インディラガンディー空港で、JALの信じられない失態に出くわしました。
大学院生2人を引率しての、チェックインカウンターでの出来事です。
順番が来たので、私が学生2人のパスポートを預かり、3冊のパスポートをカウンターに出しました。
eチケットだったので、それも一緒に渡しました。ただし、1人は要らないはずだから、と言って出さないままに、搭乗手続きは終わりました。
荷物が3個であることは確認されましたが、それ以外は特に何もありませんでした。
私は、往路でベジタリアンの食事をリクエストしていたので、帰りもそのようにしてもらいました。それを受けて、学生の1人が自分もお願いできないかと言うと、カウンターの女性は、すでに余裕がないので、ここでは受けられないとのことです。そして、機内で言ってみてほしい、とのことでした。
カウンターで返却されたパスポートを受け取り、それと一緒に置かれた3枚の搭乗券を手にし、一番上の券面に書かれた女性名を見て、それをまず学生に渡しました。次が、私のもので、最後をもう1人の学生に渡しました。
しばらくカウンターの前に立ったままだったので、もうここには用事がないよね、と言いながらその場を離れました。何かを待つことがあると思っていたので、しばらくそのカウンターの前を動かなかったのだと思います。ただし、何もないようなので、その場を立ち去りました。
パスポートコントロールを通過すると、セキュリティチエックで朱の楕円形の印が捺されます。これは、パスポートコントルールの前だったかもしれません。その後に、手荷物チェックがあります。
手荷物チェックの入口で、警察のような服装の人がパスポートと搭乗券をチェックし、荷物をX線を照射する箱に通します。そして、四角いゲートを歩いて通ります。
今日も、私は警報が鳴りました。身体検査の結果、何もないので無罪放免となり、暗い箱から出てきた荷物を引き寄せて手にしました。学生の姿が見えなかったのですが、パスポートコントロールを通過したのは見かけたので、手荷物検査で引っかかっているのだろう位の気持ちで、私は1人でお土産物を見に行きました。
昨年の3月に、ここでドルしか使えなくて困ったことを思い出しました。
インドの旅をした人が、今ここでドルを持っているのでしょうか。日本人なら、インドのルピーか円しかないはずです。それなのに、今年もドルしか受け取らないようです。カードで買い物せざるをえません。自国の通貨が使えない免税店は、何か変だと思うのですが……。
出発まで時間があるので、ワイヤレスのインターネットが使えないか見渡すと、どうやら使えるようです。
携帯番号を入力すると、ユーザー名とパスワードが携帯電話に送られてくる仕組みです。
何度やっても、キーワードが送られてきません。携帯電話の履歴をみると、昨年の3月にインドからの帰りに、キーワードなどを受け取っています。それを入力してみましたが、もちろん使えるはずはありません。
今年は、どうしても送ってもらえないのです。ローミングサービスがオンになっていることを確認するなど、何度も自分の携帯番号を入力してキーワードの発行を試みましたが、30分ほどやってもダメなので諦めました。どうも、どうなっているのか、よくわかりません(実は、日本に帰国後に、パスワードが届いているのが確認できました。使い道のない、どうしようもないログイン情報です)。
さて、搭乗時間が近づいたので、搭乗ゲートへ行きました。しかし、どこにも学生たちがいません。
しばらく探していたところ、やっと1人を見つけました。そして、もう1人は、と聞くと、とんでもないハプニングに遭っていた、と言うのです。
私の後から手荷物チェックを受けようとしたとき、検査機の前にいたパスポートと搭乗券を確認する人が、このチケットは無効だと言ったことから、事態がとんでもない方向に展開したようです。
その学生が差し出した搭乗券には、成田からデリーへ、と書いてあり、しかも日付がインドに来た2月9日になっていたのです。
それなのに、楕円形の朱のスタンプには、「14 FEB 2010」と、今日の日付が捺されています。

そこで、これは大変だということで、2人の学生はあらん限りの英単語を並べて、とにかく本人1人が出国した場所から再度チェックインカウンターに、這々の体で引き返したのです。
それまでに30分以上も、いろいろな人に、いろいろなことを聞かれたようです。そして、訳のわからないままに先ほどとは違うJAL職員のいるカウンターで事情を説明し、再度搭乗券を発行してもらったのです。どうやら、インディラガンディー国際空港には、日本人のJAL職員は1人だけのようです。
