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2014年8月 8日 (金)

松本清張全集復読(1)松本清張の家系の謎『白い系譜』(1)

 白根正寿著『白い系譜』(2段組252頁、備北新聞社、昭和51年3月)を読みました。
 この本を読まれた方が他にいらっしゃいましたら、ぜひとも連絡をいただきたいと願っています。

 非売品である本書の発掘は、鳥取県日野郡日南町の浅川三郎氏の精力的な探索があっての賜物です。


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 国立情報学研究所(NII)の「Webcat Plus」で調べると、本書について以下のことがわかりました。


人物名ヨミ シラネ マサヒサ
人物別名 白根正寿
生年 1907年
没年 1999年

本の一覧
タイトル 著作者等 出版元 刊行年月
白い系譜 白根正寿 著 立花書院 2000.4
山村の農業経営 白根正寿 著 富民社 1954
 
 
タイトル 白い系譜
著者 白根正寿 著
著者標目 白根, 正寿, 1907-1999
出版地 米子
出版社 立花書院
出版年 2000
大きさ、容量等 319p ; 19cm
価格 非売品

 白根氏には、『山村の農業経営』という著書もあるようです。

 今回、浅川氏が手配してくださった『白い系譜』を、幸運にも実際に手にして読むことができました。

 この本の奥付けは、次のようになっています。


昭和51年3月1日発行
著者 白根正寿
発行所 岡山県新見市 備北新聞社
発売元 新見市 市民会館内
    備北文学会

 発行日は「昭和51年(1976年)3月」です。
 上記「Webcat Plus」の書誌では、「平成12年(2000年)4月」でした。
 この24年の間隔は、何に起因するものなのでしょうか。
 また、発行所も発売元も「立花書院」と「備北新聞社(備北文学会)」と異なります。

 こうしたことは、今後の調査として保留にしておきます。
 なお、9月にさらなる調査のために現地を訪問する計画を立案中です。
 わかりしだいに、順次報告します。

 また、「東寺百合文書WEB」の中に、次の論文がありました。


白根正寿 “たまがき”について 『新見庄 生きている中世』備北民報社 1983 荘園史 新見荘(備中国)

 白根氏は学校の教員をなさっていたと仄聞しています。これは、その成果の一端なのでしょうか。

 「レファレンス協同データベース 9月1日」(情報の発信母体は不明)の中に、この白根氏の論文について更なる情報がみつかりました。
 これは、次のような説明の元に紹介されているものです。


たまかきの生涯について知りたい(岡山県立図書館)

 新見市は今年度から「新見庄愛の書状大賞」と銘打った手紙文コンテストを実施した。これは同市が地域活性化を企図して平成二年度から行っている「ロマンの里づくり事業」の一環で、新見庄の「たまかき」の書状にちなんで行われたイベントである。
 ここで、たまかきについて簡単に紹介しておこう。彼女は、京都の教王護国寺(東寺)領の新見庄の荘官で、惣追捕使の福本刑部丞盛吉の妹といわれるが、生没年に関しては不明である。東寺から派遣された直務代官として僧祐清が新見に着任したのが寛正三(1462)年のことである。たまかきは祐清の身辺の世話をする事になり、その時 心を通じ合ったと思われる。しかし、年貢の取り立てを厳しく行っていた祐清は、翌年七月に年貢未納の名主の一人を追放したことを機に、庄民によって斬殺される。葬儀の後、たまかきが東寺に向けて祐清の遺品を求めた手紙が「たまかき書状」で、中世農村女性の自筆書状として全国にも希有なものとされている。
 たまかきに関する直接的な史料は「東寺百合文書」(京都府立総合資料館蔵)の中のこの書状と、「祐清注進状」程度の限られたものである。ここでたまかき及び祐清殺害 に触れる郷土の文献を幾つか紹介すると、
(中略)
(4)『新見庄 生きている中世』(昭58・備北民報社)、(中略)(4)の中に収められている白根正寿氏の「”たまがき”について」という論文では、一枚の書状という限られた史料の中から、たまかきの亡き祐清に対する慕情等を推察も加えつつ執筆されている。(http://www.ai-21.net/news/pm/new_data719.html)

 白根氏は、収集した情報を想像力を逞しくして、可能な限り再構成するのが得意だったようです。これは、『白い系譜』の創作についても言えそうです。

 前置きが長くなりました。とにかく、松本清張が終生こだわった自分の不可思議な家系について、その実態と思われる秘話が、『白い系譜』では小説という形を借りて実話風に語られています。
 この『白い系譜』という作品は、さらに詳しく検討する価値の高いものだと思われます。ただし、そうした資料的なことは今は措き、次回はこの小説の内容を確認したいと思います。(つづく)
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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