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2008年2月14日 (木)

中国にあるか?『源氏物語』の古写本

 中国東北地方(旧満州)に、まだ『源氏物語』の古写本が残っているはずです。
 それも、鎌倉時代の貴重な写本が … 。

 第2次世界大戦後、中国東北地方で『源氏物語』の古写本が姿を消しました。
 それは、「従一位麗子本」と呼ばれる貴重なもので、鎌倉時代の末期の書写だと言われています。これは、『古文書の面白さ』(北小路健、昭和59年、新潮選書)に書かれている情報によるものです。
 すでに、同氏は、渡部栄の名前で『源氏物語従一位麗子本之研究』(昭和11年、大道社)を刊行され、その本文の異質さが論じられています。その本に引かれた本文を、現存の本文と比較すると、鎌倉時代の本文を伝える陽明文庫本や伝阿仏尼筆本に近い、研究上たいへん貴重な存在と言える写本なのです。

 しかし、その本を渡部氏以外は誰も見ていないのが問題です。
 氏の著書に、写真が数枚掲載されているだけです。 平安時代の『源氏物語』の写本はまだ確認されていません。すべて、鎌倉時代以降のものです。そして、鎌倉時代の『源氏物語』については、まだまだ研究されていないのです。特に、その本文が確認できれば、『源氏物語』の研究は大きく進展します。
 『古文書の面白さ』によれば、終戦時にロシアの進攻にともない、長春(戦時中の新京)の本屋さんに預けたことになっています。地名としては、四馬路、五馬路があがっていました。


Bxtyngyq_s四馬路標識



 長春に調査で行った折に、八十歳になられる呂元明先生(元東北師範大学教授)が、私の話に興味を持ってくださいました。そして、地元にお詳しい先生とご一緒に、それらしき所(四馬路や五馬路等)を訪ねました。地元の人にも聞いてくださいました。


Ygzxowy7_s呂先生聞き込み



 しかし、手がかりは何もありませんでした。

 この本の流転の話を吉林大学の先生方にしたところ、非常に興味を持ってくださいました。これまで、まったくこの本(従一位麗子本)のことをご存知なかったのです。
 今後は現地の方が意識して動かれるので、おもしろくなります。
 本は、探している者の元に現れる、と言いますから。







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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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