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2013年12月22日 (日)

「天声人語」で紹介された島根県のこと

 先週の「朝日新聞」(2013年12月16日、朝刊)の「天声人語」で、島根県のことが話題に取り上げられていました。
 島根県生まれの1人としては、心穏やかではいられない内容に驚きました。


7年前のネット調査の結果がある。日本地図の上でどの位置にあるかわからない都道府県の1位になったのだ。

 これによると〈日本で47番目に有名な県〉なのだそうです。
 内心、複雑です。
 記事にもある通り、「出雲大社」や「宍道湖」があるのに。
 そうなのだろうか? とも。
 いや、この調査なるものが、どのような意図で、どのような方法で、誰が誰を対象に、何時、どれ位の期間、そして何人中何人の回答が得られたのか?

 それが「7年前」の「ネット調査」とあるだけに、記事に引用されるにあたって、その根拠の信憑性に疑念を抱きました。
 しかも、この不確かな情報を引いて、「天声人語」が私にとって不愉快な記事を書いているのです。

 私は、結婚するまで東北地方の地図が曖昧でした。
 妻の生地が、東北を身近な地域にしてくれました。
 人の意識は、地域により、時期により、さまざまに変化します。
 多様な人々の意識調査を、個人的な都合で引用するのも問題です。
 手元の資料をもとにして、それをひとしなみに日本人の意識としていいのか、などなど。

 島根県が「自虐カレンダー」によって認知度を高めようとしていることにも、複雑な思いを持ちました。
 知られていないことから、「認知度が最低。これはわかりやすい。逆手に取って売りにしよう」ということなのだそうです。
 しかし、それにしても、「自虐」とはあまりにも惨めな紹介のされ方です。
 日本人特有の「自虐史観」に結びつける意識が、この天声人語子にはあるようです。

 この「天声人語」の結びは、次のようになっています。


自虐戦略は功を奏しつつある。よそでも「おしい! 広島県」が話題になったりした。自分で自分を笑う。心に余裕のある大人でないとできることではない。自慢よりずっと上等である。

 私は、この意見に与することはできません。
 島根県人を侮蔑しているとしか思えません。
 天声人語子の本意はともかく、結びの言葉を急いだがための失態と言えるでしょう。
 ひいては、朝日新聞の失態です。
 
 以下に、私が本ブログで紹介した、出雲に関する記事を抜き出してみました。
 島根県を理解していただく一助にでもなれば幸いです。
 
【4.3-江戸漫歩】「江戸漫歩(42)お江戸日本橋へウォーキング」(2011/6/26)
 
【2-源氏物語】「手銭記念館の源氏絵屏風で教示を乞う」(2009/12/18)
 
【5.1-回想追憶】「50年前の自分に会う」(2009/12/19)
 
【1-古典文学】「アンビカさんへ—出雲の阿国レポート」(2009/12/20)
 
【5.1-回想追憶】「千家のおじさんの訃報を聞いて」(2013/8/30)
 
 
 なお、かつて朝日新聞を配達していた新聞少年の一人としては、これまでにいろいろな形で朝日新聞をとりあげています。
 その一端も、以下に抜き出しておきます。
 
「源氏千年(34)低次元の朝日新聞の記事に溜め息」(2008/4/27)
 
「源氏千年(35)朝日の「みだし」への疑問解消!」(2008/4/27)
 
「源氏千年(50)朝日新聞の文化欄に」(2008/6/24)
 
「学問とは無縁な茶番が再び新聞に」(2009/8/11)
 
 先日、朝日新聞の取材を受けたばかりなので、こうしたことが気になり、過去の記事を読み直してみました。
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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