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2014年5月 5日 (月)

早朝の地震の後、渋谷の温故学会へ

 今朝は、夜明け方に部屋が大きく揺れたので目覚めました。天井を見て、ここが東京の宿舎であることを確認してから、大急ぎで起きました。

 今日は午後から、渋谷の温故学会にある塙保己一史料館講堂で「塙保己一検校 生誕第268年記念大会」があり、そこでお話をすることになっています。

 一昨日、飛騨の地震で京都も揺れました。そのことがあったので、昨日の夕方には上京しました。いつ新幹線が止まってもいいように、今日に備えたことは幸いでした。

 皇居のある千代田区は、震度5弱とのことです。私がいる江東区は、千代田区に隣接する海側です。東京駅から東南3.5㎞という至近の距離にある宿舎は、震度4でした。幸い、揺れる時間が長かった割には、壁などからは何も落ちず、被害はなくて大丈夫でした。40インチの大型モニタがユッサユッサと揺れていたのが不気味でした。

 今日、京都から上京する予定の妻には、余震の様子を見てから新幹線に乗るように連絡しました

 地震騒動が一段落してから、本日の会場である温故学会のある渋谷へ出かけました。

 渋谷駅東口は、再開発のためにかつての面影はありません。


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 写真左下手前にあったバス停は、写真右端に仮設バス停として移動しています。
 駅前が狭くて迷路のようになっているので、歩いて行くことにしました。
 昨年まで國學院大學に非常勤講師として来ていたこともあり、渋谷は勝手知ったる街です。
 氷川神社の石段を上り、前方の渋谷の丘に聳える國學院大學の並びにある温故学会を目指します。


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 この氷川神社は、学生時代に同じクラスの女性が作って持って来てくれたお弁当を、よくこの石段に座って一緒に食べた場所です。それが今の妻なのですが、お昼休みになると、この神社の境内に来ていました。
 温故学会へ行く前に本殿にお参りをし、40年以上前のことに感謝してから、塙保己一検校の像の前に佇みました。

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 入口の門には、本日の案内があります。


塙保己一検校生誕
 第268年記念大会
 平成26年5月5日(こどもの日)
記念講演
 「英国ケンブリッジ大学と米国バージニア大学の『群書類従』」
       国文学研究資料館研究部
          教授 伊藤鉄也氏
記念講演
 「古賀政男 我が心の歌」
   ―メロディーで綴るその音楽人生―
       古賀政男音楽博物館
          学芸員 漆山賢明氏

 黒板にチョークで書かれているのが、この学会らしいいい雰囲気を醸し出しています。

 塙保己一が何をした人か? 『群書類従』とは何か? ということが、今の若い方々に伝わっていないようです。その意味からも、こうした機会が毎年継続的に開催されていることは慶事です。そうしたことを前提にして、次のような内容のお話をしました。


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一、『群書類従』が英国ケンブリッジ大学に収蔵された経緯
二、米国バージニア大学から『群書類従』のDBを公開
三、電子化された『群書類従』の利用環境
四、国文学研究資料館の平成の大事業は『(新)群書類従』

 本日のお話に使ったレジメは7頁ほどのものです。
 興味のある方もいらっしゃるかと思いますので、その【講演資料を自由にダウンロード】してご覧いただけるようにしました。通覧していただければ、このレジメだけでも本日お話ししたことの大凡は伝わるかと思います。

 ケンブリッジ大学図書館に収蔵されている『群書類従』に関する情報は、日本部部長の小山騰さんからご教示いただいた内容です。いつも、詳細な調査結果を教えてくださるので、本当に有り難く思っています。

 バージニア大学の『群書類従』のデータベースは、2003年から取り組んで公開しているものです。この『群書類従』のデータベース化は、いまだ完成していません。
 作成したデータの中の「人名」「地名」「書名」「和歌」「年号」「その他固有名詞」に、一定のマークアップを施す、ということは、一部の作品については終えています。しかし、それを公開するまでには至っていません。
 手元には、次の作品の入力済みデータがあります。

物語部
 三〇七 伊勢物語/三〇八 大和物語/三〇九 竹とりの翁物語/三一〇 住吉物語/三一一 秋の夜の長物語/鳥部山物語/松帆浦物語/児教訓/三一二 無名草子/三一三 拾遺百番歌合/百番歌合/源氏物語願文/三一四 伊勢源氏十二番女合/源氏人々の心くらへ/三一五 源氏物語奥入/三一六 原中最秘抄/三一七 弘安源氏論議/三一八 仙源抄/三一九 源語秘訣/源氏物語竟宴記
日記部
 三二〇 和泉式部日記/三二一 紫式部日記/三二二 讃岐典侍日記

 これを今後はどのように活かして、多くの方々に利用していただける環境を提供すればいいのか。まだ思案中の課題です。

 国文学研究資料館が本年度からスタートさせた平成の大事業である〈日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画〉は、いわば『(新)群書類従』とでも言うべき国家プロジェクトです。こうした流れの中で、日本の文化遺産である『群書類従』の位置づけを、明らかにしておく必要があります。

 以上のようなお話を1時間ほどしました。
 この内容は、来年度刊行の『温故叢誌』に掲載予定なので、その折にはまたお知らせします。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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