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2009年3月21日 (土)

浅田次郎の講演会

 岡崎公園の中にある京都市勧業館「みやこめっせ」で、浅田次郎氏の講演会がありました。
 少し気になる作家だったので、行って聞きました。

 演題は「わたしの好きな京都」という、一人語りができそうなテーマです。


090321asada淺田次郎

 実は、私は浅田氏の本をまだ1冊も読んだことがありません。
 原作となっている映画も、まったく見ていません。
 京都を舞台にした作品が多いので、気になっていたのです。

 お話は、とりとめもなく始まり、脱線しながら、なんとなく終わりました。
 作家らしい、軽妙な話しぶりでした。

 話を聞いている内に、私と同年であることがわかりました。
 話の内容も、私と同じ体験が随所に出てくるので、親近感を覚えました。

 三島由紀夫の割腹自殺の時は、真相究明のために自衛隊に入ったのだそうです。
 私も、あの時はすぐに原稿を書いて、朝日新聞の声の欄に投書したものです。小さく掲載されたことを記憶しています。

 『輪違屋糸里』では、新撰組の羽織は、菱屋のものにしたが、本当は大丸だ、などと小説の舞台裏などにも話がおよびました。

 学問をするには、京都はイメージしやすい環境にあるので、適しているのだそうです。
 また、パソコンで書く小説が長くなるのは、積み重ねて書くからだそうです。つまらない、長いものになるとも。

 そして、浅田氏は、短い言葉で表現するのが日本文学だとの考えから、万年筆で原稿用紙に書いておられます。
 短くて、端的に表現できるようになるからだとか。

 最後は、京都は四季がはっきりしているので美しい、という話で終わりました。ちょうど1時間のお話でした。

 その後、しばらく質疑応答の時間がありました。

 戦争についての言及に関して質問が出たときには、これには考えながら、本気で答えておられました。

 なかなかおもしろい講演会でした。


 会場を出ると、別の部屋で「源氏物語五十四帖の抹茶碗」という展覧会をしていました。

090321gchawan源氏抹茶碗

 写真撮影の許可が得られなかったので、丁寧に見てまわりました。
 しかし、作家の方々の経歴の華々しさに比べて、その作品に描かれた源氏絵や意匠には、あまりいい印象を持ちませんでした。
 雑な感じがしました。
 みなさん、著名な方々なのでしょう。しかし、『源氏物語』を読んだことのない方が、こうした作品を多少無理をして作り上げた、というものが多いのではないでしょうか。
 これは、京焼・清水焼の匠21名の技を展示するものだ、とありました。
 焼き方からの制約でもあるのでしょうか。それでも、私がいいと思うものは、1つもありませんでした。
 勝手な印象批評で申し訳ないのですが。

 展示の仕方といい、訪れる人の少なさといい、『源氏物語千年紀』のブームが去ったことを教えてくれる、かすかな余香に甘んじた展覧会でした。

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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