そして、その時に、先ほど渡し忘れたということで、手荷物の預かり証を3枚受け取ったようです。こんな時に、あっそうそう、と渡される性格のものではないはずです。
その新しく渡された搭乗券で、再度パスポートコントロールを通過し、セキュリティチェックの後、手荷物検査を通過して、めでたく搭乗ゲートまで来ることができたのです。彼女は、初めてのインドの空港で、1時間ほどの回り道をしたことになります。
その話を聞き、彼女が、心細さと情けなさに胸を痛めたことを知りました。
このままでは倒産したばかりのJALは、ますます客が逃げていくのはよくないと思い、ことの顛末をはっきりさせるべきだと思いました。そこで、搭乗口のインド人職員に事情を話し、こうしたクレームはどこへ言いに行けばいいのか尋ねました。すでに搭乗が始まっています。搭乗ゲートは混乱の中でもあったので、その職員の方はどこかへ電話をしておられました。
まったく失礼な対応なので、学生と憤慨しながら搭乗を待つ列に並ぼうとした時、日本人でパリッとしたスーツを着た男性がお出でになり、我々に事情を聞こうとされます。彼女に代わって、ことの不可解さを詰問調で説明し、なぜこんなでたらめがまかり通ったのかを尋ねました。
私が訊いたのは、どうして今日2月14日に、我々がインドに到着した2月9日の日付けで、しかも成田からデリー行きのチケットをこのインドで発券したのか、ということが主な内容です。しかも、3人同時に手続きをしたのに、その内の1人だけが一週間前のチケットなのです。
また、手荷物の引換券は、どうして彼女がチェックインカウンターへ苦労の挙げ句に辿り着いた時に、ついでの忘れ物でもあるかのように渡されたのかも。
もし、カウンターででたらめな発券がなされていなかったか、あるいは手荷物チェックで見過ごされたまま搭乗していたら、この手荷物券は、我々は貰わずじまいで成田に到着することになります。
日本人の職員の方は、我々の話を聞いて、非常に冷静な対応をされました。
まず、インドに来たときの搭乗券を確認したい、とのことでした。なるほど。
学生は、鞄の中などを探している内に、来たときの搭乗券をeチケットに挟んだままで、パスポートに添えてチェックインカウンターに出したかも知れない、と言い出したのです。
普通はあり得ないことですが、そういえば、来たときは細長い搭乗券に半券が付いたままの状態で、最後まで手元に残ったのです。このようなことは、ままあります。そのことを思い出し、すでに使用済みの搭乗券が、何かの事情で今日の出発カウンターで渡されたこともあり得るな、と思いました。しかし、とすると、今日発券されたはずの本来の搭乗券は、どうなったのでしょうか。
日本人職員の方の説明では、挟まれていた使用済みの搭乗券を含む3枚を我々に渡した後、その本来渡すべき今日の搭乗券1枚は、そのままカウンターに残されていたと思われる、とおっしゃるのです。ということは、搭乗券が1枚、出発カウンターのどこかに放置されていたことになります。これでは、あまりにもずさんですし、状況からして少し変です。
JALの男性は、本当に申し訳ございません、と深々と頭を下げておられます。テレビのワンシーンのような、演技に近い言葉遣いと仕草だったので、この仕事も大変だな、と思いながら、とにかく搭乗を急ぐことにしました。
半券を千切ってもらって搭乗通路に出たところで、今回2回目にチェックインカウンターで彼女の対応をしたという女性が呼ばれていて、その人と話をすることができました。そこでの確認で、新たなチケットはその方が改めて印字したものであることがわかりました。つまり、置き去りにされたチケットというものは、結局はなかったことが判明しました。
それにしても、これは異常なことです。
今回の出来事を整理します。
(1)3人のパスポートを受け取って発券処理をしながら、結局は2枚しか発券されなかった。
(2)手荷物預かり証を渡されなかった。
(3)使用済みで無効の搭乗券が、3箇所でチェックを見過ごされて通過できた。
(4)もし手荷物チェックの係員と搭乗口のチケットのもぎり係が見過ごしたら、その後、今回の席を別の人に発券されてダブルブッキングとならない限り、そのまま彼女は成田で日本に入国できた。
今回は、最後2箇所での人間の目だけが、無効の搭乗券での搭乗を防ぐ役割を果たしていたことになります。際どいチェックです。最終の搭乗で、機械を通してではなくて、人間が搭乗券の半券を千切る方法だっただけに、本当に間一髪のトラブルでした。
