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2009年8月23日 (日)

京洛逍遙(100)府立植物園で『源氏物語』

 京都府立植物園が85周年記念として「源氏物語の植物木版画展」を開催中です。
 
 
 
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 この手作り感あふれる案内板が気に入りました。
 園内に入って右側の建物です。
 
 
 
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 『源氏物語』には、110種類もの植物が登場するそうです。一度、事典などで確認したいと思っていますが、いまだ果たしていません。
 今回の展示は、木版本の源氏物語絵巻などとともに、その植物を、木版摺りと写真で一覧できるものです。

 京都府立植物園には、約90種類もの源氏物語ゆかりの植物が栽培されているとのことです。千年前の植物が今でも自分の眼で確認できるのですから、すごいことです。これも、いずれ1点ずつ確認したいと思います。

 この展覧会は、こぢんまりとした植物園会館展示室で開かれています。
 写真も、快く撮らせてくださいました。
 
 
 
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 和紙の創作照明には、少し違和感がありました。
 『源氏物語』に関する花の情報を、もう少し工夫して提示していただけたら、さらに楽しく花々を見られたと思います。

 期間は、平成21年8月21日から9月6日までの17日間。
 一般の方は、200円の入園料で植物園に入場すると、この展覧会は自由に見られます。

 以下、展示内容を紹介しておきます。
 ・上村松篁 木版画 「桃花」額装
 ・上村松篁 木版画 「桃花」 摺立順序
 ・木版本 源氏物語絵巻
  1.川面義雄氏制作作品
      絵19面、詞書19面 (入れ替え有り)
  2.FMスクリーン特色多色刷りによる復刻本
      絵19面、詞書37面
 ・手摺木版画(花版画 約22点)
 ・あかり(和紙で作るあかり“照明” 約15点)
 ・写真(源氏物語に登場する植物 約36点)

 この京都府立植物園は、大正13年のオープンです。日本で初めての公立の植物園でした。しかし、その長い歴史には、筆舌に尽くしがたい出来事もあったようです。
 朝日新聞(8月12日夕刊)の「狙われた御所」という特集で「古都の戦争と平和」と題する記事に、次のような興味深いことが報じられています。

 終戦後の昭和46年の秋、この植物園の敷地内に、突如アメリカ村が出現したのです。
 進駐軍の家族用住宅が建設され、その時に25,000本の樹木の内、19,000本が伐採されたそうです。ブルドーザーで園地が潰され、そこに学校や消防署、テニスコートが造られたため、植物は全滅となったのです。
 その時の写真が、園長室にあるそうで、新聞に掲載されていました。

 アメリカ軍は、最初は京都御所を含む京都御苑を要求したようです。
 しかし、日本側は抵抗し、その時の資料が宮内庁書陵部に残っているようです。
 私にとっては古典籍を拝見するしか縁のなかった書陵部に、そんな資料もあることを知り驚きました。

 御所の代替地として差し出された植物園は、本当に気の毒でした。
 しかし、今は手入れの行き届いた立派な植物園として、四季折々に、みんなに愛されています。

 なお、この植物園については、「京洛逍遥(83)府立植物園のバラ園」という内容で紹介しました。
 現在の様子について書いたものです。
 併せてご笑覧いただければ幸いです。

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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