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2014年10月16日 (木)

日比谷図書文化館でハーバード本を読む(1)

 今夜から日比谷図書文化館で、ハーバード大学本「蜻蛉」を読む翻字養成講座が始まりました。
 先々週に体験講座をし、それを受けて始まったものです。
 参加者の半数以上は、体験講座にお出でになっていた方々でした。

 最初なので、変体仮名の概略やハーバード大学本のことを確認してから、現在展示開催中の畠山記念館の葦手絵文字のことをお話ししました。
 ただし、その写真が入手できなかったので、徳川美術館にある諸道具に配された初音巻の意匠を見て、芸術化された文字を確認しました。平仮名が持つ多様性について、日常生活から離れた視点で確認しました。

 併せて、現行の平仮名書きで翻字をすることは、字母を無視して文字を置き換えていることを意識してほしい、ということを強調しました。

 「蜻蛉」巻の冒頭をみると、「かしこ尓者」と書写されていることがわかります。


141016_kasiko


 これは、「かしこには」と翻字することになります。しかし、それは本当は正しくないのです。「尓者」は、現在この字に対応するひらがながないので、仕方なく「仁波」を字母とする「には」に置き換えているにすぎないのです。このことを自覚してほしいと思っています。我々が学校教育と社会生活の中で教えられ、学び取ったた平仮名だけでは、日本の古典籍を正確には翻字できないのです。変体仮名を文字にするときに、妥協して現行の仮名文字の範囲で平仮名を充てざるをえないのです。

 「蜻蛉」巻の本文については、前回の体験講座で一通り見たので、今日はその周辺の話をしました。前回との繰り返しになる筆順や縦書きと横書きのことなど、基本的な情報を共有することを主眼にしました。

 本講座の初回ということもあり、雑談になりすぎたかもしれません。受講者のみなさま、次回からは本文に寄り添った内容に切り替えますので、今後とも気長にお付き合いのほどを、よろしくお願いいたします。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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