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2008年4月22日 (火)

源氏千年(27)朝日新聞「人脈記」1

 朝日新聞の夕刊第一面に連載中の「ニッポン 人脈記」のシリーズが、今日から「千年の源氏物語」と題してスタートしました。15回の連載となるはずです。
 文章は白石明彦さん、写真は八重樫信之さんです。

 第1回目だけは、以下から読むことができます。

http://www.asahi.com/jinmyakuki/TKY200804210166.html


Qrnvs46v_s第一面



 昨冬より白石さんからお話は伺っていたので、いよいよ開始かと、ワクワクして読み始めました。

 白石さんは、非常に物腰の柔らかな方です。何度かお話をし、またメールの交換をしていますが、安心して話ができる点と、よく勉強をしておられることに好感が持てます。私とほぼ同年ということもあって、親近感も覚える方です。
 今回の記事を拝読し、優しいお人柄とお書きになる文章の歯切れのよさとの間に、少しだけですがギャップを感じました。もっとも、それは心地よいものです。文学が専門ではない、とおっしゃっていたので、それが対象から距離を置いて語れる秘訣なのでしょう。
 取材対象との適度な車間距離で始動したようです。

 今日の初回の記事は、


『源氏』とともに生きる人たちの物語をひもとく。


と結ばれています。
 テンポよく進んでいく気配なので、これからがますます楽しみになりました。

 第1回目のタイトルは「抑留を耐えた宇治十帖」です。

 秋山虔先生がトップバッターとなられることは予想していました。しかし、冒頭から6割方は藤村潔先生のシベリア抑留と軍隊での話だったので、これには意外の感を抱きました。
 お年の順なのかな、などと、余計なことも考えました。

 シリーズのスタートにあたり、いろいろと思案なさったことでしょう。察せられます。そして、この記事になったのです。白石さんは、読み物であることを重視されたようです。「人」が前面に出ています。
 そう思うと、シベリアから『源氏物語』へつなげるのは、おもしろい語り出しです。その生きざまにスポットを当て、研究者としての内実に深入りしないのは、一般の読者を想定した本シリーズとしては、着眼点がよかったと思いました。

 好き勝手なことを言わせてもらうと、秋山先生がやや固く描かれたように思えます。もちろん、限られた字数での記事なので、これは致し方のないこと、と了解しての無い物ねだりです。秋山先生の気配りが語られても、と、何かとお世話になっている立場からは、少し不満が残ります。もっとも、秋山先生はいろいろなところにお出になっているので、ここでも……、という配慮は適度になされていると思われます。

 『源氏物語』の千年紀については、ぜひとも今回の取材メモを活用して、研究者としての人間の生きざまと仕事の内容についてまとめてほしいものです。とにかく、厚い研究者を擁する研究分野ですので。

 明日から、どのように『源氏物語』というバトンを受け渡して連載をつなげていかれるのか、新聞が届けられるのが待ち遠しい気持ちでいます。
 


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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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