

 観光客がまだ眠りの中とおぼしき朝、京はすでに始動しているのです。

2007年9月16日 (日)

銀座探訪(3)庶民的

 銀座のど真ん中の地下にあるスポーツクラブで汗を流した後、最寄りの駅までブラブラするのも楽しいものです。

 ギラギラした世界とは無縁な私は、やはり吉野家レベルの興味で銀座を見てしまいます。

 宅急便の集配所が、こんな江戸情緒の看板を掲げていました。

Oll4n91f_s宅急便


 なかなかいい雰囲気を出しています。まわりに高級クラブがある地域だけに、スッと日常を通り越して古き時代を感じさせてくれます。この文化の落差は、非常におもしろい気分にさせてくれます。

 こんな中華料理屋はどうでしょう。

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 写真ではキレイに写っていますが、どこの町にでもある庶民的なこぢんまりとした中華屋さんです。店頭の自転車もいいですね。
 銀座らしくなくて、つい入ってしまいました。
 テーブルは3卓、そしてカウンター。きさくなオジサンたちがやっています。味がいいので、こんな銀座のど真ん中で続けられるのでしょう。ただし、9時20分には店を閉め始めるので、本当に健康的なお店です。
 この店の2階は、高級で上品な中国料理店です。このアンバランスさも、気に入りました。

2007年9月 5日 (水)

井上靖卒読(14)『真田軍記』 (続)

 角川文庫の『真田軍記』 には、標題の連載4作品の他に、戦国時代に材をとった別の短編4編も収録されています。以下、それについて報告します。

・「篝火」
 合戦という緊張感の裏側に潜む虚しさとを、一人の男を通して語ります。一大事のウラには、意外に何でもない偶然というものが潜んでいるようです。立場や視点が変わると、かくも違うのかということが、うまくまとめられています。軽妙さの中に物事の本質を突こうとしています。【4】

初出誌:週刊朝日別冊
初出号数:1955年4月号

角川文庫:真田軍記
旺文社文庫:真田軍記
井上靖小説全集:11 姨捨・蘆
井上靖全集:4 短篇4

・「高嶺の花」
 特異な事態を、責任のない立場の者の視点で描いているところが、井上靖の戦国小説のおもしろいところです。ここでの次郎がそうです。戦の場面も、簡潔で臨場感があるのは、いつもながら巧いと思います。一文を短くしてリズムを作っているからでしょう。
 とにかく最終段が、そうなるだろうと予期はしていたのですが、うまく締め繰られていていい作品となっています。【4】

初出誌:小説新潮
初出号数:1956年9月号

角川文庫:真田軍記
旺文社文庫 :真田軍記
井上靖小説全集:11 姨捨・蘆
井上靖全集:5 短篇5

・「犬坊狂乱」
 話はおもしろいのですが、後半のまとまりは井上靖らしくなくて残念に思われます。
 犬坊のことは、うまく語られています。それだけに、彼を取り巻く描写がもの足りません。急いで筆を擱いた、という感じが残りました。【1】

初出誌:小説公園
初出号数:1957年3月号

角川文庫:真田軍記
旺文社文庫:真田軍記
井上靖小説全集:11 姨捨・蘆
井上靖全集:5 短篇5

・「森蘭丸」
 文章に格調の高さを感じます。品のある、きれいな文です。
 蘭丸と由弥の恋心を、もっと語ってほしくなる作品です。【3】

初出誌:講談倶楽部
初出号数:1954年3月号

角川文庫:真田軍記
井上靖小説全集:11 姨捨・蘆
井上靖全集:4 短篇4

2007年9月 4日 (火)

銀座探訪(2)吉野家

 今日の銀座の夜のプールは、高齢の上品な女性と私の2人だけでした。優雅なことです。
 女性はのんびりと18メートルのプールをウォーキングするだけで帰られました。私は、20往復した後、ジャグジーで体をほぐしてリフレッシュしました。
 帰りに体重計に乗ってガックリときました。何と、体重が50キロを切ったのです。数十年ぶりの大変なことです。この一線だけは死守してきたつもりだったのに、正直ショックです。
 18歳の時に十二指腸が破れて手術をした時に、それまで60キロあった体重が38キロになった時以来の一大事です。
 先週から血糖値が高い日々が続いていたので、今日は食事を少なめにしていました。それにしても、体調がいいだけに納得できない気持ちでいます。

 今日は栄養をつけて帰るかと思ってスポーツクラブを出たところ、近所のビルの前に異様な人だかりがありました。集まっている人のことばを拾うと、どうやらキムタクが入ったとかで、出てくるのを待っているようです。外車やタクシーなどで乗りつける正装をした人が入って行きます。いかにも都会の中心地らしい光景です。
 そうだ、キムタクが正装して行けない店で食事をしようと思い、東銀座をブラブラしだしました。すると、アップルストアの並びで、かのシャネルとの間に「吉野家」があるではないですか。

Xhtnq_mc_s銀座の吉野家


 おまけに、吉野家の道を隔てた向かいには、これまた有名なルイヴィトンが正対しています。これはおもしろいと、早速入って豚丼と野菜サラダとケンチン汁を注文しました。
 お店の客の半数は若い女性でした。場所柄でしょうか。ここは、最近公示された地価が日本一のあたりです。それでも料金は他の店と同じなので、何か得をした気持ちになります。単純なものです。

 一つ、気になることがありました。それは、私の対応をしてくれた吉野家の店員の3人ともが、偶然なのでしょうが、みんな中国の方でした。少し日本語が覚束ないところがありましたが、一生懸命に仕事をしておられました。
 私がこのことに反応したのは、その前にコンビニのampmでゆうパックを送ったのですが、その時の二つのレジにいた店員さんも、2人とも中国の方だったからです。その時には、もう一つ郵送したいCD-ROMの入った封筒を持っていたのですが、ここから送れるのかを聞いている内に、この2人の方では正しく扱ってもらえそうになかったので、そこから送るのは断念しました。
 決まり切った接客は外国から来た方にも、アルバイトとして出来るのでしょうが、相談しながら対応を判断するような局面では、異文化の理解が浅い方には、少し荷が重い仕事となるようです。
 それにしても、中国の方の日本進出はすごいようです。今日、私がお店で対応してもらった方は、5人とも中国の方で、日本人はゼロだったのですから。
 中国から来られた方が日本でアルバイトをされるのは構いませんが、その際には、お金だけを持っていくのではなくて、ぜひ日本の文化も中国へ持って帰ってください。中華思想で日本を軽くあしらい、日本というものを切り捨ててしまうのではなくて、ぜひ良いところは正直に持ち帰って伝えてください。
 中国が世界中から嫌われているのは、自分たち以外の相手の文化を理解しようとせずに、自己主張ばかりをしておられるからです。
 今、自分の生活のためにアルバイトをするのは構いません。しかし、自分のためだけでなくて、相手との相互理解につながる体験をして、お互いの今後の友好につながるものも持って帰ってほしいものです。

NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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