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2014年6月11日 (水)

京洛逍遥(321)古田織部400年遠忌追善茶会で大徳寺へ

 大徳寺で「古田織部400年遠忌追善茶会」がありました。

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今日11日が命日なのです。大徳寺に、千人もの人が集まりました。もちろん、9割5分が女性です。

 古田織部は、戦国時代から江戸時代にかけての武将であり茶人です。今日も、兜や矢が飾ってありました。
 織部は織田信長や豊臣秀吉らに仕え、千利休の高弟で「利休七哲」の一人。歪んだ茶碗などの茶器は「へうげもの」といわれ、最近は若者にも漫画などを通して人気があるようです。

 昨夜遅くに帰洛し、今朝早くから自転車で大徳寺に出かけました。
 お茶の先生とご一緒なので、お茶会といっても緊張することもなく気分は楽でした。
 お稽古になかなか行けないので、こうして機会を見てはお茶会に参加するように心がけています。

 芳春院、総見院、黄梅院と3つの塔頭で、それぞれに濃茶席と薄茶席がしつらえられていました。
 私は、今日庵文庫長である筒井紘一先生の芳春院でのお茶席に参加しました。

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 芳春院は、桜や紅葉を観に、折々に来るところです。しかし、お茶会で来るのは初めてです。

 過日、筒井先生に茶道資料館でお話を伺った折に、この追善茶会をなさることを聞き、初心者ながら私も参加することにしたのです。その時の経緯は、次のブログに記した通りです。

「京洛逍遥(316)京都における香道関係の調査に同行」(2014年04月25日)

 芳春院の待合の床には、近衛龍山筆の和歌懐紙が掛かっていました。


  龍伯老人の詠歌のあさからぬ
  御心はへに一首をかきつけけるとそ
ゆふたちの雲はれてたにはちすはの
  うへにすゝしき玉ゆらの露

 今日、筒井先生が主として濃茶席をもうけられたのは書院でした。


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 その本席の床は、石室善玖の墨蹟「七言詩」です。


海山夜月自團圓 風巻浮雲廓性天
却笑推窓多倦睡 青蛇出透髑髏前

 花入は明代の青銅の扁壺、香合は益田鈍翁旧蔵、水差と茶入は織部所持のもの、茶杓は津田宗及作と、名品による趣向が凝らされていました。
 お菓子は、末富の「卯の花キントン」で、口溶けのさっぱりとしたものでした。

 お茶席の様子は、京都新聞の写真を引用させていただきます。


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 1つだけハプニングを記しておきます。
 天目茶碗と共に濃茶が回ってきました。しかし、添えられていた古帛紗が離れ離れになってしまったようで、茶碗だけが私の前に来ました。自分の古帛紗を出して茶碗を載せて濃茶をいただき、次客には茶碗だけを送るということになりました。後で先生に確認したところ、古帛紗も一緒に付いてくるものなのに、とのことでした。何がどうなっていたのか、よく思い出せません。お茶席では、いろいろなことがあるようです。

 終わってから筒井先生のところへご挨拶に行き、刊行したばかりの『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」』をお渡ししました。問われるままに少し説明をしたところ、お返しとして先生から印香が10種30個入った「香遊」をいただきました。


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 薄茶席は、芳春院の中の高林庵。主は古田織部美術館館長の宮下玄覇氏でした。
 これまた、すばらしいお茶席です。宮下氏は40歳の若さと精力的な勉強の成果を遺憾なく発揮され、盛りだくさんの情報が行き来する場となっていました。とても紹介しきれませんので、ここでは省筆します。

 芳春院を出て点心が用意されている瑞雲軒へ向かう途中で、突然声を掛けられました。なんと、上記ブログでも紹介した山田松香木店の大番頭格の大杉直司さんでした。立ち話でしたが、楽しい出会いを共にしました。さらに、私が手にしていた袋をご覧になり、内の……と目が点に。筒井先生からいただいた印香は、なんと山田松香木店の品だったのです。こんなに広い境内で、しかも千人もの人が出入りする中で、大杉氏とは偶然とは言え嬉しい再会でした。来月にでも実践女子大学で三条西先生にお目にかかる予定なので、このことも楽しい話題となります。

 点心席の瑞雲軒では、「たん熊」の京料理をいただきました。先生と一緒に、上品な味付けを堪能しながら楽しい四方山話をする一時を持つことができました。数日来の慌ただしさの中で、ノドを中心に体調を少し崩していました。しかし、こうして時を忘れる中に身を置いて、しだいによくなってきました。私の体調は、こうした精神的なことが強く影響するようです。

 本日の追善茶会のお土産は、宮下氏のこの日に合わせたご著書『古田織部の世界』(2014.6.11、宮帯出版社)でした。


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 とにかく、今日はずっと先生に質問しながらのお茶席体験でした。おかげさまで、楽しく充実した一日となりました。

 先生とは大徳寺前のバス停でお別れし、私は反対方向の千本北大路を少し下った京都ライトハウスへと、自転車を漕いで坂道を上って行きました。(以下次回)
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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