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2013年2月19日 (火)

法務局のミスで市役所への登記完了届出書が不受理になりました

 先週のドタバタ騒ぎを、これも記録の1つとして残しておきます。

 法務局が作成した、NPO法人の「登記事項証明書」に読点が1つないというミスがあり、とにかく翻弄されました。

 京都市からNPO法人の認可を受け、最終段階となる登記を京都法務局に提出した時のことは、「法人登記のため小雨の中を走り回る」(2013年2月 5日)に詳しく記したとおりです。

 ところが、です。

 上記のブログにあるように、京都法務局に「特定非営利活動法人設立登記申請書」を提出し、バタバタとやりとりがあったものの、無事に登記が完了しました。そのことを受けて、その週末にまた法務局へ行き、「登記事項証明書(履歴事項全部証明書)」や「印鑑証明書」を発行してもらいました。それを受け取ったその足で京都市役所へ行き、「法人等設立届出書」を提出すと、一連の法人設立のための手続きがすべてが終わるはずでした。

 ところが、世の中には不条理なことがあるもので、何とも思いがけない書類上のミスが発覚したのです。

 市役所の窓口である文化市民局地域自治推進室へ書類を持って行き、市民活動支援担当の方に「設立登記完了届出書」を渡しました。いつもの姫野さんは、ちょうど別の対応に追われていたため、東垣さんが目を通して下さいました。そして、これで一段落と思う前に、この法務局で発行された証明書は、市役所に提出した定款と異なるところがあるので、登記完了は認められない、とのことでした。青天の霹靂とはこのことです。

 詳しい説明を伺うと、「目的等」という項目の文言は、定款と一字一句違えてはいけないのに、最初の行にまず間違いがあるため、これは正式な証明書とは見なせない、とのことなのです。

 問題の箇所は、写真の赤丸のところです。
 定款では、「……データベース化は、『源氏物語別本集成』と……」となっているのに、この証明書では「……データベース化は『源氏物語別本集成』と……」と、読点がないのです。
 
 
 
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 さすがプロだ、と感心しながらも、なぜこのようなことになっているのかに気が回りました。頭の中はフル回転です。

 担当者の方の話では、法務局に CD-ROM やUSBなどのデータで渡したのでないのならば、担当者が提出書類を見て手入力をするか、OCRで読み取って文章にする、とのことでした。そして、今時手入力ではないでしょうから、OCRで読み取った可能性が高い、との言われるのです。そして、向こうもこの仕事が専門なので、何度も確認をしているから入力に間違いはないと思われる、とのことです。ということは、私が法務局に提出した書類が古いバージョンの可能性がある、という流れになりました。

 私としては、マッキントッシュのタイムカプセルでデータのバックアップの管理はしているし、自分でも間違わないようにバージョン管理をしていることを説明しました。マッキントッシュのタイムカプセルでは、何月何日何時何分の時点での文章の復元ができるので、家に帰ればこの間違いの経緯が判明する、と答えました。しかし、どう見ても私の方が形勢不利であることは否めません。そんなことよりも、一刻も早くこの事態に対処しなくてはなりません。

 市役所の担当者の方の話では、法務局で証明書の原本に校正をかけてもらい、その後に証明書を請求することになるので、少なくとも1週間はかかるでしょう、とのことでした。とにかく、それでもそうせざるを得ません。大急ぎで歩いて、また法務局へ向かいました。

 その道々、なぜこのようなことになったのかで、頭は目眩く思いでいっぱいです。
 私が何かの手違いで古いバージョンの原稿をコピー&ペーストした、ということになります。しかし、この部分は昨年の10月以来、変更のなかった部分のはずです。しかも、古い文書の一部をコピーするなど、自分がしたとは思えません。
 しかし、この最初の行末の禁則処理をするための、私がこの読点をいじった、ということも考えてみました。次第に、自分を責める自分と闘っていたのです。

 一体、何がどうなっているのか。混乱した思いのままに、法務局へ急いだのです。とにかく、事実が知りたい一心でした。

 自分は間違っていないはずだ、との思いが強い中で、いや何かの間違いをしたのでは、と自分を責めるところもあります。自問自答しながら歩いていたのです。
 それでも、とにかく、法務局で私が提出した文書の原本を見れば、この読点が1つないという事の、本当のことがわかるのです。

