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2013年3月の31件の記事

2013年3月31日 (日)

京洛逍遥(268)川端通りから冷泉通りの桜と十石舟

 春の年度末から年初にかけては、いろいろな事があり、さまざまな光景を目にする日々にあります。
 日々の日録を記している本ブログも、書くことが多くなりました。
 後日のために、切れ切れであっても1つずつ書き残しておきます。

 桜が咲き出したところが何カ所かあるので、そのことから。

 自宅の近くの賀茂川は、まだ桜は7分咲きです。しかし、東に移動して比叡山の麓に行くと、高野を出町柳に向かって流れる高野川沿いで、桜が大分花開いていました。この川が、出町で賀茂川と合流するのです。
 
 
 
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 高野から川端通りを下り、京大病院がある神宮丸太町あたりの桜並木は、これからがますます楽しみです。
 
 
 
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 さらに下って二条通との交差点では、新婦が賀茂川縁で記念写真を撮っておられるところでした。
 この時期には、こうした光景をよくみかけます。京の結婚式も、このお花見の頃はシーズンなのです。
 
 
 
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 三条通りの手前から東山に向かって冷泉通りに入っていくと、平安神宮に向かって疎水沿いの桜並木が出迎えてくれます。そして、冷泉通りに沿う疎水を行き交う、岡崎桜回廊十石舟めぐりの船と行き会いました。
 
 
 
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 のどかな春の到来を実感します。

 いつもよく行く京都市勧業館や府立図書館と国立近代美術館の南側から鳥居と京都市美術館を見やると、疎水に桜を映す鮮やかな色彩が目に飛び込んで来ます。
 
 
 
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 4月の桜の満開が、ますます楽しみになりました。
 
 
 

2013年3月30日 (土)

京洛逍遥(267)賀茂川の桜はまだ6分咲き

 少し日射しが強くなりました。しかし、まだ風が冷たいこともあり、桜はまだじっと花開く日を待っているようです。

 飛び石の向こうが植物園です。植物園の賀茂川沿いを南北に走る半木の道は、満開になるとみごとな桜並木となります。今はその盛りを狙っているかのような雰囲気があります。
 
 
 
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 飛び石を渡った所の桜は、まだまだ蕾です。
 
 
 
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 その半木の道の南端にあたる、京都府立大学グランドの近くの紅枝垂れだけは、平安神宮の花と同じで、早々と咲いています。
 
 
 
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 来週までのお楽しみ、というところです。

 北大路大橋を少し下って出雲路橋の近くで、護岸に上がって休んでいる鷺を見かけました。
 
 
 
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 近寄っても、ジッとしています。
 すぐ目の前でシャッターを切りました。
 何を考えているのか、鷺にまったく無視されました。
 
 
 

2013年3月29日 (金)

人に逢い語り会って慌ただしく帰洛

 中国・北京日本学研究センターのC君が一昨日来日しました。
 C君は北京外国語大学の博士後期課程の学生です。これから1年間、国文学研究資料館の外来研究員として、私と一緒に調査や研究をします。
 彼の研究テーマは、平安文学における孝子思想です。儒教の「孝」と仏教の「孝」など、平安文学への受容に関して問題意識をもっています。
 今日は初顔合わせでもあり、一緒に昼食を食べながら、いろいろと話をしました。

 食後は、今西館長の所へC君を紹介するために案内しました。
 館長は、江戸時代の仮名草子の1つである『三国物語』の珍しい版本2種類を見せてくださいました。その第1巻には、日本・中国・インドのさまざまな孝行や不孝行の話が載っています。C君はまだこの物語を読んでいない、とのことでした。
 館長からは、まず各話の出典調査をしては、とのアドバイスがありました。そこで、挨拶が終わるとすぐに閲覧室を案内し、活字本の当該部分をコピーし、早速ながら春の宿題として手渡しました。私も一緒に、これを読み始めました。

 来日早々、これは大変なことになった、とC君は思っていることでしょう。しかし、日本語が上手く、礼儀正しい好青年なので、きっと成果を上げて帰国し、立派な博士論文を仕上げることでしょう。私は、いわば彼の研究が順調に進捗するように、そっと背中を押す役というわけです。

 午後の会議でご一緒だった京都大学のH先生とは、立川駅で自然食の夕食をご一緒しました。
 H先生は医学博士であり情報学がご専門です。私が国文学研究資料館に着任して以来、いろいろと教えていただいて来ています。刺激的な話が多いので、時間を忘れることがしばしばでした。

 京都大学に移られてからは、会議でお目にかかるだけとなりました。しかし、一昨年に私が京大病院の癌病棟に入っていた時には、わざわざ楽しい話をしに来てくださいました。それ以来、久しぶりに長時間にわたって話に花が咲きました。

 H先生と話をしていると、とにかく脳が活性化するのです。いつも満ち足りた気持ちでお別れすることになります。
 今回も、『源氏物語』の本文のデータベースのことをはじめとして、たくさんの知的刺戟をいただきました。京都で開催される先生の研究会にも、今後は参加してもいいとのことなので、お言葉に甘えて出席するつもりです。

 なお、H先生は毎日90分はウオーキングをなさっているそうです。
 私は20分くらいなので、これは大いに見習わなくてはいけません。四条への買い物にも、歩いていくとのこと。歩くことが健康の秘訣のようです。

 その後は、出版社おうふうのSさんと待ち合わせをしていたので、これまた立川駅近くの居酒屋で飲みながら語りあいました。NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のことや、出版していただいている『源氏物語別本集成』の今後のことについて、相談やらアドバイスをいただいたりしました。
 Sさんとは、私が最初に書いた本である『新・文学資料整理術 パソコン奮戦記』(1986年)のお世話になって以来のお付き合いなので、いつも貴重なアドバイスがいただけます。

 今回は、立川駅前から出る夜行バスで京都へと移動することになっていたので、少しほろ酔い気分でバスに乗り込みました。南海バスでした。22時15分の発車です。カーテン付きの3列シートで、背中がゆったりと後に倒れます。非常に快適なシートです。
 
 
 

2013年3月28日 (木)

読書雑記(62)瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』

 先日紹介した「ご近所小説 in 京都」に選定されていた15作品の内の、瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』(新潮文庫、平成18年11月、5刷)を早速読みました。
 残りの本については、本ブログの「京洛逍遥(265)本屋さんで多彩な京都と遭遇」(2013年3月17日)をご参照ください。

 初めて読む作者の小説です。歯切れのいい、私好みの短いフレーズが畳み掛けるように続く、軽快な書き出しです。
 女主人公が民宿でしだいに自分のことを語りだし、等身大の物語になります。奇をてらわない、明るさと軽さが同居した、自然な雰囲気が醸し出されて行きます。

 気になったことは、物語の設定が浅薄すぎることでしょうか。軽薄さが話の背景の至る所に感じられます。これが、今風と言うものでしょうか。読み慣れていないタイプの小説なので、読み進めるペースがなかなか掴めません。

 死に損なった主人公は、携帯電話の充電器がないことで、現実に引き戻されます。上手い切り返しです。
 人との別れが、さりげなくきれいに書かれています。深刻な問題なので、こうした軽めの文体がいいのでしょう。

 魚釣りや鶏小屋の掃除などなど、自然の中での体験談が綴られます。ただし、多分にミーハー気味です。自然の中に抱かれる小さな人間の存在を浮き彫りにしようと、盛んに話題を提供しようとしています。

 やがて、女主人公は自然の恵みを礼讚する日々に対する疑問が湧いて来ます。
 もっとも惜しいことに、そのことが深く掘り下げられることはありません。

 否定的な物言いが多く、人間が描かれないままに、背景だけが絵として見えた作品でした。地に足がつかないままの、自分が知らなかった世界を、傍観者として見るしかない精神的に未熟な女性は、それなりに描かれています。ただし、それだけの戯言に付き合わされたことへの読者としての物足りなさは、強く読後感として残りました。

 結局は、能天気になりきれなかった一人の若い女性の話という駄作に、数時間おつきあいさせられた、ということに留まるものでした。

 私は、「ご近所小説 in 京都」の中に選ばれている一冊として手にし、読み始めたはずでした。しかし、この作品と京都ということとのキーワードが、どうしても結び付きません。【1】
 
 
 

2013年3月27日 (水)

国文研の送別会で鈴木先生に花束を渡す

 今朝は雨でした。
 黒船橋から中央大橋を見やると、その川縁の桜はもう水面に花弁を散らしています。
 
 
 
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 私は、桜の散り敷く芝生や砂場などは好きです。しかし、川面にたゆたい、散り散りになって揺れ動いている桜の花ビラは、どうもいただけません。どう見ても、ゴミ以外の何ものでもないと思われるからです。
 東京は、もうそんな状態になっています。今週末までで咲き揃う花見はおしまいとなるようです。次は散りゆく桜を惜しみ、葉桜を楽しむことになります。

 立川の職場へ向かう脇道では、桜が今を盛りと咲き誇っていました。しかし、これももう週末には葉桜に変わりそうです。
 
 
 
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 今日は、今年度で国文学研究資料館を退職なさる方々の送別会がありました。
 勤務時間後の5時45分からの開始です。合同庁舎に一緒に入っている、国立極地研究所の施設の1つであるサザンクロスという、なかなか粋な名前の建物で行われました。私がこのサザンクロスに入るのは、今日が初めてです。

 今年で退職なさる方は、私が着任する前からいらっしゃった方々や、最近お出でになった方が15人ほどだったでしょうか。折々に助けてくださった方などには、いつも送別会では感謝の念を新たにします。

