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2009年6月12日 (金)

情報源としての京都新聞

 京都新聞は、文化系の中でも特に文学・歴史・文化に関しては、非常に充実した内容と情報を提供してくれるメディアだと思います。
 もちろん、愛読する全国紙の朝日新聞もすばらしいメディアです。しかし、こと文学に関しては、京都に関するネタということに限らず、貴重な記事にであうことが多いのです。
 これは、2年前に奈良から京都に移り住み、京都新聞も購読し始めてから気づいたことです。

 具体例として、訃報を較べてみましょう。

 まず、昨年2008年10月14日の、井上靖氏の妻だったふみ氏の記事をあげます。

090612inoue1井上ふみ・京都新聞

 
 
 


090612inoue2井上ふみ・朝日新聞

 文字の量が、京都新聞の方が多いのは一目瞭然です。
 その内容では、京都新聞には、死亡時刻、亡くなった場所、出身地、喪主の名前にふりがな、などが明示されています。
 また、井上靖記念文化財団が設立されたのは、井上靖の死の翌年1992年であったこと、ふみ氏の著書に歌集『天上の星』もあること、など、短いながらも簡にして要を得た訃報となっています。

 次は、『源氏物語』の京言葉訳で知られる、中井和子氏に関する2009年2月4日の訃報記事です。
 これは、中井氏が京都府立大学名誉教授ということもありますが、京都新聞は4倍もの情報量で報じています。


090612nakai1中井和子・京都新聞


 
 
 


090612nakai2中井和子・朝日新聞

 井上ふみ氏も中井和子氏も、共に京都に縁のある方です。

 そこで、東京の人の記事として、泡坂妻夫氏の訃報を見ましょう。
 これは、中井氏の翌日に掲載されたものです。

 これも、京都新聞の方が、3倍以上もの情報量で報じています。
 直木賞作家で、推理小説や職人世界を描くところから、幅広い人気を持つ人でした。
 私も、いくつかの作品を愛読しています。


090612awasaka1泡坂妻夫・京都新聞

 
 
 

090612awasaka2泡坂妻夫・朝日新聞


 京都に関係するものは、京都新聞が記事にしていることが多いのは確かです。
 しかし、それ以外でも、こうした訃報にも特徴があります。

 つまり、文化・文学に関する情報は、こまめにとりあげ、しかも詳しく報道していることが、訃報というほんの一つの例からですが、確認できると思います。

 京都新聞は、地方にいても購読できます。
 もっとも、さすがに、朝夕きちんと自宅に配達してはくれません。郵送してくれるのです。
 購読して2年が経ちます。
 文学に興味を持つ私は、毎日、目を通すのが楽しみな新聞です。
 今日はどんなことがとりあげられているのか、と、まずは文化欄と京都版の紙面を急いで確認しています。
 今日も、「羅城門」は「らせいもん」もしくは「らいせいもん」と読むのが適切な読み方だ、という記事を読みました。「来生」からの転訛のようです。
 また、東寺の西側にある羅城門跡の付近は、羅城門町といいますが、これは1918(大正7)年に歴史的知識によって後から付けた地名なのだそうです。
 そして、この羅城門碑と千本丸太町にある平安宮大極殿跡碑は、関係が深いものだとか。

 学校で教わった乏しい知識しかない私などは、京都新聞の地域に根ざした豊富な情報に接し、いつも『源氏物語』を読む時の栄養素になっています。

 もちろん、全国紙に負けないように、政治・経済・社会の記事も確りしています。
 自宅では、京都新聞だけでいいと思うときがあります。しかし、かつて朝日新聞の記者を目指し、朝日新聞を配っていた者としては、これも止めるわけにはいきません。
 そして、それなりに記事の傾向が違い、論調が異なるので、二誌を読むのも楽しみが倍増しています。

 さて、明日の朝刊には、どんなことが書かれているのでしょうか。
 朝、新聞を広げるのが楽しみです。

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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