 法務局の窓口では、先般相談に乗ってくださった方が対応してくださいました。そして、すぐにその文章を入力して作成された方に、事情を説明し、確認しておられます。私は、その横顔を食い入るようにジッと見つめていました。そして、事態は法務局のミスの雰囲気が伝わって来だしたのです。そして、入力なさった方と共に、お詫びに来られました。

 私が提出した書類の当該部分はこうなっていました。
 
 
 

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 赤丸が付いているところに、読点があるのが確認できます。
 そして、入力担当の方は、この読点の入力を見過ごされたのです。

 さて、それでは正しい証明書はいつ、どのようにしてもらえるのか、ということになりました。
 私は、入力された文書に読点を1つ入れるだけなので、すぐに証明書の再発行をしてほしい、とお願いしました。すると、驚くべき答えがなされました。入力後、データは廃棄したのだと。嘘だろう、と思いました。

 また、それでは、再度OCRで読み込めば、すぐにできるでしょう、と尋ねると、OCRは使わずに、すべて手入力なのだそうです。またもや驚愕の事実です。
 そして、2度とこのようなことがないように、慎重に点検するためにも、今日中には証明書の発行はできない、とのことです。逃げるな、と叫びたい気持ちを、グッと堪えました。

 実は、この手続きにはウエブや電子データで申請できるのです。しかし、それはウインドウズによるものに限られ、私のようにマッキントッシュを使う者には、その方途が用意されていません。今は差別だ、とは言わないでおきます。

 それにしても、担当者の話には何やらごまかしがありそうです。嘘が見え隠れしています。何かあるな、と思いました。しかし、それをあげつらう余裕は、その時の私にはありません。

 先日私の相談を担当なさった方は、私が週末に京都に帰り、週明けの月曜日には東京へ行くことをご存知です。このままでは、証明書を入手するのは、さらに1週間後になります。逃げるな、と言いたい思いをじっとこらえて、とにかく月曜日の朝一番で登記事項証明書をもらい、すぐに市役所に持って行って登記完了にしたい気持ちを伝えました。

 必死になるのが、主客転倒しています。しかし、相手の責任を攻めても、何もいいことはありません。こうした相手を思いやる気持ちを持つのが、日本人のいいところだと言われています。
 しかし今、私がすることは、一刻も早く証明書を入手することです。

 月曜日の早朝、上京の準備をしている私のもとに、法務局から電話がありました。証明書が渡せるようになったと。
 そして、あろうことか、1通でいいですね、という言葉が耳に届きました。何を寝ぼけたことを。

 先般、私は証明書を3通請求しました。そのための料金である、1通700円かける3部の料金を払っています。それなのに、あの時に受け取った3通すべてが何の効力のないものであり、新たにもらえる本物が1通では、これは割に合いません。とにかく先週は、その偽物とも言うべき、市役所が正規の書類ではないと判断して受け取ってもらえなかった証明書の3通分の料金を支払っているのです。そのことを言うと、渋々3通用意します、とのことでした。
 どこまで逃げようとするのか、と言いたい気持ちを、グッと抑えました。

 法務局へ大急ぎで行き、今度はとにかく正式な証明書を3通受け取り、また大急ぎで市役所へ向かいました。
 今度は、しっかりと読点がはいっています。
 
 
 
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 法務局の担当者は、私の目の前で見苦しい弁解をしておられました。しかし、それは時間もないことなので無視しました。聞いても詮ないことなのですから。今後は、もっと真面目に仕事をしてほしいものです。

 2月18日午前、無事に市役所で「設立登記完了届出書」を受理していただけました。
 京都市役所の東垣さん、懇切丁寧なご教示に感謝します。

 その時、まだすることがあるとのアドバイスをいただきました。
 それは、烏丸御池の交差点角にある、京都市行財政局税務部法人税務課法人市民税担当に、「法人等設立届出書」を提出することと、京都府の法人税、さらには税務署へも行く必要があるそうです。これは今すぐではないものの、後で脱税にならないように対処すべきことだ、とのことでした。