 専任教員としては、鈴木淳先生お一人でした。
 鈴木先生には、お世話になったどころではない、私が大学に入った時からお世話になっている先輩です。

 鈴木先生に花束を渡す役を引き受けてもらえないか、と幹事役の方が来られました。大学の後輩として喜んでお引き受けしました。
 
 
 
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 現在、ハーバード大学が所蔵する『源氏物語』の古写本の写真版を編集中です。その撮影にあたっては、鈴木先生が配慮をしてくださったお陰で実現した企画です。ありがたいことです。

 私が渡した花束は、こんな感じの花でした。
 
 
 
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 鈴木先生を始めとして、今月で退職なさるみなさま、いつまでもお元気で。
 そして、機会がありましたら、また手助けをお願いいたします。
 
 
 

2013年3月26日 (火)

井上靖卒読(162)「司戸若雄年譜」「ある関係」「ある旅行」

■「司戸若雄年譜」
 1人の人間の生きざまに思いを馳せるうちに、人が身内に持つ何ものかに気づかされます。しかし、それが一体何であるのか、そこにまでは至りません。生きていく意味について、考えるきっかけも投げかけてきます。短編ながらも、完成度は高いと思います。
 この元同僚の生きざまを振り返って語る作品は、他にもよく似たものがあったような気がします。それが何だったのか、今は思いつきませんが。【4】
 
 
初出誌:群像
初出号数:1957年1月号
 
集英社文庫:楼門
潮文庫:桜門
井上靖小説全集19:ある落日
井上靖全集5:短篇5
 
 
 
■「ある関係」
 脳溢血で倒れた急患は、小学校の時に1年間だけ教えてもらった先生でした。そのことを知り、主人公は往診に行くのを躊躇い、少しでも時間を先延ばしにする気持ちが、丁寧に描かれています。巡り合わせの悪さや、不親切だった自分のこれまでの対応に、思い出すたびに心が痛む存在だったのです。その心の微妙なすれ違いが、巧みに語られます。
 私にも、こうした体験をいくつも持っています。思い返しては、申し訳ないとの思いを抱くことがあるものです。
 自分を蔑む眼に苦しい思いをする気持ちは、読者の共感を得るところです。誰にでもある、そしてあまり思い出したくない不快な感情を伴う気持ちなのです。それを、ここではみごとに描き出しています。
 なお、教員が生徒を殴ることや、酒を飲んでオートバイに乗ることなどは、今ではマスコミなどがこぞって大騒ぎをすることです。時代の違いということでしょうか。【5】
 
 
初出誌:文学界
初出号数:1957年1月号
 
文春文庫:断崖
井上靖全集5:短篇5
 
 
 
■「ある旅行」
 結婚15年記念に、妻は何とか工面して関西旅行へ行くことにします。しかし、井上の作品に出て来る夫婦の旅には、いつも何かハプニングが起こり、順調な旅にはなりません。まずは、往きの飛行機のこと、大阪に着くと妻が旧友に引き留められて朝帰りになること、さらには夫が勤める会社の社長の家に不幸があり急遽東京に帰ること、などなど。
 往きも帰りも、夫婦はバラバラの旅なのです。一緒にしたことといえば、帰る直前にホテルの食堂で食事をしたことだけです。そんな夫婦でも、それなりに楽しい旅になったのです。
 時間潰しに、お互いがもてあました時間に映画を観に行く設定が、何度も出てきます。そんな時代の、当人は別にして読者から見れば微笑ましい夫婦の話です。【3】
 
 
初出誌:小説新潮
初出号数:1957年1月号
 
集英社文庫:火の燃える海
井上靖小説全集19:ある落日
井上靖全集5:短篇5
 
時代:昭和、戦後?
舞台:東京都(銀座、西銀座)、大阪府(心斎橋)
 
 
 
〔参照書誌データ〕
 井上靖作品館
 http://www2.plala.or.jp/baribarikaniza/inoue/
 
 
 

2013年3月25日 (月)

第2回池田亀鑑賞の募集は今月末が〆切りです

 昨年3月に、第1回池田亀鑑賞受賞作品として杉田昌彦氏の『宣長の源氏学』(新典社)が選ばれてから、早いもので1年が経ちます。

 第2回目となる今年は、今月末(3月31日(日))が応募の〆切りとなっています。
 昨年よりも募集も選定も遅くなり、授賞式は平成25年6月22日(土)です。

 詳細は、「池田亀鑑賞のホームページ」をごらんください。

 募集期間があと1週間となりましたので、あらためてお知らせいたします。
 昨年平成24年1月から今月までの1年3ヶ月の間に、刊行および発表された作品が対象となります。

 この「池田亀鑑賞」の趣旨は、ホームページに以下のように明記されています。


文学の研究基盤を形成する上で、顕著な功績のあった研究に対して贈るものです。
その地道な努力を顕彰し、さらなる成果の進展を期待する意味を込めています。
「池田亀鑑賞」は、伝統ある日本文学の継承・発展と文化の向上に資することを目的として、池田亀鑑生誕の地である
日南町と池田亀鑑文学碑を守る会が創設しました。

 この賞の募集内容と応募方法および応募先については、次のとおりとなっています。


募集
一般公募。あるいは、全国の作家、評論家、出版社、新聞社など推薦人から推薦を受けたもの(平成24年1月1日〜平成25年3月末日刊行奥付および発表分)の中から、同賞選考委員会により選ばれます。
 
応募
刊行物および掲載誌を1部送付してください。
また、タイトル・氏名・住所・電話番号・メールアドレス・所属を明記の上、要旨(800字〜2000字程度)も添えてください。
 
応募先
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-44-11
新典社内 池田亀鑑賞事務局
TEL:03-3233-8051  FAX:03-3233-8053

 応募書類等は、平成25年3月末日必着となっていますので、ちょうどあと1週間です。

 選定にあたっては、次の目安がホームページ上にも示されています。


前年に発表された『源氏物語』を中心とする平安文学に関する研究論文や資料整理及び資料紹介に対し、学界に寄与したと評価されるもの1作品を選定します。

 なお、受賞作には、賞金(20万円)と朝日新聞鳥取総局より副賞が贈呈されます。
 そして、平成25年6月に日南町で行われる「もっと知りたい 池田亀鑑と『源氏物語』」の講演会において、授賞式および講演を行なう予定です。

 選考は、以下の6人の委員があたります。


伊井春樹
伊藤鉄也
池田研二
妹尾好信
小川陽子
原 豊二

 原豊二氏は、今回の第2回からの委員です。
 それぞれのコメントは、池田亀鑑賞のホームページ内「選考委員紹介」をご覧ください。

 昨年は10点以上の応募がありました。
 今年もすばらしい作品の応募があることでしょう。
 コツコツと歩んで来られた成果が応募作として並ぶことを、大いに期待し、楽しみにしています。
 
 
 

2013年3月24日 (日)

井上靖卒読(161)白神喜美子『花過ぎ—井上靖覚え書』

 白神喜美子著『花過ぎ—井上靖覚え書』(紅書房、平成5年5月)は、井上靖の作品を読み続ける私にとって、大変参考になる内容が語られていました。
 
 
 
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 本の帯には、次のように書いてあります。


三十余年の沈黙を破り、いましずかに語る。(背文字部分)
 
文豪のめざましい活躍の陰に、その人のため身を捨てて尽した愛の女性があった。が、ついに別れの日が来て彼女は静かに去る。思い出にひとり涙しつつ彼女は云う。
「私の願う人は無冠の人でした。」可憐な一言を文学そのものに投げて花の向うに彼女は去って行ったのだ。(永瀬清子・詩人)(表紙部分)
 
病床にある身で、
これを書き終え、
このつぎ生まれ変るとしたら
野の花として生きたい。〈著者〉
 
   内容【目次】
第一章 茨木の記
第二章 島津山の記
第三章 洗足の記 (裏表紙部分)

 本書のことは、杉山健二郎氏から本ブログ「井上靖卒読(62)「氷の下」「滝へ降りる道」「伊那の白梅」」(2009年2月10日)に寄せられたコメントで知りました。すぐに入手して、興味深く読みました。

 本書に関しては、杉山氏が「分け入つても分け入つても本の山」で詳しくお書きになっています。

 ここでは、本書を井上靖とその作品を知るための資料の一つとして、後日の参考になると思われる情報を摘記しておきます。

 ただし、本書は井上靖の年譜などを参考にして、事実を確認しながら書かれているようです。思い出の辻褄が合わされているように読めました。
 回想記なので、確かにそうすべきなのでしょう。しかし、私には、筆者の無意識に起因するかと思われる作為という美化を、その裏に感じました。そのことは、今後少しずつ解明していきたいと思っています。

 愛する人のことを語る上では、ありまのの、というよりも多分に美化された所が露出しています。今、どこが、というのではなく、これは私が井上靖を読み進む中で、その作品が生まれた背景に思いを致すときに、フッと立ち現れてくることでしょう。特に、ふみ夫人のことに関してそう思います。
 そんな想いを抱いて、本書を読み終えました。

