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2014年11月30日 (日)

第38回 国際日本文学研究集会の第2日目

 職場に隣接する国立国語研究所の周りは、紅葉がみごとです。自治大学側が特にきれいです。

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 国際日本文学研究集会の2日目のプログラムは、以下の通りです。


  総合司会 神作研一
【第3セッション】
  司会 深沢眞二
[7]『秋夜長物語』の絵巻と奈良絵本について
    ―東京大学文学部国文学研究室蔵の絵巻を中心に―
        金有珍(東京大学大学院博士課程)
[8]黄表紙の批判性の再考
    ―青砥藤綱像を使用する寛政年間の黄表紙の特徴をめぐって―
        CSENDOM Andrea(一橋大学大学院修士課程)
[9]鶴屋南北の合巻
        片龍雨(東京大学大学院博士課程単位取得退学)
[10]多和田葉子とヨーロッパ
        RIGAULT Tom(パリ第4大学博士課程、パリ第7大学博士課程、
               立命館大学客員協力研究員)
[11]「在満作家」牛島春子の女性文学
        鄧麗霞(立命館大学大学院博士課程)

 最初の金有珍さんは、写本を読むアルバイトとして、科研の仕事を手伝ってもらっています。日頃はあまり専門的な研究の話はしません。今回、手堅い手法で絵巻を調査していることを知り、頼もしく思いながら聞きました。しかも、わかりやすい発表でした。引用された絵図がカラーだったので、資料も見やすくて、言いたいことがストレートに伝わってきました。ただし、絵画の「引用」については、もっと丁寧な説明を聞きたいと思いました。

 この分野を専門にしておられる先生の話では、研究の基礎的な所を押さえようとしているので、その研究姿勢に好感が持て、今後の展開が楽しみだとおっしゃっていました。東京大学で指導をしておられる田村先生と廊下で会ったので、そんなコメントを聞いたことを伝えました。
 若いときには、古典籍の諸本をもとにして、しっかりと基礎研究をすべきです。後のノビシロが違ってきますから。

 その後のみなさんの発表は、私の興味と関心が異なる分野なので、コメントは控えておきます。

 午後は、「【シンポジウム】図像のなかの日本文学」がありました。
 登壇のみなさんは、以下の4人です。


 司会 板坂則子(専修大学教授)
 パネラー GERSTLE Andrew(SOASロンドン大学教授)
      楊暁捷(カルガリー大学教授)
      土佐尚子(京都大学教授)

 板坂先生とは、ロンドンとケンブリッジでご一緒しました。
 ガーストル先生とは、ロンドンの郊外にあるご自宅にまでお邪魔して、お話を伺ったことがあります。
 楊先生とは、ハーバード大学でご一緒しました。
 土佐先生には、今回初めてお目にかかりました。

 3人の先生方の基調講演の後、参会者とのディスカッションとなりました。

 ガーストル先生は、36年前に早稲田大学の学生として、この国際日本文学研究集会で研究発表をなさったそうです。この研究集会で発表をした方の多くが、今も海外で大活躍をなさっています。研究者の登竜門と言える国際集会となっています。

 先生のお話は、江戸時代中期のパロディーとしての春画を、会場の巨大スクリーンに写しての熱弁でした。国文学研究資料館では始まって以来ではないでしょうか。
 来週は、「男たちの性愛」という国際シンポジウムがあります。これまた、大胆で刺激的な図像や話題が展開しそうです。その予習をしているようで、興味深くうかがいました。


 春画・春本は、猥褻な本ではなくて反体制的な性格を持ち合わせていた。
 文章表現よりも、イメージのインパクト・効果がある場合もある。

等々、専門的で難しい話と、一転してきわどい画面が目と耳に飛び込んで来て、そのギャップがおもしろく展開しました。日ごろ見慣れない図像と単語に、会場はいつもと違う雰囲気でした。

 思い出すと際限がないので、この辺にしましょう。
 さまざまな情報や知見が得られた、充実した2日間でした。
 みなさま、お疲れさまでした。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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