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2012年2月 6日 (月)

インドでのメモ(2002-2)ソーナ温泉へ巡礼

 昨日見つかった、10年前の旅先でのメモの2回目です。
 海外でも、仕事の合間に寸暇を惜しんで動き回っています。
 旅を有意義なものにする秘訣は、知的好奇心を全方位に張り巡らすことだと思っているので、機会があればどこへでも行くのです。
 
 
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■2002年10月20日■
 朝食の時、突然インドの温泉へ行くことになった。グルガオン(デリー郊外)のソーナという温泉地である。場所を日本風に言えば、ハリヤナ州グルガオン県ソーナ町ソーナ温泉。

 世界平和と人々の幸せを祈る巡礼をしておられるT上人に連れられて、同行の修行者であるロシア人、チェチェン人、そしてグルジアの若者たちとともに、車2台に分乗して出発する。

 私とT上人、N君は、Gさんの車に乗る。若者たちはタクシー。
 タクシーの運転手は、この前、デリー大学まで送ってくれた人だった。偶然とはいえ、これも縁である。

 グルガオンは、前回の滞在中に、分譲マンションのフェアで知った新興住宅地域である。車で1時間半。ソーナは、新しい街が出来つつある一帯の奥の丘陵地帯にある。
 バス停からは、狭い道を人と車を縫うようにして進む。凸凹の激しいすごい路地に、たくさんの人と物があふれている。豚が多い。いたるところに、ウロウロシテイル。
 
 
 

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 目的地に着くと、靴を脱いでお寺に入る。観音開きの板と網の2枚の戸がある。
 
 
 
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 N君と一部屋をもらい、そこで休憩。この一室が今夜の寝室にもなる。

 3畳ほどの部屋の中には、木製の縁台のような寝床が2つある。
 
 
 
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 そうとう年季の入った、黒ずんだ光沢を発している。ちょうど一人が寝られる大きさで、畳1枚より少し狭い感じである。僧房ではなくて独房に近い。料金によっては、エアコンつきのトイレつきもあるようだ。150ルピー出せばいいので、500円ほどか。しかし、私たちは30ルピーの部屋だった。100円もしない。もう少し出すと、毛布がつく。ただし、私たちは毛布やシーツを持参していた。

 すぐに温泉に入る。15ルピーで個室の温泉部屋に入る。薄暗い4.5畳ほどの部屋に、少し濁ったお湯がある。衣類は壁にかけ、パンツをはいたままで入る。たくさんの人が入るので、お湯が汚れているのだ。
 
 
 
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 チェチェンの若者兄弟が長時間の素潜りをして見せてくれた。グルジアの若者は、刺青をしていて、ヨガや曼荼羅に凝っている。彼だけが少し英語を理解し、日本にも2ヶ月いたとのこと。ほんの少し、日本語を使う。会話は無理だったが。
 後の若者たちはロシア語だけしか使えないので、コミュニケーションは誰かが間に入らないと困難である。

 少し遅い食事のために、山の上のレストランへ行く。眺望のいいテラスで、タリーやラッシーをいただく。
 
 
 
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 村の家々のかたまりが、廃墟のように見える。しかし、人が狭い路地に見え隠れして歩いているのが確認できると、今見ているのが街の頭上からであることがわかる。それぞれの家に玄関があり、部屋があり、人々が暮らしているのである。
 モロッコの立てこんだ家並みが連想される村である。乾燥地帯の中にある村なので、遠くには剥き出しの地面と木が点在している。山を登ってくるトラックが多い。
 
 
 
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 T上人から、インドは奥が深いので、さまざまな面を見せてくれるのだという話を聞いた。インドには、ありとあらゆるものが詰め込まれているので、その中のどの面を見るかである。複雑な中での多様性の混在と言えようか。合理的に割り切って生活をする私などには、まだまだ理解が行かない点が多い国である。

 夕方、N君と村を散策する。たくさんのお店が軒を連ねている。途中で、粋がったチンピラと遭う。どの社会にも、こんな連中がいるのだ。サングラスをかけて、肩で風を切って歩く風である。
 
 
 
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 町外れのイスラム寺院のマスジットに行くと、土地の人が中を案内してくれた。そして、宗教指導者という人が、いろいろと話をしてくれた。ウルドゥー語だとのことで、N君も苦労していた。若者がときどき通訳してくれた。チャイを出してくれた。友達だと言って、肩を抱いて挨拶をして別れる。
 
 
 
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 典型的な構造をした村だそうである。ヒンドゥーを中心にしてシーク教の人がその外側に住み、町外れに隠れるようにしてイスラムが住む。日常生活は、ともに仲良く暮らしている。ただし、何かあったときだけは、イスラムの人たちが被害をうけることがあるそうである。

 夜8時ごろ、みんなでまた山上のレストランへ行く。こんどは、トマトスープや天婦羅などを食べた。満月である。インドで、満月を見ながら、村を見下ろして食事をする。すごいことである。
 
 
 
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 お寺の部屋は、意外と暑かった。温泉に入ったために、体が暖かくなっていたせいだろうか。天井の扇風機をつけて寝る。
 深夜、大声で叫ぶ人がいる。夜中じゅうヒンディーの神様の話を語る人なのだろうと思っていたら、N君があれは喧嘩をしているのだという。このお寺の一人が、仕事の時間について、ぐたぐたとわめいているそうだ。世俗的なことである。1時過ぎまでうるさかった。
 
 
 
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  明け方の3時過ぎから、たくさんの人たちが入浴に来出したようである。私も4時に下に降りて、1ルピーでチケットを買って、公衆浴場へ入った。
 
 
 

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 すでにお湯は汚れていたが、まだましなほうだった。ちょろちょろと出るお湯を体にかけながら、温泉気分を味わう。上人は、1時間置きにお湯をかけておられたそうだ。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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