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2007年11月 4日 (日)

古都散策(25)正倉院展

 芸術の秋、とはよく言ったもので、芸術・文化に接する機会が多い季節です。

 この時期には、京都文化博物館で「トプカプ宮殿の至宝展」が開催されています。しかし、先般、京都文化博物館へ行ったにもかかわらず、今回も見る時間のないままに、古写本の調査という仕事だけで帰りました。
 トルコへ行った時には、ジックリとは見られなかったものが来ているのです。次回、ここに来た時には、きっと見たいと思っています。

 先日行った天理図書館では、2階で「中国の絵入本」という特別展をしていました。


Xrfd3hes_s中国の絵入本



 私は、漢籍のことはさっぱりわかりません。しかし、わからないなりにも、絵本ということでもあり、楽しく貴重な本の数々を見て来ました。

 天理からの帰りに、奈良市の中心部にある、奈良国立博物館で、正倉院展も見て来ました。


8jhev1kc_s正倉院展



 正倉院展は、ほぼ毎年見ています。
 現在、博物館の学芸員の資格を取るために、大学へ通って勉強しているせいか、展示されているものだけでなく、展示の仕方や、会場のセッティングに注意が向きました。

 御物には小さなものが多いせいか、展示ケースに油膜がたくさん着いていました。じっくりと見たいために、顔をガラスケースに近づけるからでしょう。観覧者の額や鼻や掌のアブラが、ガラスに着いているのです。
 ところが、それを布巾で拭き取る、アルバイトと思しき青年が活躍しているのが、目に留まりました。
 これは、展示方法を考えなければなりません。来場者が、どのようにして展示物を見るのか、もっと研究が必要です。

 そして、もう一つ、展示物で気になるものがありました。それは、「紅布衫」(べにぬののさん)です。これは、袍などの中に着る肌着です。
 その背面の裾に、墨で「刑部小君」と書かれています。展示解説の表示板によると、これは着ていた人の名前だとあります。そして、そこに「おさかべのおぎみ」と読み仮名が振ってありました。
 「小君」を「おぎみ」と読ませていたのです。
 『源氏物語』でいうと、第3巻「空蝉」や第54巻「夢浮橋」にでてくる「「小君」は、一般には「こぎみ」と読んでいます。「おぎみ」という読み方の、その根拠が知りたくなりました。
 今回の展覧会の図録の解説では、この「小君」には振り仮名がありませんでした。会場の説明板にあった振り仮名が、どうして図録にはないのでしょうか。
 手元の『源氏物語』の本文に関するデータベースで調べたところ、古写本のすべてが「こきみ」「こ君」「小君」となっていて、「おぎみ」は一例もありませんでした。
 これは、さらに調べることにします。

 博物館のある春日大社の広大な境内を散策していると、こんなものがありました。


Yemjft6u_s御神竹



 木の中から、竹が生えているのです。
 これは、非常に珍しいものに出会えました。
 秋の一日、充実した時間を持つことができました。

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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