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2010年5月26日 (水)

本屋で本が見つけられない

 朝日新聞5月20日の記事に、「米国発のネット帝国主義を許すな」という、いささか過激な内容が掲載されていました。この内容をもっと詳しく知りたくなり、語り手の岸博幸さんの著書である『ネット帝国主義と日本の敗北』を探しに書店へ行きました。インターネットの書店で購入してもよかったのですが、実際に中身を見てから決めようと思ったからです。

 有楽町駅前にある三省堂書店は、比較的多くの本があるので、ときどき本を探しに行きます。
 お店に入って本を探そうとして、いつものことながら書名が思い出せません。おまけに、著者名も。慶應義塾大学の先生であることと、書名の中に「帝国主義」という語があったことしかわかりません。

 この店には、タッチパネルの検索端末があるので、それで「帝国主義」という語をキーワードにして検索しました。すぐに見つかったので、図書情報をプリントアウトしました。
 
 
 
100525books
 
 
 
 その紙切れを持って、配架場所として記された2階の「ブロックE−03」というコーナーに行きました。しかし、見あたりません。ここに記されているのは、「野球・サッカー」という区分の、スポーツコーナーです。書名からして、明らかに違うようです。

 紙片には、大分類「新書」、細分類「幻冬舎新書」とあるので、ちょうど真裏の新書の棚に行きました。しかし、並んでいる新書の中に見あたりません。

 しかたがないのでレジカウンターへ行き、レジ係ではなくて、いかにも本を探すのを仕事とするような風体の若い男性に紙片を見せました。ご案内します、と言いながら私が先ほど探していたコーナーに連れて行かれました。そしてしばし探して見あたらないと、「棚番号︰E03−00」とあるので、手前の平積みです、と言って通路側を探されるのですが、やはりありません。
 その周辺をいろいろと物色しておられましたが、ついに諦め、一度カウンターに戻り、そして「在庫切れです。」と告げられました。

 諦めて帰ろうとしたとき、ふと「幻冬舎新書」の棚に目が行ったときに、何と探している本が2冊も並んでいるではないですか。

 帰りの道々、書店の役割を考えてしまいました。
 情報端末があり、本に関する情報は簡単に引き出せます。しかし、自力ではその本の場所にたどり着けず、店員のサポートを得ても見つけられなかったのに、その本は棚に存在していたのです。

 今週、iPadが日本でも発売されます。この情報文具が投入されることによって、電子書籍の普及が加速度的に拡がります。そんな中で、紙媒体で刊行されていた本に出会うのに、こんな無駄な時間と労力を費やしたのです。これでは、書店が書籍の流通にほとんど関与していないことになります。ただ並べているだけです。偶然でしか、探し求める本に出会えないのですから。

 結局、私はこの本とは縁がなかったのだと思い、買わないままで帰りました。

 今後の書店のあり方がどうなるのか、iPadが発売された来週からの業界の動きに注目したいと思います。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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