« 〈源氏物語電子資料館〉のHPが〈eoNet〉に理解されなかったこと | メイン | 京都で『十帖源氏』を読む(第2回) »

2013年5月10日 (金)

授業(2013-4)海外における『群書類従』と学際的研究

 昭和天皇が皇太子時代の大正11年に英国を訪問されました。そして、その記念として、大正14年に『群書類従』をケンブリッジ大学に、『21代集』をイートン・カレッジに贈られたのです。
 そのことを報じる朝日新聞の大正14年8月20日の記事(ケンブリッジ大学図書館日本部長小山騰氏よりの情報)をもとにして、日本の古典籍が海を渡ったことを話しました。
 
 
 
130509_t14
 
 
 

 また、私がアメリカの「バージニア大学のサイトから『群書類従』を公開」していることも説明しました。

 『群書類従』は、日本が誇れる知的財産として、もっと評価してもいいと思っています。

 また、与謝野晶子の『源氏物語』と『蜻蛉日記』の自筆原稿の画像を、国文学研究資料館から公開していることと、谷崎潤一郎の『新新訳源氏物語』の自筆原稿が國學院大學に収蔵されていることを確認しました。それを踏まえて、日本古典文学を近代文学からの視点で調査研究する意義を強調しました。いわば、学際的・学融合の研究手法です。
 これには、日本文学作品の海外での翻訳を取り上げるのも、新しい文学研究であることも話しました。

 古典文学の研究は、まだまだ新しいアプローチがあるのです。これからの若い方は、こうした取り組みもしてもらいたいものです。

 午後は、國學院大學の斜め向かいにある塙保己一史料館・温故学会会館へ行きました。
 
 
 
130509_onko1
 
 
 
 入口に、「香席体験『星合香』」の案内がありました。先日来、香道に関する情報がたくさん入ってきていたこともあり、こうしたものが眼に入るとついシャッターを切ってしまいます。
 
 
 
130509_onko2
 
 
 

 この温故学会の詳細は、「塙保己一資料館のホームページ」をごらんください。

 温故学会の斎藤幸一理事長と、いろいろな話をすることができました。たくさんの質問も受けました。今後とも、この貴重な文化遺産を多くの方々に知っていただき、あらためて先人の遺業を評価したいものです。

 会館の中にある版木倉庫にも案内していただきました。2万枚近い版木の棚は圧巻でした。
 ここには、膨大な量の『群書類従』の版木が収蔵されているのです。その版木は、全部で17,244枚あります。両面刻なので34,000枚の分量ということになります。

 塙保己一と『源氏物語』に関しては、温故学会のホームページの中の「源氏物語講義の図」をご覧ください。
 その説明文にあるエピソードを、以下に引用しておきましょう。


ある夏の晩、保己一が『源氏物語』を弟子に講義していたら、風が吹いてきてローソクの灯が消えてしまった。
あわてた弟子たちは、「ちょっと待ってください。灯が消えて本が読めません」と言ったら、保己一は「やれやれ、目明きとは不自由なものじゃな」と笑いながらつぶやいた。

 
 
 


コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

Powered by Six Apart
Member since 07/2008