 本書で取り上げている井上靖の作品は、以下のものです。


明治の月/流転/猟銃/石庭(詩)/高原(詩)/流星(詩)/踊る葬列/ある偽作家の生涯/夜霧(戯曲)/早春の墓参/碧落/闘牛/通夜の客/春の嵐/その人の名は言えない/三ノ宮炎上/星の屑たち/落葉松/比良のシャクナゲ/漆胡樽/七人の紳士/澄賢房覚え書/黒い潮/玉碗記/戦国無頼/北の駅路/薄氷/楼門/青衣の人/貧血と花と爆弾(ただ一回の放送)/白い牙/水溜りの中の瞳/瀧へ降りる道/高原/死と恋と波と/従兄妹/胡桃林/合流点/姨捨/二つの秘密/風のある午後/あした来る人/失われた時間/湖の中の川/美也と六人の恋人/湖岸/俘囚/川の話/淀殿日記/オリーブ地帯/真田軍記/黒い蝶/夏の雲/騎手/初代権兵衛/風林火山/夢見る沼/湖上の兎/射程/霧/氷壁/天平の甍/異域の人/楼蘭/満月/敦煌/兵鼓/蒼き狼

 私が気になった箇所を、メモとして書きとどめておきます。


・昭和21年2月頃、井上は千利休のことを書くため、大阪・茨木の自宅に茶道全集を揃えていました。(10頁)
・昭和21年3月 井上靖はキセルを手にして白神と対応しています。井上の作品にタバコはよくでてきます。しかし、キセルについては注意が向いていませんでした。今後は気をつけてみたいと思います。(7頁)
・昭和21年4月、山崎にある利休ゆかりの妙喜庵へ白神を連れて行きます。しかし、庵には行かずに畑で話します。谷崎潤一郎の『蘆刈』の舞台を指し示しながら。
・以降、井上は自作の詩を読み聞かせます。しだいに小説のことを語り聞かせるようになります。
・二人は愛に包まれた生活の中で、「踊る葬列」の構想を語り聞かせます。井上は、語りながら筋を構成するタイプの作家だったのです。(19頁)
・しだいに白神は、井上に作品を書かせるための後方支援役を受け持つようになります。
・「(井上は)筋を語りながら思考する人で、そういう折には、よい聞き手になるように務めた。」(25頁)
・白神は井上に仕事をさせる存在だったのです。
・「僕は文学に命をかけている。それを君にやる。僕の書く小説が君の子供なのだ。」(41頁)
・白神は童話を書いていました。そのことが井上が童話を書いたことにも影響しているのでしょう。(52頁)
・井上が芥川賞を受賞した後、作家として多忙な日々の中にありました。そんな時、井上が小説の腹案を語るとき、とんちんかんな返事をすると、「怒声と共に、湯呑みが飛ぶこともあった。」のだそうです。(87頁)
・多作の中、「その人の名は言えない」と「黒い潮」の主人公の名前が入れ替わっているのを直すのを、白神は手伝っています。(92頁)
・井上は白神を「仕事の妻」と言ったそうです。(113頁)

 
 
 

2013年3月23日 (土)

江戸漫歩(62)越中島の桜も満開です

 宿舎のすぐ傍を流れる隅田川沿いに、越中島公園があります。
 そこの桜もみごとです。
 
 
 
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 特に、大島桜は緑の葉が桃色に映えて、柔らかな色を見せてくれます。
 この桜は伊豆大島に由来するものなのでしょうか。賀茂川ではあまり見かけません。
 川向こうに、中央大橋が見えています。
 
 
 
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 紅枝垂れ桜は、まだ蕾です。これから開花するのが楽しみです。
 
 
 
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 黒船橋を流れる大横川の川面に、低くもたれかかるように枝を広げる桜も、いい雰囲気です。
 
 
 
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 東京の桜は、今週末が見ごろとなります。
 そして、今度京都に帰ると、引き続き京の桜を楽しめます。
 今年は例年よりも開花が早いこともあり、4月までに見納めとなりそうです。

 入学式の頃には桜が満開、という日本の風物詩も、今年は変則的な花見となることでしょう。
 
 
 

2013年3月22日 (金)

江戸漫歩(61)江戸川船堀の桜並木と銭湯

 地下鉄都営新宿線の船堀駅を降りてすぐの団地の中に、みごとな桜並木がありました。
 横のマンションの陰になっていて、通りかかっても気づきにくいところです。
 団地とマンションに挟まれた所で、風情はまったくありません。しかし、きれいな桜通りとなっています。
 東京の街中には、こうした無造作な形で桜が咲いているところが多いようです。まわりの景色とは無関係に、とにかく桜が咲いているのです。
 京都のように、風情とか景観などとは関係なく、とにかく桜がきれいに咲いている所、というありようです。
 
 
 
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 そこから少し南に下ると、「鶴の湯」という銭湯があります。
 荒川の傍の住宅街の中です。唐破風の屋根が目印です。
 
 
 
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 露天風呂の黒いお湯が印象的です。敷地内の地下152メートルから湧出する、源泉(18.5度)の薄い茶褐色の鉱泉を加熱しています。それを100%掛け流しにした露天風呂が、特に気に入りました。空が見えてのんびりします。
 中には、黒湯を加熱した浴槽があります。これは、私には少し熱すぎました。

 その奥にあった電気風呂に、少し身体を沈めました。これは、あまり痺れ感が強くなかったのです。

 小さい頃、私が小学6年生の時のことです。大阪八尾の高安にいた頃、よく父に連れられて行ったお風呂屋さんには、電気風呂がありました。ビリビリ感が心地よく、行くのが楽しみでした。
 しかし、18歳の時に胃を3分の2切除した際、体内に金属のホッチキスを数十個埋め込まれてからというもの、身体がこの電気風呂を受け付けなくなりました。

 それ以来のチャレンジだったので、43年振りの電気風呂体験です。微弱な電流だったので、ほとんどビリビリ感はありません。少し手を広げて電極に近づけると、ビリッと来る程度でした。これなら、私のように体内に金属が入っている身体でも大丈夫です。

 この銭湯は江戸時代の創業で、現在のご主人は10代目だそうです。
 来ている方も、地元のおじさんたちばかりで、いかにも江戸のお風呂屋さんという感じがしました。

 帰りには身体が火照ってきて、しだいに怠くなりました。黒湯が効いてきたようです。
 450円で、こんなにホカホカ気分が味わえるのです。

 
 
 

2013年3月21日 (木)

江戸漫歩(60)隅田川や立川の桜はもう八分咲き

 昨夜のバスで京都を発ち、今朝は隅田川をそぞろに歩きながら、その光景の違いに驚きました。
 昨日のブログでは、賀茂川の桜は開花までにはまだ刻が必要だ、と書きました。ところが、一夜明けて東京に来てみると、なんと八分咲きなのです。明日にでも満開となり、来週は散るのでは、という勢いです。そんなに急がなくても、とハラハラします。

 まずは、隅田川から東京スカイツリーを望んだ様子です。
 
 
 
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 右手にヒョッコリと突き出ているのが東京スカイツリーで、その左側の隅田川に永代橋が架かってます。
 前景の佃島に近い石川島のプロムナードでは、桜が咲き誇っているのです。

 次の写真の右手に、隅田川に架かる相生橋の川向こう左に、少し低い5階建ての集合住宅が見えます。これが、私が入っている宿舎です。10階建てのマンション群に挟まれて、申し訳なさそうに建っています。
 私が入っている部屋の隣の階段の同じ階には、恩師である伊井春樹先生がかつて入っておられました。40年近くも前のことですが。
 先生も、このあたりの桜をご覧になっていたそうです。
 
 
 
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 この川向こうの川沿いも、桜がみごとな公園となっています。
 この場所を確認するために、川縁にあった地図を添えておきます。
 
 
 
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 さらに北東に足を伸ばし、門前仲町駅の手前の黒船橋のたもとの桜も、みごとな姿を見せてくれていました。
 左奥に飛び出しているのが、中央大橋のワイヤーを支えるモダンなポストです。
 
 
 
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 都心から1時間半の所にある、立川の国営昭和記念公園の北側でも、通りに覆い被さるように桜が咲いていました。
 
 
 
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 職場の横の通りにも、桜が元気よく咲いていました。
 
 
 
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 写真右側の白い建物2棟に、国立極地研究所と統計数理研究所、そして国文学研究資料館の3つの機関が入っています。まったく異質な組織が一緒の庁舎に入っているので、足を運んで来られる利用者の方々の興味と関心はさまざまです。ついでに隣の機関をのぞいて、というわけには行かないのが難点でしょうか。

 極地研のペンギンさんを見に来た子どもたちに、ぜひ日本の古典籍にも接してもらおうと、エントランスホールには江戸時代の版本を直接触ってもらえるように何冊も無造作を装って置いてあります。一人でも多くの方が、和本を自分の手で触り、ページを繰ることで、和古書への興味につながっていけばいいと思っての仕掛けです。

 今朝、東京に来て、まず最初に涙が止まらなくなりました。私は軽い花粉症になることがあります。今年は何ともなく過ごせると安心していたら、突然目を襲われました。黄砂やPM2.5も、気流の関係で、関西よりも関東の方に先にくるそうです。この涙は、それなのでしょう。
 明日からは、桜見物を楽しむためにも、しっかりと対策をして出かけることにします。
 
 
 

2013年3月20日 (水)

京洛逍遥(266)賀茂大橋の桜はフライング

 散策の途次、河原町今出川の交差点に近い賀茂大橋のすぐ南で、満開の桜を見かけました。
 まわりはまだ芽吹いたばかりなのに、この2本だけはフライングのようなスタートダッシュをかけて咲き誇っています。
 
 
 
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 やはり、桜はまわりと歩調を合わせるように、一斉に咲き揃ったさまがみごとだと思います。
 このスタンドプレーには、おいおい周りに合わせろよ、と言いたくなりました。
 向こう正面には、比叡山が霞んで望めます。

 メジロがたくさん集まり、花をつついていました。

 
 