それにしても、英語のできない学生は、突然にどうなっているのかわからない状態に置かれ、どうしていいのかもわからないパニック状態で、1時間もインディラガンディー空港をさまよったことになります。
不安と恐怖の時間だったことでしょう。よくぞ、自力で搭乗口までたどりついたことです。
空港の男性職員の方は、迷惑をかけた学生の鞄を持って、機内の席までお出でになりました。途中、無線電話で自分が機内に入っていることと、ドアを閉めないでほしいという連絡をしておられました。
念のために名刺をいただくと、「ニューデリー空港所長 K」とありました。肩書きの左には、「Dream Skyward JAL」とあります。学生本人にとっては、まさに「daymare JAL」ということになりました。
日本航空はどうなっているのでしょうか。
この帰路では、私も何となくスッキリしないことに出くわしました。
機内の朝食のときでした。飲み物を配って行かれた方が、私の席は素通りされたのです。
食事のときに日本茶を飲みたかったのですが、アテンダントの方が通り過ぎてしまわれたので一旦はあきらめました。しかし、ノドが乾いていたので、通りがかりのアテンダントの方に、ドリンクが素通りされたのでもらえなかったことを告げ、改めて食事用に日本茶を頼みました。しかし、結局は食後になっても、日本茶は持って来てはもらえませんでした。パンがノドに支えそうでした。
今年になってこの1ヶ月足らずのうちに、モンゴル、アメリカ、インドと、3度の海外出張がありました。私は、これまでに、まずJALを優先してきました。しかし、こんな状態のJALには、もう乗りたいとは思わなくなりました。
また、機内でのアテンダントの方は、今日はあまりにもキリキリとして、額に縦皺でサービスをしておられました。
足早に通路を歩き、接客時にも、身体は正対せずに、片足は別の方向に体重がかかった状態でした。これは、見ていてみっともない姿です。対応がぞんざいに感じられます
いつものJALは、どうしたのでしょうか。何か、乗務員にプレッシャーがかけられているのでしょうか。
もう少し雑談を。
飛行機がインドの地を離陸し、安定飛行に移ってから、機内食のことで1人のアテンダントの方に相談をしました。それは、ツレの1人が搭乗時のトラブルで疲れ切って元気がないので、配慮をしてほしいということでした。それというのも、チェックインカウンターで彼女もベジタリアン料理をリクエストしたのですが、断られた経緯もあったからです。食事のことは機内で確認してくれ、とのことだったので、そのことを尋ねると、彼女のベジタリアン料理は用意できないとのことでした。
そこで、私のベジタリアン料理を彼女に回し、私は普通のものにしてほしいとお願いしたのです。すると、申し訳ありませんとおっしゃって、私の希望通りにしてくださることになりました。そして、ご本人様には、お客さまからの依頼で食事を変更することになりましたとお伝えましょうか、とのことだったので、それは言わずに、ベジタリアン料理が用意できたので、ということで対応してほしい旨をお願いしました。
また、我々の搭乗時に空港職員が鞄を持って同行していたので、どのような事情があったのでしょうか、とも聞かれました。大したことではありませんが、トラブルで気落ちしているので、とだけ説明しました。
成田への着陸前にドリンクをお願いしたとき、ちょうど搭乗時にベジタリアン料理のことで話をしたアテンダントの方だったので、今回のことを機内の後方でもう少し詳しく聞いてみました。
今回機内まで来られた空港職員の方の名刺に書かれていた、空港所長というのは、ニューデリーの現地支店長の次のポジションの方なのだそうです。JALなりの誠意を示してくださったようです。というよりも、私が搭乗直前にしつこく係員に詰め寄ったので、何事かと混乱収拾の目的で出てこられたのが実際でしょうが。
そして、もし出発カウンターで彼女の搭乗券が発券されないまま、その事情を知らずに搭乗した彼女の席に、別の人が偶然来なかった場合にはどうなるかを、アテンダントの方に聞いてみました。すると、鳥肌がたつことですが、と前置きをした上で、成田からそのまま自宅へ帰られることになると思います、とおっしゃいました。
偶然が重なってのこととはいえ、こんなことになり申し訳ないと、何度もお詫びを繰り返されました。
あってはならない偶然が、こうして現実に起こったのです。
学生が、ダブルブッキングにならず、また搭乗券不所持での渡航、という不名誉な扱いを受けなくて良かったと思っています。
何事にも、あってはならない盲点というものはあるものなですね。