« 西国三十三所(34)成相寺 | メイン | 京洛逍遥(169)ヨドバシカメラと白川沿い »

2010年11月 5日 (金)

西国三十三所(35)松尾寺

 成相寺の次に松尾寺へ行くために、北近畿タンゴ鉄道の天橋立駅から西舞鶴駅へと向かいました。一輌の電車で7駅区間乗ります。

 西舞鶴駅で一旦外に出て切符を買い直し、JRに乗り換えて一駅先の東舞鶴駅へ。さらに。向かいのホームの斜め前方に止まっている電車に乗り換えます。乗り換え時間が2分という、まさに早業で松尾寺駅まで一駅だけ乗ります。

 何とも、気の抜けない乗り継ぎの連続です。ゲーム感覚の電車リレーです。身の代金の受け渡しのため、犯人から指示をされて警察の尾行をかわしているような、そんな錯覚に陥りそうです。

 電車は、舞鶴湾を左に見て走ります。
 
 
 
101104_maizuruwan
 
 
 

 舞鶴というと、終戦と共に母が旧満州から、その3年後に父がシベリアの抑留強制労働から解放されて引き揚げてきた港でもあります。
 父がシベリアから帰還したとき、島根県出雲市にいた母が「岸壁の母」として舞鶴で待っていたかどうか、二親が共にいない今では確認のしようもありません。
 母の性格からして、おそらく舞鶴港には行かず、いつか帰ってくるだろうから、それまでは出雲の実家の屋根裏部屋で待っていよう、と思っていたことでしょう。そんな、ノンビリした母でした。

 「舞鶴引揚記念館」があるそうです。いつか機会を得て、両親の戦争体験を少しでも知るためにも、ここに行きたいと思いつつ、車窓を眺めていました。

 松尾寺駅は無人駅でした。
 
 
 
101104_mujin
 
 
 

 駅前には、立派な案内板がありました。
 
 
 
101104_annaiban
 
 
 

 松尾寺駅からは、歩いて50分の山登りです。ただし、一部草深い山道なので、持参の熊除けの鈴を強く鳴らしながら、急ぎ足で登りました。
 後ろを振り返りながら、観音正寺よりも怖い思いをしながら、緊張しっぱなしで急ぎました。
 
 
 
101104_yamamiti
 
 
 

 そのせいもあったのでしょう。松尾寺駅から50分の予定が、35分で本堂に着きました。
 
 
 
101104_matuodera
 
 
 

 ここは、珍しく馬頭観音がご本尊です。西国札所では、ここだけです。
 秘仏ですが、昨年は77年ぶりのご開帳だったとか。もう、私がご本尊を拝することはなさそうです。お前立ちの馬頭観音で満足しています。

 納経所へ行くと、団体の方の納経帳などがたくさんありました。また、私よりも先の方がいらっしゃったので、しばらく待ちました。
 帰りの電車が1時間に1本しかないので、気持ちは焦るところです。しかし、この西国札所巡りで鍛えられたせいか、ダメでも次の電車があるさ、と開き直れるようになりました。私も、少しは成長したのです。

御詠歌は、次の通りです。



そのかみは
いくよへぬらん
たよりをば
ちとせもここに
まつのをのてら

 
 
 
101104_matuojiku
 
 
 

 お軸を書いてくださった方の話では、ここの住職である松尾心空師は、西国札所をすべて歩いてまわられたそうです。私が、車を使わず、公共交通機関だけで回っていると答えたことに対してでした。私もいつか果たしたいと言うと、プリントを一枚くださいました。その中に、「アリの会」の活動がありました。
 姫路の書写山(27番)から天橋立の成相寺(28番)までを徒歩巡礼すると、120キロあり、四泊五日かかるとあります。また、長命寺(31番)、観音正寺(32番)、華厳寺(33番)の徒歩巡礼は95キロあり、三泊四日を要するとあります。
 今度の華厳寺行きは、今週末の予定だそうです。ちょうどこのときは、私が満願となる華厳寺へ行く予定の日なので、ひょっとしたらこのご住職さんたち一行と行き会うかもしれません。

 そんな雑談をしていたら、帰りも歩くなら熊に気をつけなさいよ、とおっしゃいます。ドキッとしました。最近、麓の民家に熊が出没しているとか。
 これを聞いて、暗くならないうちに、今すぐに帰ることにしました。
 熊が出ると聞くと、ノンビリ山を下っている場合ではありません。早足ではなく、スキップよりも早く、まさに山伏の気持ちで飛ぶように走って山を下りました。

 山道を抜け、舗装道路が見えたときには、熊に出会わなくてよかったと、本当に身体から力が抜けました。
 
 
 
101104_hosoudou
 
 
 

 ガイドブックによると、松尾寺から駅までは40分とあります。そこを、とにかく命が惜しいばかりに必死に走ったせいか、何と22分で松尾寺駅に着きました。予定の半分の時間でした。
 自分が病気療養中であり、リハビリを兼ねた西国札所巡りをしていることを、すっかり忘れています。まさに、箱根駅伝にでも出ようかという勢いでした。

 無事に松尾寺駅に着くと、ドッと汗が吹き出しました。冷たいお茶を飲みながら、身体を落ちつけて、また乗り継ぎを繰り返して帰ることになりました。

 さて、これで西国三十三所の巡礼も、岐阜県にある華厳寺一箇所となりました。
 今週末を予定しています。
 
 
 

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

Powered by Six Apart
Member since 07/2008