 
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 自宅近くの半木の道では、蕾がぱんぱんに膨らんで来ました。
 開花までには、もう少し時が必要です。
 
 
 
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 ここの桜のトンネルは、圧倒されるほどの迫力があります。これまでにも何度か紹介した通りです。
 今年も楽しみです。特に、紅しだれ桜が見ものです。

 いつもの散策で渡る飛び石のそばで、鷺と鴨がお食事中でした。
 
 
 
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 南向こうに見えるのは、北大路大橋です。
 
 
 
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 一輪でも咲いていないかと思い、夕方も散歩に出かけました。
 夕陽を浴びながら、今か今かと花開くタイミングを謀っているかのような蕾は、まだしっかりと枝にしがみついています。
 
 
 
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2013年3月19日 (火)

NPO〈GEM〉に『十帖源氏』の資料を公開

 この記事のタイトルにある「NPO〈GEM〉」とは、「特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉」の略称です。
 法人名が長いので、今後は字数が限られているところでは、この略称で表記することがありますので、あらかじめお断りしておきます。

 さて、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページでは、「活動報告」のコーナーに、昨日の【服飾関係分類索引(畠山版)】に続いて、本日は「『十帖源氏』の翻字と海外向け現代語訳」を公開しました。

 これは、本ブログでこれまでに公開してきた情報を整理し、常に最新のファイルを利用していただくようにしたものです。
 これによって、今後は本ブログからファイルをダウンロードしていただくことはなくなります。

 上記の新しい『十帖源氏』の活動報告で、その冒頭に記したように、『十帖源氏』を読む勉強会の活動範囲が拡がりました。
 これまでは、東京だけで実施していました。それが、今春4月からは京都で、そして大阪でも開催され予定です。
 幅広い地域で『十帖源氏』を読む会が展開し、翻字と外国語に訳しやすい現代語訳ができることは楽しいことです。
 こつこと回数を重ね、いつかは全巻を訳し終えたいものです。そして、その現代語訳をもとにして、多くの言語に翻訳される日が、今から待ち遠しく思われます。


■東京会場
 毎月1回、新宿アルタ横のレンタルスペース「ボア」で、「桐壺」から「葵」までの確認を行っています。
 現在は「紅葉賀」の点検中です。「葵」が終わると、第10巻「賢木」に移ります。
 次回は、4月23日(火)18時半からです。

■京都会場
 第12巻「須磨」と第13巻「明石」を、平成23年4月よりスタートします。
 会場は、御所の南に下ったところにある「ワックジャパン」(http://wakjapan.com/ja/)を予定しています。
 詳細が決まり次第、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページとここに掲載することになります。

■大阪会場
 まだ準備中です。
 対象とする巻は〈宇治十帖〉です。
 これも、スタートする時に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページとここに報告いたします。


 『十帖源氏』を読む会では、提案された現代語訳に対して、いろいろな立場の方や、いろいろな視点でのコメントを大切にしています。海外の31種類の言語に翻訳するにあたり、少しでも訳しやすい現代日本語の訳文を模索する集まりです。

 興味をお持ちの方には、いつでも連絡をいただければ、ご案内をさしあげています。
 知識よりも興味を大事にして、素人なりの訳文に取り組んでいるところです。
 
 
 

2013年3月18日 (月)

NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページ更新

 「NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページ」を今月8日に公開して以来、いろいろなご意見をいただきました。ありがとうございます。

 昨日と本日の2日間で、担当者の中村さんと連係プレーをはかり、よりよいものに作り直してみました。
 「どれどれ」というお気持ちでご確認いただければ幸いです。

 今回手を入れたのは、以下の箇所です。


(0)バナーの写真を桜に
(1)タブバーの表示を直す
(2)「新着のお知らせ」を左側(サイドメニュー上部)へ移動
(3)サブメニューの「口座案内」を「支援者募集」に移動
(4)サブメニューに「申請までの経過」を「挨拶」から移動
(5)各ページ下段に、広報担当者の名前を追記
(6)「代表者挨拶」を短くまとめ直す
(7)「活動報告」に「国文研蔵『源氏物語団扇画帖』服飾関係分類索引」を公開
(8)「会員HP」を修正・追加
(9)その他、こまごまと調整や補訂の手を入れる

 上記(7)の「国文研蔵『源氏物語団扇画帖』服飾関係分類索引」は、源氏絵に描かれている服飾を分類し、検索できるようにしたものです。副代表理事である畠山大二郎君の労作です。
 単なるテキストデータの流し込みです。
 用語の検索などは、お使いのブラウザの検索機能をご利用ください。
 この程度の用語集では、凝った検索は不要との判断からです。
 なお、このデータベースは、すでに本ブログで公開してきたものを再構成したものです。

 次は、『十帖源氏』の現代語訳のファイルを整理して、気軽に利用していただけるようにする予定です。
 しばらくは、こうした補訂やデータの追加を繰り返します。

 いろいろと、ご意見をいただけると助かります。
 また、お持ちのデータで、公開に適していると思われるものがございましたら、提供していただけるとありがたく思います。
 ただし、『源氏物語』の本文に関係するもので、かつ公開に問題のないものを、どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 

2013年3月17日 (日)

京洛逍遥(265)本屋さんで多彩な京都と遭遇

 近所に、大垣書店という、京都では幅広く展開している書店があります。
 地下鉄北大路駅ビブレの中にある店舗に入ってすぐの一角に、「文庫で読める ご近所小説」というコーナーがありました。

 たまたまいらっしゃった店長さんに伺ったところ、京都府書店商業組合からアイデアをいただいたので企画した、とのことでした。お客さんが写らないようにしてもらえれば自由に撮影していいですよ、とのことだったのでここに紹介します。
 
 
 
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 左上から列記します。


上段
・森鴎外『山椒大夫・高瀬舟』
・三島由紀夫『金閣寺』
・芥川龍之介『羅生門・鼻』
・川端康成『古都』
・夢枕獏『陰陽師』
・浅田次郎『活動寫眞の女 』

中段
・水上勉『故郷』
・柴田よしき『桜さがし』
・森見登美彦『太陽の塔』
・森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』
・巌本野ばら『鱗姫』
・森見登美彦『宵山万華鏡』

下段
・瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』
・瀧羽麻子『左京区七夕通東入ル』
・万城目学『鴨川ホルモー』
・万城目学『ホルモー六景』
・円居挽『丸太町ルヴォワール』
・岡崎琢磨『喫茶店タレーランの事件簿〈また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を〉』
・範乃秋晴『鴨川貴族邸宅の茶飯事〈恋する乙女、先斗町通二条上ル〉』
・範乃秋晴『鴨川貴族邸宅の茶飯事2〈恋の花文、先斗町通二条送ル〉」』

 ここに並べられた本の選定基準に思いを巡らすと、いろいろと楽しめます。

 上段には、梶井基次郎の『檸檬』があってもいいですね。
 水上勉の『故郷』が2列になっているのは、若狭の原発問題を意識してのものでしょう。
 森見登美彦が3冊もあるのは、どうしてでしょうか。
 時代物や山村美紗や柏木圭一郎のミステリー物がないのは、今回は外した、ということなのでしょう。
 アーサー・ゴールデンの『さゆり』などの異色作も並んでいたらおもしろいですね。

 この企画は、今後とも末永く続けてもらえたら楽しめます。
 京都はいろいろな分野でブランド力があるので、書籍でもこうしたネタには困らないはずです。

 本が売れないご時勢だと言われます。しかし、いやいやどうして、おもしろい本を提供する役割は、まだ書店にはあります。ネットの書店とは違い、手に取って装幀を確かめ、ページをめくり、中を見て内容を覗き見する、という出会いの場になるのですから。

 本屋さんというスペースは、人と本とが遭遇する、確かな空間なのです。
 書店のみなさんも、楽しくておもしろい選書によって、幅広い人たちに知的刺激を与えてほしいものです。
 
 
 

2013年3月16日 (土)

京洛逍遥(264)下鴨神社の光琳の梅が満開

 待ち望んでいた下鴨神社の光琳の梅が満開となりました。
 
 
 
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 ちょうど1年前、娘たちの結婚式の日が満開だったので、今年は少し早いようです。

「楽しくて美味しかった娘たちの結婚式」(2012年3月24日)

 折しも、結婚式を終えて記念撮影をしておられる所へ、これから挙式のために楼門を入ってこられる一組がありました。
 
 
 
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 ここ下鴨神社で結婚式を挙げるのは、みなさんの憧れなのです。娘たちがそうだったように、みなさんこの佳き日の予約を取るのが大変だったことでしょう。
 春の訪れを感じさせる一時を追体験させていただきました。

 賀茂川では、「ゆっくり走ろう 府庁駅伝大会」が行われていました。
 
 
 
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 この川原では、さまざまなイベントが開催されます。マラソン大会は、寒中でもあります。
 今日は水温む暖かさがが戻ったこともあり、たいへん盛り上がっていました。
 
 
 

2013年3月15日 (金)

『十帖源氏』を読む会で保留したこと

 昨日から、『十帖源氏』を読む会では、第7巻「紅葉賀」の現代語訳を確認することを始めました。
 いつものように、新宿のアルタの横にあるレンタルスペース「ボア」に集まりました。

 新しい巻の点検を始めて早々に、おもしろい問題に直面したので報告します。

 ダイジェスト化された『十帖源氏』に、


がくの舟、こまもろこしとかざりて」(60丁表2行目)

