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2013年6月30日 (日)

古都散策(35)奈良西の京を中国からの留学生と歩く

 今日は、中国から日本に留学している学生さん2人を、行く機会の少ない奈良に案内しました。
 衛さんは、裏千家学園茶道専門学校で今年4月から半年間、留学生として厳しい勉強をしています。日本の文化を幅広く理解し、茶道の研鑽を日々深めているところです。
 侯さんは、立命館大学大学院で、中世王朝物語を中心とした研究をしています。留学期間があと一か月となり、精力的に日本の歴史や文化を勉強しているところです。

 2人とも、旺盛な好奇心と理解力を持っていて、日本を知ろうという気魄にはこちらが気後れするほどです。
 案内するはずの私も、質問に応えきれない場面がしばしばです。

 東京で開催されたレセプションで2人と初めて会ったときのことは、「北京日本学研究センターの懇談会に出席して」(2013年6月 8日)に書いたとおりです。侯さんは、その後、京都の『十帖源氏』にも参加しています。

 今朝は、8時に近鉄京都駅で待ち合わせをしました。
 車中でいろいろな話をしているうちに、あっと言う間に西ノ京駅でした。電車を降りると、すぐ目の前が薬師寺です。ホームに、薬師寺の石柱がありました。
 
 
 
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 薬師寺の東塔は修理中で、平成25年に完了予定だそうです。
 
 
 
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 大講堂の弥勒三尊像の台座に彫られていた四神に、早速2人が反応しました。よく日本のことを勉強しているので、見るもの聞くもの、何にでも関心を示しています。頼もしく、逞しい学生さんです。

 般若心経を書いた扇子がありました。茶道学園で勉強している衛さんは、毎朝朝礼で般若心経を読むそうです。そのためスラスラと暗唱しているので、この扇子に興味を示したのです。

 大講堂の北側には、蓮の花がきれいに咲いていました。
 
 
 
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 玄奘三蔵院伽藍の玄奘塔の扁額に、「不東」と書いてありました。
 
 
 
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 「不」が頭に付いていることに違和感を感じる、と私が言うと、2人はこの「不」に深い意味があるのだと言うのです。
 出発した三蔵法師が、東を振り返らず、ただひたすら西へ向かう決意が「不」には込められているそうです。私が言う「唯西」では決意が弱く感じられるのだそうです。
 しばし、「不」「非」という打ち消しの言葉の働きについて意見交換をしました。

 薬師寺の白鳳伽藍を後にすると、唐招提寺に向かってまっすぐ北へと歩きました。
 
 
 
 
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 唐招提寺の講堂の中には、論議台が2つあり、そこには次の説明がありました。


 仏壇の前の左右に置かれ、読師と講師が相対して法要するところから、論議台と呼ばれる。(下略)

 傍にいたお寺の方が、さらに説明をしてくださいました。それによると、向かって左が講師の座で、右がそれより低い地位の読師の座だとのことです。

 この説明によると、本尊である阿弥陀如来から見ると、左が低い地位になりります。これは、京都でよく言う天子南面の考え方と違うことになります。何故違うのか、ということを衛さんが言いました。鋭い質問が飛び出し、日本文化に対する理解が問われます。

 堂内の方は、とにかくそうした順番で実際に儀式をしているのは確かで、その深い意味はわからない、とのことでした。

 確かに京都では、右京と左京が逆だし、左大臣が右大臣よりも上位です。
 この堂内の説明では、そのことと矛盾します。
 この疑問は、後でもっと調べよう、ということで終わりました。
 疑問を持つ、ということは理解の原点です。こうした疑問を素直にぶつけることで、日本の若者たちに多くの刺激を与えてほしいものです。

 開山堂では、鑑真和上御身代わり像が公開されていました。
 写真では何度も見ていた像です。今回、初めて実物を拝見しました。
 いいお顔をなさっていました。
 
 
 
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 そのまま東へ歩き、鑑真の御廟に行きました。
 この一画には、井上靖の『天平の甍』の石碑があります。
 つい見過ごされがちなとこにあるので、2人を案内して井上靖好きな者としての説明をしました。

 お昼を、薬師寺に戻る途中のお店でいただきました。そうこうするうちに、もう大和平群のお茶の先生宅へ行く時間です。

 信貴山へ連れて行き、『信貴山縁起絵巻』の案内もしようと思っていました。しかし、もう時間がないので、それはこの次にして、西大寺から乗り換えて近鉄生駒線の元山上口へ行きました。

 以下、明日に続きます。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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