 出来るときに出来ることを、との方針でいるので、すぐに烏丸御池の法人市民税担当の方の処へ行き、書類をその場で書き、無事に受理されました。

 いろいろなことがあるものです。

 その後、京都法務局が手入力で書類を作成したとのことだったので、自分でOCRを使うとどうなるのかを実験しました。

 iPhone で、メディアドライブの 「e.Typist Mobile」(v1.0.3、¥900)を使って文字認識(OCR)をしてみました。

 私が法務局に提出した書類の元の文章は、以下の通りです。


目的及び事業
 『源氏物語』の本文に関するデータベース化は、『源氏物語別本集成』と『源氏物語別本集成 続』の刊行を通して、約22万レコードのデータベースとして構築が進行しています。今も更新の手が加えられ、日々成長しているデータベースです。
  本法人は、『源氏物語』の本文データベースに関連するあらゆる資料及び情報を、調査・収集・整理・修正・追補することを活動の原点とします。そして、その知的資産としての情報の維持管理を次世代に継承する中で、さらなるデータベースの発展に資することを目的とする法人です。
  併せて、『源氏物語』が海外でも幅広く理解されることを願い、『源氏物語』のダイジェスト版の多言語翻訳や海外の研究者との懇談会も実施します。このような、国際的な日本文化の理解を深める活動にも取り組みます。
この法人は、その目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。
 (1) 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
 (2) 国際協力の活動
 (3) 前各号に掲げる活動を行う団体の運営、又は活動に関する連絡、助言
  又は援助の活動
この法人は、その目的を達成するため、次の事業を行う。
 (1) 特定非営利活動に係る事業
    ①『源氏物語別本集成 続』等の学術出版の支援
    ②『源氏物語』に関する諸情報の整備と公開
    ③『源氏物語』に関する国際文化交流
    ④『源氏物語』に関連する研究支援と資料の翻字・校正及びデータ
     入力の代行
    ⑤『源氏物語』の普及のための講演会や懇談会及び勉強会や物品販売

 これを、私が手元にある iPhone を使って、900円で購入した文字読み取りソフトで実験した結果は次の通りです。


目的及び事業『源氏物語』の本文に関するデータベース化は、『源氏物語別本集成』と『源氏物語別本集成続』の刊行を通して、約22万レコードのデータベースとして構築が進行しています。今も更新の手が加えられ、日々成長しているデータベースです。本法人は、『源氏物語』の本文データベースに関連するあらゆる資料及び情報を、調査・収集・整理・修正・追補することを活動の原点とします。そして、その知的資産としての情報の維持管理を次世代に継承する中で、さらなるデータベースの発展に資することを目的とする法人です、併せて、『源氏物語』が海外でも幅広く理解されることを願い、『源氏物語』のダイジェスト版の多言語翻訳や海外の研究者との懇談会も実施します。このような、国際的な日本文化の理解を深める活動にも取り組みます。この法人は、その目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。(1)学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動(2)国際協力の活動(3)前各号に掲げる活動を行う団体の運営、又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動この法人は、その目的を達成するため、次の事業を行う。
ω
特定非営利活動に係る事業①『源氏物語別本集成等の学術出版の支援②『源氏物語』に関する諸情報の整備と公開③『源氏物語』に関する国際文化交流④『源氏物語毒に関連する研究支援と資料の翻字・校正及びデータ入力の代行⑤『源氏物語』の普及のための講演会や懇談会及び勉強会や物品販売

 この読み取り後の変換結果を見ると、後半の「(1)」が「ω」となっていることと「続』」が「側」になっている2箇所だけが読み取りミスです。
 改行がなされていません。しかし、私はこのような設定で使っています。

 今の文字読み取りの技術は、こんなに精度の高いものなのです。

 私はこのメディアドライブのOCRソフトは古くから使っていました。いろいろなOCRにチャレンジしていた20数年前。パソコン初期のころなので記憶が曖昧です。確か、「MacReader」の流れをずっと使っていました。もっとも、価格は20万円前後だったと思います。読み取り結果の手直しが大変でした。しかし、漢字入力の手間は、大分省けて助かりました。
 「e.Typist」が出てからも、メデイアドライブに好印象を持っていたので、これを使っていました。そのうち、マッキントッシュ用のOCRは姿を消しました。マックユーザーからの需要がなかったからでしょうか。

 今は、iPhone で「e.Typist」を重宝して使っています。しかも、これが900円なのです。
 ただし、これは iPad mini では文字認識の段階になると画面が消えるので、使い物になりません。

 調査研究活動と業務の間の出来事とはいえ、なんとも慌ただしいことです。
 そろそろ、一息入れて、4月からの新年度に備えようと思っています。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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