とある部分で、昨日のほとんどの時間を費やしました。
 本来の『源氏物語』の本文では次のように語られるところです。

例の楽の船ども漕ぎめぐりて、唐土、高麗と尽くしたる舞ども、くさ多かり。(『新編日本古典文学全集』314頁)

 この後は、ダイジェスト化にともなって長文が切り捨てられています。

 この場面の『十帖源氏』の文章を、担当者は「音楽家たちが乗った舟が漕ぎ出し、舞人たちは高麗や唐の舞を美しく舞ってみせ、」と訳しました。しかし、「かざりて」という言葉がうまく訳されていないので、どうもこれではしっくりきません。

 まず、『十帖源氏』の前半を「楽団の舟を浮かべ、」としました。そして、問題は後半です。
 これは「かざりて」をどう理解するかということになります。『十帖源氏』の著者は、『源氏物語』の原文にはない、オリジナルなことばである「かざりて」を用いて、内容を簡単にしようとしているのです。

 担当者は『源氏物語』の元々の本文の内容から、「美しく舞う」という意味にとりました。しかし、それでは「かざりて」という言葉から離れすぎています。

 船を「かざりて」という理解をしたものではないか、という読み方も可能です。「楽の船」が「かざりて」というつながりです。
 もっとも、それでは『源氏物語』の原文から離れ、ダイジェスト化における無理な手法が表面にでてきます。それはそれでおもしろいとしても、今はどうするか、ということです。

 『湖月抄』に、注としての「かざり」の記述があるようだ、とネットで調べながらの意見もありました。どうやら、この「かざりて」ということばは、一筋縄ではいかない問題を抱えているようです。ひいては、これはダイジェスト化する、という行為に関わる問題へと発展していきかねません。

 また、雅楽での唐土と高麗のことを含めた話でも盛り上がりました。

 長い時間をかけて意見を出し合った末、結局は、今は無理に訳すのはやめて、書かれている通りの「高麗唐土とかざり」にしておこう、ということで落ち着きました。後日、調べた結果によって再検討することになったのです。ペンディングです。

 この箇所の現代語訳について、海外の方々へは、後日補足説明をすることにします。

 『十帖源氏』は江戸時代の入門用のダイジェスト版『源氏物語』です。短くわかりやすい文章に作り直す過程で、今では意味が通らない箇所が、こうして出て来たりするのです。
 特に、和歌は『源氏物語』に出て来るものはすべてを取り込んでいるので、分量的にも最初から無理があるのです。この和歌の前後は、そうした事情もあるので、無理やり話をつなげようとする傾向が顕著なように思われます。

 この『十帖源氏』を読む会は、仕事帰りの限られた時間の中で、海外の方々にそれぞれの国の言語で翻訳してもらうための現代日本語訳を作ることに取り組んでいます。そのため、学問的な姿勢は持ちながらも、無理に辻褄を合わせるだけでなく、わからない所は保留ちしながら進めているのです。
 この「紅葉賀」巻の「かざり」ということばは、その好例とでも言えるものです。

 次回は4月23日(火)午後6時半からです。
 こうした訳文作りに興味のある方は、どうぞこのブログのコメント欄等を使って連絡をください。集まって使っている資料は、すでに本ブログで公開しています。
【2-源氏物語】「多言語翻訳のための資料公開『十帖源氏 紅葉賀』」(2011/6/13)
 それを印刷した上で、お気軽にご参加ください。お待ちしています。

 この輪読会が終わってから、仲間とアルタの上で食事をした後、私は都庁前から夜行バスで京都へ向かいました。
 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のことで、京都の銀行へ行く用事があるためです。

 今、夜行バスは若者たちが占拠しています。座席の予約も大変です。ただし、女性が多いこともあるのでしょうか。羽目を外す若者が少ないのはいいことです。
 みんな楽しそうです。私も、彼等や彼女等の元気と明るさをもらって、快適に東西を移動する週末を続けています。
 
 
 
 

2013年3月14日 (木)

江戸漫歩(59)電車が止まる強風下の東京で

 どうなっているのか、とにかく最近の天候は極端です。
 先日来、寒暖の差の激しいことに戸惑っています。
 コートの要らない日だったかと思えば、翌日はしっかりと着込んで通勤電車に乗りました。

 花粉の飛散に加えて、黄砂やPM2.5に留まらず、北関東からは砂嵐まで襲ってきました。
 いつもは宿舎から外に出ると、隅田川の散策路から永代橋越しにスカイツリーが見えます。しかし、一昨日は突如発生した砂嵐のせいで、淀んだ空気の中でかすかな姿が認められる程度でした。

 今日は、折からの強風のために、出勤途中だった国立駅あたりで、中央線の電車が止まりました。今日の通勤は、2時間半もかかりました。いつもよりも30分以上余計にかかりました。東京から京都へ、新幹線で帰れる時間です。

 帰りは、会議が連続だったので疲れたこともあり、いつものように歩くのではなくてモノレールで立川駅に出るつもりでした。しかし、外に出てその風の強さが半端ではなかったので、モノレールに乗るのは避けました。一本の柱を跨ぐようにして走るモノレールが、この強風で無事に走れるとは思えなかったのです。

 身の安全を考えて、歩いて立川駅に向かいました。しかし、身体にまともにぶつかってくる風の強さに、恐怖心すら抱きました。風の音が凄かったのに加えて、街路樹や工事中のフェンスの揺れが、いやでも目に飛び込んできます。

 突風でフェンスが倒れたり、看板などが飛んでこないか、あたりを見回しながらの行軍というありさまです。
 ソロリソロリと駅に向かって歩きました。いつもは20分ほどの徒歩のところを、風に逆らいながら倍の40分をかけて立川駅に辿り着きました。

 中央線の東京行きに乗りました。やはり、徐行などがあり、大幅に遅れています。そして、東京行きのはずの電車が、立川駅を出るやいなや、新宿止まりに変更するとの車内放送がありました。

 中野駅で乗り換えて、地下鉄東西線に乗りました。最初の表示は津田沼行きだったのに、走り出してから西船橋行きに変更する、とのことでした。総武線が止まっているためだとか。いくつかの駅で、時間調整という理由でしばらく止まっていました。

 何とか宿舎には、無事に着きました。帰りは3時間の小旅行でした。
 災害や被害にあわなかったのは幸いでした。時間がかかっただけでよかった、と思っています。
 ニュースによると、都内では風速27メートル以上だったとか。納得できる風の威力を感じました。

 それにしても、なにやら日常生活に自然界の変な出来事が割り込んで来ている日々です。
 小さな地震も、このところ続いています。
 京都にいる時には感じない、言うに言えない不安な気配が、今の東京の生活には混在しています。

 縁起でもないことは考えないことにしています。
 それでも、何かあったらという心構えは、常にするようにしています。そして、準備もしています。
 具体的には、妻と息子の携帯端末iPhoneで、「友達を探す」というアプリを活用して、お互いが今どこにいるのかを表示できるようにしているのです。何かあったときに、家族が今どこにいるのかがわかると、合流を含めて最善の連絡を取り合えるからです。

 そこまでして、とも思います。しかし、それが現実味を増して実感させられる状況を痛感する日々なので、これも自衛処置だと思っています。
 桜の開花も早まっているそうです。隅田川の桜と、賀茂川の桜は、今年はどうでしょうか。
 それを今から、ささやかな楽しみにしているところです。
 
 
 

2013年3月13日 (水)

読書雑記(61)森見登美彦『四畳半神話大系』

 森見登美彦の『四畳半神話大系』(角川文庫、2008・3)を読みました。『太陽の塔』に続く著者第2作目です。
 
 
 
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 おもしろい構成になっています。4話ある物語のそれぞれの冒頭と末尾は、いずれもほぼ同じ文章です。第4話である最終話だけは、少し捻ってありますが。

 その冒頭部分で、「生後間もない頃の私は純粋無垢の権化であり、光源氏の赤子時代もかくやと思われる愛らしさ、……」とあるので、『源氏物語』のことも関係して語られるのかと思いきや、ここ以外にはまったく触れられることはありません。少し残念でした。この光源氏ということばは、作者のどこから出てきた語彙なのか、興味を持ちました。

 主人公は、下鴨泉川町の下宿に住む大学3回生です。このあたりは私が自転車で散策する地域なので、身近な場所として親近感をもって読み進めました。

 同じ下宿人であり、下鴨神社の祭神だと名乗る師匠とは、奇妙な関係を持つようになります。また、鴨川デルタと呼ばれる葵橋や出町あたりの様子が、しばしば語られます。この私の散歩エリアが舞台になっているのは、イメージが膨らみやすくてうれしい限りです。

 賀茂川周辺を舞台として、主人公たちはとにかく自由かつ楽天的に学生生活を謳歌しています。その明るさには脱帽します。物語のテンポも、賀茂川を散策する歩調で語られるので、心地よく読み進められます。

 ただし、途中であまりにも同じ世界が繰り返し展開し、拍子抜けする話が長々と続くような錯覚に陥ります。こうした語り口に、私はなかなか慣れることができません。
 同じような趣向の話が、工夫をして変化を付けてあるといっても、ワープロでよく使うコピー&ペーストのような文章の塊に出会うと、読む気が萎えます。その緩急自在な構成を楽しむべきなのでしょうが……

 深い意味は探らず、楽しめばいいのでしょう。しかし、コピー&ペーストの展開に、私はやはり飽きが来ました。

 それでも、つい読み進んでしまうおもしろさが、この物語にはあります。奇想天外さが、読みながら気分転換になっていいのです。ありえないことが、いかにもまことしやかに語られのに耳を貸すのも、この作者の筆の力を味わうことになるのです。

