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2010年5月 9日 (日)

京洛逍遙(140)初夏の瑠璃光院

 今年の京都は、樹々の緑がことのほか鮮やかです。
 パンフレットなどには、「青もみじ」という語が書かれています。しかし、そのことばは、まだ紅葉しない楓などをさすものです。襲の色目では、表が青、裏が朽ち葉です。

 古来、この新緑の若々しい芽吹きを何と言ったのでしょうか。次の2句くらいしか思い浮かびません。

あらたふと青葉若葉の日の光(芭蕉)

目には青葉山ほととぎす初鰹(素堂)


 歳時記などを繙いてみました。
 「夏木立」「新樹」「若葉」「青葉」「新緑」「茂」「万緑」「木下闇」「緑陰」「若楓」などが立項されています。

 この中では、「若楓」が、この新緑の季節の色のグラデーションを的確に言い当てていることばのように思います。
 このことばは、『万葉集』にはじまり、為家の「散りはてし桜が枝にさし混ぜて盛りとみする若楓かな」(『嘉禄四年百首』新樹)が今の季節に一番近い緑を歌ったもののように思われます。

 『日本大歳時記 夏』(講談社)に、次の『源氏物語』の例をあげていました。

御前の若楓、柏木などの青やかに茂りあひたるが(「胡蝶」)

 『源氏物語』は季節の色にも敏感にことばにしているので、また改めて確認したいと思います。

 さて、2007年10月29日に、「京洛逍遥(17)八瀬・瑠璃光院」という記事を書きました。そこでは、『源氏物語』の屏風のことやトイレのことなどしか言わず、この瑠璃光院の庭のみごとさに触れませんでした。

 年に2回の公開なので、今日は初夏の瑠璃光院を散策してきました。
 数寄屋造りの書院で、若楓に包まれて来たのです。
 
 
 
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 飛び石が曲がりくねった細道を登ると、石橋のところで錦鯉が出迎えてくれます。
 
 
 
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 すっきりとした書院の中は、縁側や額縁を通して見る、若々しい色の空間です。
 
 
 
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 2階の書院では、女の子が写経に取り組んでいました。
 
 
 
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 書院の窓から見える外の景色は、秋の燃えるような色彩とは異なり、瑞々しい若さが感じられます。
 
 
 
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 お茶室も、ゆったりしていました。
 
 
 
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 最近は目の調子がよくなかったので、たっぷりと目に栄養を補給して、高野川の清流を散策しながら帰途につきました。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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