谷崎全集読過(5)「彷徨」「あくび」「恐怖」
■「彷徨」
人のありようや行動や考え、そして風景などを描くだけで、おもしろくないものでした。
何をテーマにしたいのかが、よくわかりません。
最後に、「未完」とあります。
終わりに出てくる「お才」の話を、もっと聞きたいところで終わります。もったいないと思いました。
なお、この作品には、英語は出てきません。【1】
初出誌︰明治44年2月号「新思潮」
■「あくび」
早々に英単語「Understanding」が出てきます。
読んでいて、こちらがあくびを堪えることになるほど、退屈な身辺雑記です。
学生たちの酒席談義を、ダラダラと聞かされる感じがしました。
青春を謳歌する若者たちを語るというスタイルが、この頃の谷崎のスタンスのようです。【1】
初出誌︰明治45年2月「東京日日新聞」
■「恐怖」
ドイツ語「Eisenbahnkrankheit」が早々に出てきます。鉄道病という意味だそうです。
『罪と罰』に出てくる英文も引かれています。
この頃の谷崎の精神状況を知るための資料にはなるかもしれません。
京都の五条あたりが描かれています。しかし、京都らしい文化には触れていません。
グズグズする男。その煮え切らなさを描こうとしたのでしょうか。
一人語りにしかすぎません。【1】
初出誌︰大正2年1月「大阪毎日新聞」
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