 第3話で、言い寄る女性から理屈っぽい思考を繰り返して逃れる場面は、秀逸だと思いました。描写がうまいのです。

 再読する機会があれば、同じパターンを繰り返しながらも、それぞれに変化を与える構成や心中および場面描写を、特に意識して読んでみたいと思っています。【2】
 
(付記)
今回読んだのは、単行本『四畳半神話大系』(太田出版、2005・1)に加筆修正した文庫本です。
 
 
 

2013年3月12日 (火)

井上靖卒読(160)「夏草」「高嶺の花」「波の音」

■「夏草」
 インドで自殺した元特派員の死亡記事から始まります。ただし、誰もそのことを信じていないというのです。彼は語学堪能で、海外を飛び回っていたのです。日本人離れした新聞記者でした。果たして、自殺だったのかどうか。語り手は自殺だったのでは、と言います。この話題は、さらにもっと膨らませることのできるネタです。長編の一部に使われていたのかもしれません。しかし、このような短編作品に収めたのが惜しまれます。【1】
 
 
初出誌:中央公論
初出号数:1956年8月号
 
文春文庫:貧血と花と爆弾
角川文庫:狐猿
井上靖小説全集19:ある落日
井上靖全集5:短篇5
 
時代:昭和(戦時中〜戦後)
舞台:東京都、大阪府、岐阜県、長野県、インド(ダージリン)
 
参照「ダージリン」(本作品の続編、現時点で未読)
 
 
 
■「高嶺の花」
 大阪夏の陣を背景に、1人の男が心に抱く女性をめぐる思いと行動を語ります。そして、思いもよらない行動に出るのでした。井上は、合戦という集団の描写がうまいのです。臨場感が伝わってきます。この作品も、登場人物が生きています。【3】
 
 
初出誌:小説新潮
初出号数:1956年9月号
 
角川文庫:真田軍記
旺文社文庫:真田軍記
井上靖小説全集11:姨捨・蘆
井上靖全集5:短篇5
 
 
 
■「波の音」
 昭和14年の北国でのことから始まります。多加子は6歳。夜桜の折、1人のおばさんが可愛らしいと言ってくれたのです。反対に、看護婦さんからは可愛げがないとも言われました。小学5年生の時は、リンゴのようなほっぺと言われました。自分への評価が気になる頃のことです。やがて演劇を志します。そこで知った指導者からは、自分が評価されていないことを痛感します。しかし、その男から結婚話が出てきたのです。美しいものを求める女性心理が、巧みに描かれています。そして、井上靖らしく、最後が明るいのです。作者は、女性向けの作品であることを強く意識しています。【3】
 
 
初出誌:若い女性
初出号数:1956年10月号
 
集英社文庫:青葉の旅
井上靖小説全集19:ある落日
井上靖全集5:短篇5
 
時代:昭和14年〜昭和32年頃
舞台:北国の城下街、大阪、兵庫県(舞子)
 
 
 
〔参照書誌データ〕
 井上靖作品館
 http://www2.plala.or.jp/baribarikaniza/inoue/
 
 
 

2013年3月11日 (月)

藤田宜永通読(14)『敗者復活』

 歯切れのいい文章で、気持ちよく読み進められます。淡々とした語り口が、登場人物をリアルに浮かび上がらせています。そして、藤田宜永があのフニャフニャした恋愛ものまがいの作品を書いていた頃よりも、この語り口は活き活きした文章のように感じます。
 私が好きだった初期のダイナミックな語りが、衣替えして蘇った印象を受けました。
 場面の展開や切り替えや、会話の歯切れの良さも、見違えるほどです。

 ここには、藤田の初期作品にあった、ハードボイルドな雰囲気が蘇るタッチが感じられます。それをあえて抑制しながら書き進めているので、先を読むのが楽しくなる展開です。登場人物の感情も、きめ細かくうまく描いています。

 別れた男女と2人の間にできた息子。この微妙な関係が、うまく語られています。

 バッティングセンターの経営を巡り、その背後に蠢く黒幕の存在が、この物語を静かに牽引していきます。そして、探偵ごっこの雰囲気が、藤田の得意な世界へと読者を引き込みます。

 終盤で、「息子の生き様が文学のテーマになるとしたら、現実にはとても不幸なことだよ」(単行本、462頁)とあります。このことばは、この作品の鍵の一つだと思いました。

 最後に、取って付けたような月が出ます。もったいない設定です。藤田には、月の効果的な描き方ができないようです。

 そして、最後の方になって、無理やり話をおもしろくしようとするかのように、宗教団体の話が持ち出されます。これが、それまでの緊張感を中途半端に中断し裁ち切り、積み上げてきた物語の構造が音を立てて崩れ落ちます。興ざめで強引な取り回しとなっているようにしか思えません。
 相変わらず詰めが甘いな、との思いを強くしました。
 さらには、息子の描き方に現実感がありません。このあたりが、いくぶん消化不良の読後感を残します。

 そうしたことはともかく、本作は、まさに男の敗者復活を語っています。久しぶりに、藤田の復活の一端を読み取ることができました。

 この調子が堅持され、現今の作品につながっているのかどうなのか。今後は、この延長での作品の完成度を見ていくと、さらにおもしろい流れが追えるのではないかと、楽しみが増えた思いで読み終えました。【4】

初出誌︰『週刊アサヒ芸能』2007年9月20日号〜2009年2月19日号
単行本︰徳間書店、2009年11月30日
文庫本:徳間書店、2012年11月2日
 
 
 

2013年3月10日 (日)

京洛逍遥(263)琵琶湖を目指す鷺たち

 賀茂川の水も温み始めたようです。
 
 川岸で餌を探す若い鷺や、一見お年寄りに見える鷺もいます。

 
 

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 元気よく飛び立つ鷺を、よく見かけるようになりました。
 
 
 
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 一羽が飛び立つと、すぐその後を追うように、また一羽が飛び立ちます。
 
 
 

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 これから春を迎え、川岸の桜が芽吹くようになると、この川の鳥たちも慌ただしく動き出します。
 
 
 

2013年3月 9日 (土)

歯医者さんに歯を噛みしめないでと言われて

 昨秋、前の差し歯3本を作り直しました。半年も経たない昨日、突然その内の1本が取れました。

 京都へ帰る前に、江戸深川の歯医者に立ち寄って直してもらいました。

 前歯なので、見た目も大事ということもあり、セラミックで作ったものです。しかし、取れた歯を見ると、根元から抜けた感じです。

 歯医者さんの説明では、根元の歯が折れ、支えの金属も折れているのだそうです。原因は、やはり歯を食いしばっていることにあると……

 歯医者さんからは、このまま歯を食いしばる日々が続くと、顎を手術することになる、との警告を以前から受けています。寝るときには、マウスピースを嵌めています。

 しかし、いくら食いしばるなと言われても、無意識にそうなっていることなので、自分ではどうしようもありません。

 これまでにも、この歯のことは何度か書いて来ました。
 
「歯医者さんに通い突貫工事の日々」(2012/10/2)
 
「マウスピースを着けて寝る」(2012年11月19日)
 
「歯を食いしばる日々から脱却する方法は」(2013年1月10日)
 
 肩の力を抜いて、頑張らない生活を心がけるしかありません。しかし、それも……なかなかの難題です。

 今は、マウスピースをしっかりと填めて、ゆっくりと寝ることを意識した生活をはじめようと思っています。

 いろいろな方々に迷惑をかけると思います。あらかじめお詫びを記しておくことで、自分への負担を軽くしておきます m(._.)m
 
 
 

2013年3月 8日 (金)

『源氏物語』を海外の方々へ—《新版・十帖源氏「末摘花」Ver.2》—

 『十帖源氏』の第6巻「末摘花」については、2年ほど前(2011年6月12日)に現代語訳を公開しました。
 
 しかし、今回これに対して凡例の見直しによる補訂を加え、表記を統一しましたので、「空蝉」や「夕顔」と同様に、「末摘花」巻に関しても本日公開したものを最新版とします。
 
 主な補訂は以下の3点です。
 
①登場人物表を最初に掲載した 
②人物を強調する記号である「」を、〈〉に訂正した
③「翻刻本文」を「翻字本文」とした
④その他、訳文の見直し
 
 
《新版・十帖源氏「末摘花」Ver.2》PDF版をダウンロード
 
 

 なお、第3巻「空蝉」と第4巻「夕顔」については、過日公開した補訂版をさらに微調整しました。
 改訂版が多いと、どれが最新なのかが混乱するかと思われます。しかし、少しでも海外の方々が自国の言語に翻訳しやすい現代日本語訳を提供することを優先し、今後とも改訂を繰り返していくもつりです。
 
 以下のものが、現在の最新の資料です。お手元のファイルをご確認ください。
 
「『源氏物語』を海外の方々へ—《新版・十帖源氏「空蝉」Ver.1-1》—」(2013年2月21日)
 
 
「『源氏物語』を海外の方々へ—《新版・十帖源氏「夕顔」Ver.2-1》—」(2013年2月22日)
 
 
 

2013年3月 7日 (木)

銀座探訪(27)西洋サクラソウと書道展

 久しぶりに「銀座探訪」の記事となります。1年半ぶりです。

 銀座というと、コナミスポーツクラブでスイミングやフィットネスをしていた頃は、毎日のように仕事帰りに立ち寄っていた馴染みの街でした。しかし、2011年9月5日にコナミを退会してからは、やはり足が遠ざかりました。宿舎から自転車で15分の至近の距離であっても、休日にわざわざブラブラしに行くということもなくなったのです。
 この経緯については、「スポーツクラブを退会」(2011年9月30日)に書いた通りです。

