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2014年4月25日 (金)

京洛逍遥(316)京都における香道関係の調査に同行

 昨夜帰洛し、今朝は茶道資料館へ行きました。

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 総合研究大学院大学文化科学研究科日本文学研究専攻で、香道伝書と文学に関する博士論文を執筆中の武居雅子さんの調査に同行しての訪問です。
 茶道資料館では、筒井紘一先生にお目にかかり、長時間にわたりお話を伺いました。
 筒井先生は、茶道資料館副館長、今日庵文庫長、京都学園大学人間文化学部教授、茶書研究会会長と、幅広く活動なさっています。
 6月には、古田織部400年遠忌追善茶会をなさいます。

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 ご著書も多く、私が読んだ本については、以下の記事で報告しました。

「読書雑記(65)筒井紘一『茶道具は語る』」(13年5月19日日)

 筒井先生は、武居さんの修士課程における指導教授です。そのことは、以下の記事で紹介した通りです。

「茶道資料館で香道具を見たあと筒井先生にお目にかかる」(2013年5月 2日)

 本日は、茶道資料館のテラスで苔の庭を見ながら、筒井先生から多くの示唆に富むお話を伺いました。その内容に関しては、今後発表される武居さんの論考に譲ります。

 筒井先生からは、今後の研究におけるありがたいアドバイスを、何点か示してくださいました。特に私が記憶に残ったのは、大枝流芳と茶道についてはあまりやられていないのでは、というご指摘でした。香道にばかり目がいっているのではなくて、こうしたところもやってほしいとの提言でした。

 さまざまなお話を伺う中で、山田松香木店の山田英夫社長からもっと詳しい話を聴くように、とのことで、早速電話で仲介の労をとってくださいました。

 前回お目にかかった折にも、山田社長と三条西堯水氏(御家流香道宗家)と勉強会をするので来ないか、というお誘いを受けていました。まだその会は実現していませんが、今日もその話が出ました。この勉強会がスタートしたら、また新鮮な情報交換ができるようになります。大いに楽しみにしています。

 ただし、今日はあいにく山田社長が上賀茂神社へ出向いておられたこともあり、筒井先生いわく山田松の大番頭だとおっしゃる大杉直司さんを紹介してくださいました。
 そして、山田松香木店で大杉さんから、『香道秋の光』の巻末に記載されている「香道具細工所」に関して多くのご教示をいただきました。

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 その後、「香道具細工所」に記載されていたことで一番気になるという「京河原町姉小路西南角 人形屋幸助」を追うことにしました。
 香道における盤物では、人形を使ったりします。その人形を作る職人さんの1人が、人形屋幸助という人だと推測されるからです。それを、大枝流芳が紹介している、という流れの中での調査なのです。

 これについては、私が思いついきで推薦した『京都マップ 伝統と老舗編』(光村推古書院)に橋本人形店が掲載されており、そこが初代幸助から4代目だとの記述があります。
 もっとも、この橋本人形店は安政2年(1855)創業となっており、『香道秋の光』に記載された「京河原町姉小路西南角 人形屋幸助」よりも100年以上も後の創業となります。しかし、とにかく行ってみないことには埒があかないということで、四条から仏光寺へと出かけました。

 橋本人形店はすぐに見つかりました。

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 突然のことながら思い切ってお店に入り、訪問の趣旨などを説明していると、対応してくださったご当主は開口一番「それはうちですわ。その幸助は初代やと思います。」とのことでした。そして、創業はもっと前かもしれない、ともおっしゃっていました。京都に来る前は名古屋だったのではないか、とも。
 300年も前の話をしているのに、それがごく普通に今と結び付いて話題にできるのです。
 畏るべし京都、を実感しました。

 話をしていると、曖昧な部分が出てきました。しかし、それがつい昨日のことを思い出すかのように進んでいたので、不思議な思いでやりとりに参加していたことになります。

 また、この人形屋さんは、○に平という文字がお店の印となっていました。これがいつからかはわからないそうです。

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 この橋本人形店は、お店が京都の中を何カ所も移動しているので、いつの時代にどこにお店があったのかもよくわかりませんでした。そのため、「京河原町姉小路西南角」という場所についても、情報は掴めませんでした。

 とにかく、「人形屋幸助」「丸平」などなど、キーワードはわかってきました。
 このことについて、ご存じの方がいらっしゃいましたら、情報をお寄せいただけると幸いです。

 今回私が武居さんの研究調査に同行しているのは、京都の市街に土地勘があるために効率的に回れるためです。また、私は学生時代から民俗学の現地調査をしており、こうした聞き取りには馴れていることもあります。その点では、武居さんの研究の現地調査のお手伝いはできたと思います。しかし、こうしてわかったことをつなぎ合わせるのは武居さんの問題なので、専門的なことはすべて後日ということになります。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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