 さて、銀座のミキモト真珠店の前は、いつもきれいな花やディスプレイが目を楽しませてくれます。「銀座探訪(24)粋なミキモト真珠の店先」(2010年6月 3日)
 その店先で、今年は西洋サクラソウがみごとに咲いているのを見かけました。折しも、ミキモト真珠発明120周年の記念の年なのだそうです。
 
 
 
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 先週の雛祭りの日に京都の植物園で見た西洋サクラソウは、まっ白で清楚な感じでした(「京洛逍遥(260)植物園の草花展と半木神社」(2013年3月 3日))。

 このミキモトの花は銀座らしく、人目を惹くような鮮やかなプレゼンとなっています。120年という文字を強調したかったのでしょうか。白い花が一鉢もないのが印象的でした。
 
 
 
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 隣の木村屋でうぐいすパンとよもぎパンを1つずつ買い、銀座4丁目を西に渡った大黒屋6階ギャラリーで開催されている書道展「春光こでまり会書展」へ行きました。
 
 
 
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 仮名を中心とした作品展で、お目当ての作品は、古今集の撰者でもある凡河内躬恒の歌でした。


    みつね
道しらはたつね
もゆかむもみち
 はをぬさとた
  むけて秋は
   いにけり

 この歌は嵐山の紅葉を詠んだものと思われます。
 そして、息子の『百人一首』の持ち札でもある、菅原道真の「このたびはぬさもとりあへず手向山もみぢのにしき神のまにまに」を連想させます。

 躬恒というと、この時期には次の古今集の歌が浮かびます。


  春の夜、梅の花をよめる

春の夜の闇はあやなし梅の花いろこそ見えね香やはかくるる

 手元にある架蔵『探幽筆 三拾六哥仙』には、こんな躬恒の姿が描かれています。
 参考までに紹介します。
 
 
 
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 この絵は、まだ復元し終えていないものです。
 これに関する詳細は、「架蔵『探幽筆 三拾六哥仙』の復元」をご参照ください。
 
 
 

2013年3月 6日 (水)

糖質制限食でヘモグロビン A1cがまた下がり出す

 中野駅前のワンコイン検診「ケアプロ」で、いつものようにヘモグロビン A1cを測定して来ました。

 2月10日時点でのことは、「京大病院での定期検診の結果を分析」(2013年2月10日)に詳しく書いた通りです。

 今日は、その後の追認の結果とも言えるものです。そして、その結果は満足すべきものでした。

 1月19日の中野駅前のケアプロでの値は、〈7.9〉(日本基準)という驚くべき数値だったことは、上記ブログに書いた通りです。
 それが、2月10日に京大病院で測定したところ、〈6.5〉という可もなく不可もなくという、少し高めの結果でした。
 中野での測定値は、とにかく疑念の残る結果でした。
 2月10日の検診では、炭水化物の消化を遅らせる薬を、今よりも少し緩い、最初のものに戻してくださいました。

 これを受けて、私自身も、少しでも血糖値が低いところで安定するように、糖質制限食を再度取り入れました。ダブルの効果で、血糖値を一気に安定させようとしているところです。

 ただし、食事を無理やり禁欲的にするのではなく、薬をうまく使いながら、消化を遅らせながらコントロールしようとしているのです。

 ご飯、パン・麺は、この1ヶ月はほとんど食べませんでした。食べるときには、必ず薬を飲みました。
 今回の結果は、その成果でもあります。この調子の食生活だと、来月はもっと下がるはずです。
 もっとも、体重が48キロ台なので、当面は50キロを目指しての食生活を心がけたいと思っています。

 今日のケアプロの測定値は〈6.2〉でした。
 これにも計測機器の誤差を考えるべきなのか、今はわかりません。
 これまでのケアプロの測定値は、やや高めにでているように思っています。
 そうであっても、この数値はまあまあだと言えるでしょう。
 糖質制限食のことも加味すると、来月の結果がたのしみです。
 うまく6台を切ってくれたらいいのですが。
 
 参考までに、ケアプロで使用しておられるヘモグロビン A1cの測定機器のハード情報を記録として残しておきます。
 


製造:サカエ
販売:協和メデックス
品名:A1c GEAR K
番号:10B240001300004
   GA1700910

 
 4月第1週に、また京大病院での検診があります。
 その時まで、私の糖尿病の所見は持ち越しです。
 いずれにしても、今は調子がいいと言えるでしょう。
 
 
 

2013年3月 5日 (火)

京洛逍遥(262)亡母からの贈り物「壬生やまとの湯」

 過日、家の片付けをしていて疲れたので、英気を養える温泉を探していました。
 結局は、一番近いところへ、ということで「壬生やまとの湯」に行きました。
 JR丹波口駅から歩いてすぐです。あの新撰組の地です。
 
 
 
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 以前、三井寺に行った帰りに「滋賀・大津やまとの湯」に入りました。
 「西国三十三所(29)三井寺」(2010年10月30日)

 奈良にある「学園前やまとの湯」は、奈良に住んでいた頃に、母と子どもたちを連れてしばしば行きました。

 その奈良の時代に使っていた会員カードが、荷物の整理をしていて出てきたこともあり、それを持って「壬生やまとの湯」へ行ったのです。有効期限がなかったのです。

 「やまとの湯」の会員証を、受付前の自動券売機に入れた時です。カードの残高が、なんと3400円と表示されたのです。使い残した分が、そのまま残っていたのです。

 母は平成16年に亡くなったので、9年の歳月を経た今も「お疲れさま」と言ってくれているようです。不思議な気持ちになりました。

 ありがたくお風呂に入りました。そして、妻と一緒にラウンジで、お酒とおばんざいをいただきました。今後の健康と、現在抱えている仕事がうまくいくようにと。
 こうして母に見守られていることに感謝しました。

 突然の贈り物とは、なんとも嬉しいものです。
 しかも、それがタイムカプセルを開けたかのように、今は亡き母が残してくれたものなのですから。
 
 
 

2013年3月 4日 (月)

京洛逍遥(261)茶道資料館で日本画と茶道具を堪能

 先週末は、裏千家の関連施設である茶道資料館で開催中の、「新春展・大松コレクション名品選 —近代絵画と茶道具—」に行って来ました。
 
 
 
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 茶道資料館のホームページには、次の説明が掲載されていました。


 大松コレクションは、岐阜プラスチック工業株式会社の創業者大松幸栄氏と夫人節子氏が収集された日本近代絵画や茶道具など約1500点の美術工芸品からなり、平成3年、岐阜県・岐南町に開館した大松美術館において広く公開されてきましたが、美術館は平成21年に惜しまれつつ閉館となりました。
 現在、公開されてはいないものの、作品は散逸することなく所蔵されております。
 本展では、上村松園(1875-1949)、川合玉堂(1873-1957)、前田青邨(1885-1977)、横山大観(1868‐1958)など名だたる画家による日本画と、茶道具の名品の中から、新春の季節にふさわしい作品を中心に展観いたします。
 
[主な出品作品]
前田青邨筆《水辺春暖》/速水御舟筆《松林》/横山大観筆《神洲正気》/川合玉堂筆《鵜飼》・《長閑》
中興名物 瀬戸茶入 銘老茄子/祥瑞摺扇香合/等

 これまでに、いろいろな美術展などで見たことのあるものがいくつか展示されていました。
 穏やかな雰囲気の絵画や道具類は、見ているだけで気持ちが落ち着きます。

 この展覧会は3月10日(日)までです。

 今日庵文庫の開架閲覧室では、正午の茶事に関する40分のビデオを見ました。
 初心者用のものです。しかし、知らないことや忘れていることを確認できたので、いい機会となりました。

 呈茶を1階奥でいただきました。
 歪んだ茶碗だったので、どこが正面でしょうか、などとお聞きしたりしました。
 「わらや」という銘のある五島美術館蔵の黒織部沓形茶碗が、確かこんな形だったので、つい。
 運んで来られた若い方は、私はこの絵の方が正面だと思うので、こちらを正面としてお出ししています、と丁寧に教えてくださいました。
 それにしても、人を悩ませる形と柄の茶碗でした。

 最近、冬川智子著『チャノユ! お茶のお稽古、始めました。』(2011.3刊、淡交社、¥1,260)を読みました。
 
 
 
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 初心者用の、マンガによる茶道の案内書となっています。
 こうした種類のマンガ本は書店に溢れています。そんな中でも、これは読んでみたくなった本です。
 軽いノリです。しかし、実際に入門しての体験によるものということもあり、他の本にはないところに目が届いていて、参考になりました。
 
 
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 以下、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉に関する近況報告を兼ねまして。
 
 この展覧会に行く前に、京都銀行下鴨支店で、私の個人口座を上堀川支店から下鴨支店に移行する手続きをしました。これは、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉へ私が送金する際に、手数料を支払わなくてもいいようにするためです。個人と法人で、その手数料の扱いが違うのです。
 そして、ネットバンキングなどでのさまざまな優遇処置をしてくださいました。
 非常に好意的な対応です。銀行は、本来はこのようにあるべきなのです。しかし、メガバンクなどというものを目指す大手銀行は、小さな利用者などは構っていられないようです。大変残念なことです。

 かつて大手銀行に勤めていた姉は、あの頃は新規顧客の獲得を競っていていたのに、と昔のことを懐かしがっています。それだけ、大手銀行は様変わりというところです。

 なお、京都府の京都地方税機構に法人設立の届出書を提出し、これも受理されました。川内さんに手続きを進めてらったものです。

 昨日の記事で書いたように、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の新会員募集も始めました。

 いろいろと、春に向けて始動しています。
 
 
 

2013年3月 3日 (日)

京洛逍遥(260)植物園の草花展と半木神社

 今年の寒さは、草花にも多大な影響が及んでいます。
 植物は、じっと春の訪れを待っている気配です。

 今回の帰洛の間に、北野天満宮などの梅が観られることを楽しみにしていました。
 しかし、開花はまだまだのようです。

 家の近くの府立植物園なら、と思い、上京前に立ち寄ってみました。
 ここは、みごとな技術で、すばらしい植物を見せてくれることで知られています。
 還暦以後は、私も妻も入場料が無料になったこともあり、気軽に行ける所になりました。

 入口は、いつものことながら殺風景です。
 もう少し門を飾るなりして、見栄えをよくしたらいいのに、と思っています。
 
 
 
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 中に入ると、すぐ目の前にチューリップが出迎えてくれます。
 
 
 
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 ただし、開花はまだです。来月4月中旬には、みごとな満開となることでしょう。
 3年前の、ここのチューリップが満開となった時の記事、「京洛逍遥(135)植物園の春」(2010年4月12日)のように、桜を背景に真っ赤なチューリップの絨毯が出迎えてくれる日が楽しみです。

 大芝生地の特設会場で、「早春の草花展」をやっていました。
 今年のテーマは、「ぽかぽか陽気で散歩気分『春のピクニック』」だそうです。
 
 
 
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 今回、私が一番気に入ったのは、花が丸い宇宙ステーションのような姿を形作っている、西洋サクラソウでした。
 
 
 
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 この「早春の草花展」の会場の横に、雰囲気のいい休憩所が出来ていました。いつ建てられたのでしょうか。これまで、ここに売店があったように思います。こんなにいい施設になっていたことに、気づきませんでした。
 入口には、マスコットのまゆまろ君がいます。
 
 
 
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 園内には、半木神社があります。植物園の中にあることは知っていました。しかし、まだ一度もお参りしたことがありませんでした。
 
 
 
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 これは、上賀茂神社の末社で、天太玉命を祀っていました。織物業の守護神で、植物園の守り神として崇められているそうです。

 さて、肝心の梅は、まだ咲き初めでした。花を開いているのは、ほんのわずかです。
 
 
 

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 今月の下旬までは、京の花々はおとなしくしているようです。
 
 
 

2013年3月 2日 (土)

NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の新会員募集のご案内


 特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉への活動支援に関するご案内です。

 平成24年10月12日に京都市へ申請したNPO法人〈源氏物語電子資料館〉の設立が、平成25年1月31日に認証され、平成25年2月4日に法務局等への正式な手続き等をすべて終えました。

 この法人では、その目的を達成するため、次の事業を行います。


①『源氏物語別本集成 続』等の学術出版の支援
②『源氏物語』に関する諸情報の整備と公開
③『源氏物語』に関する国際文化交流
④『源氏物語』に関連する研究支援と資料の翻字・校正及びデータ入力の代行
⑤『源氏物語』の普及のための講演会や懇談会及び勉強会や物品販売等
(以上、定款より)

 本来なら、ホームページなどでご案内すべきところです。しかし、ホームページもパンフレットも、現在鋭意作成している最中です。ただし、いろいろと問い合わせもありますので、取り急ぎこの場でご入会についての説明をいたします。本当にありがたいことに、どうなっているのか、とのご心配をおかけしているようなので、少し早めのご案内となります。

 これまでに、3種類の法人口座が開設できました。
 平成24年度の活動については、今月3月末の決算を迎えるまでに、活動支援資金としての会費等について、その対処を明確にしておく必要があります。現在は、3冊の通帳共に0円が記載されています。

 定款では、以下のようになっています。


附 則
1 この定款は、この法人の成立の日から施行する。
(中略)
6 この法人の設立当初の入会金及び会費は、第8条の規定にかかわらず、次に掲げる額とする。
(1)正会員 入会金 10,000円(学生は免除)
       会費  10,000円/年
(2)サポート会員 入会金      0円
          会費(登録料)5,000円/年
(3)賛助会員   入会金      0円
          会費 1口  30,000円/年(1口以上)

 ここで言う「サポート会員」とは、実際に活動や作業に従事していただき、会から謝金をお支払いする対象となる方です。現在はまだ準備段階で活動がないので、今回お願いする支援は(1)正会員と(3)賛助会員です。賛助会員については、お名前を掲示させていただくことになります。

 設立初年度となる今月3月からご支援をいただく正会員及び賛助会員の方には、1万1千円で新会員となっていただくことになります。平成24年度の年会費は、活動期間が1ヶ月しかないために1千円です。

 なお、会員の特典などについては、近日中に公開するホームページに明示します。
 今は、これまでの活動をご理解いただいている方々に、この時点でご支援をいただける会員として、入会手続きのお願いをするものです。

 本法人の支援をしてくださる方には、以下の3つの口座のいずれかに、会費等を振り込んでください。
 当面は、振り込みの名前で確認をします。振り込まれましたら、お名前・振込日・銀行名を、伊藤鉄也(npo.gem.info@icloud.com)宛のメールにてお知らせください。
 メールをいただいた時点で口座を確認し、折り返しのメールで受領の返信とさせていただきます。

 なお、領収書の発行については、住所などの個人情報が必要となります。当面は、領収書が必要な方のみとします。必要な方は、メールにその旨を明記の上、送付先住所のご指示をお願いします。

 以上、やっと本法人の具体的な活動について、お知らせと会員募集のお願いができる段階となりました。
 ご理解とご協力のほどを、どうぞよろしくお願いいたします。

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(1)取引銀行:京都銀行 下鴨支店
取引店番:142
口座番号:3359090
口座名義:トクヒ)ケ゛ンシ゛モノカ゛タリテ゛ンシシリヨウカン
   特定非営利活動法人源氏物語電子資料館
   (山カッコがないことにご注意ください)
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(2)取引銀行:ゆうちょ銀行
記 号 :14460
番 号 :45621781
・他金融機関から振り込む場合
店 名 :四四八(読み ヨンヨンハチ)
取引店番:448
口座番号:4562178
口座名義:トクヒ)ケ゛ンシ゛モノカ゛タリテ゛ンシシリヨウカン
   特定非営利活動法人源氏物語電子資料館
   (山カッコがないことにご注意ください)
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(3)取引銀行:三井住友銀行 京都支店
取引店番:496
口座番号:8925177
口座名義:トクテイヒエイリカツト゛ウホウシ゛ンケ゛ンシ゛モノカ゛タリテ゛ンシシリヨウカン
   特定非営利活動法人源氏物語電子資料館
   (山カッコがないことにご注意ください)
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2013年3月 1日 (金)

スーパー赤札堂のレジで値段の誤登録に遭遇

 関西にはないスーパーマーケットで、東京には赤札堂というチェーン店があります。食品と衣料品が中心です。下町をエリアにして、14店舗があるようです。

 その内の深川店が、東京の宿舎の近くにあります。
 そこでの出来事です。

 私は、コーヒーを1日に10杯以上飲みます。砂糖は入れません。しかし、お腹を守るために、コーヒーフレッシュは必ず入れます。

 ブッダに縁があるからではなくて、スジャータのミルクが好きです。
 私が淹れるコーヒーには、これが一番合うと思っています。
 そのスジャータから、カレーうどんやカレー丼のためのレトルトパックが発売されたようで、乳製品が並ぶ一角に置かれていました。

 糖質制限食の一環で、木綿豆腐にレトルト食品をかけて温めるという、本当にお手軽なメニューを、独りの時には作っています。野菜や卵を乗せて電子レンジで温めたりと、いろいろなバリエーションを楽しんでいます。すき家の牛丼ライトの感じです。

 さて、このスジャータのレトルトパックが、一袋100円で山積みされていました。ものは試しと一ついただき、試食してみることにしました。

 レジの方がバーコードを読み取られ、138円だとのことです。しかし私は、自信を持って、あそこに100円となっていますよ、と言うと、その方はレジを閉めて確認に行かれました。

 戻って来られるまでに、意外と時間がかかりました。そして、先ほどのレシートに打たれていた商品名と「138」という数字が、チルド食品が「100」、という文字に打ち直されたレシートと、差額の38円を手渡されました。

 バーコードの登録が間違っていたので修正しました、とのことでした。

 一つだけ買ったので、たまたまわかったのです。普通は、レシートをチェックなどしない方が多いでしょうから、わからないところでしょう。

 スーパーのレジは、こんなにアバウトな仕掛けで精算しておられるのでしょうか。
 それとも、欠陥商品やワケありの不良品を手にすることが多い私なので、今回も当たり前のように遭遇したことなのでしょうか。

 日本人はしっかりしている、と言われ、世界的にも有名です。しかし、こんなこともあるのです。

 たまたま出くわした珍しいことなのか、常態化した現実なのか。
 金額が小さいだけに、おもしろいことだと思っています。

 ちょうど一と月前に、エディオンでのことを書いた「家電量販店での前時代的なレジシステム」(2013年2月 1日)は、なかなかおもしろいと好評でした。この出来事も、それに近いものです。というよりも、こちらの方が利用者が多いので、問題ではないでしょうか。

 今回の赤札堂でのことといい、レジでは安心し切って、言われるがままにお金を渡さない方がいいようです。
 
 
 

NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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