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2014年12月 7日 (日)

江戸漫歩(93)六本木・東京タワー・芝公園へ紅葉狩り

 地下鉄六本木一丁目駅を出てすぐのところに「全特六本木ビル内郵便局」があります。


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 39年前の昭和50年の誕生日に、この場所にあった「全特会館」で結婚式をあげました。
 「全特」とは、「全国特定郵便局長」の略称です。
 新宿伊勢丹のブライダルコーナーで、私の誕生日に式が挙げられる所を相談したところ、ここを勧められました。
 私がまだ大学院に入ったばかりの、修士課程1年生の時です。
 お仲人は、学部生時代の指導教授であった小林茂美先生ご夫妻でした。

 主賓が、大学院での指導教授だった内野吾郎先生。
 内野先生は近世国学の研究者で、ドイツ帰りの先生からドイツ文献学のお話を聞いて、文献学に興味を持ちました。
 それまでが、折口信夫の民俗学的研究の末流にいて、唱導文芸の勉強をしていました。
 民俗学から文献学へと、結婚を境に一念発起の転身でした。
 以来、今に至るまでの40年間、文献を扱う仕事をしています。

 私があちこち歩き回るのは、民俗採訪の調査旅行をしていた頃の影響でしょうか。
 今日も、学生時代から一緒に調査旅行に出かけていた妻と、この会館に足を運びました。

 周りはすっかり変わっていました。この都心で40年も経つのですから当然です。
 会館の前から見えたはずの東京タワーは、今や高層ビル群に囲まれています。少し移動するとやっと見えました。


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 坂を下ると、すでに住む人のいなくなった家々が、肩を寄せ合うように建っていました。周囲とはまったく違う、昭和30年代から時間の流れが止まったかのような姿を見せる一角です。


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 後から聞くと、すでに区画整理の対処となっているところだそうです。
 その場所からも、東京タワーが望めました。


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 さらに進んで東京タワーの裏側に出ると、正面とはまた違うアングルで見上げることができました。


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 隣接する芝公園の紅葉も色付き出したところでした。


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 芝公園から東京タワーを見上げると、お馴染みのシルエットも季節感を纏った姿になります。


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 公園の中では、モデルさんを囲んでの撮影会が催されていました。
 女性を舐めるようにしてレンズを向けるカメラマンの姿態は、あまり見たくない人間の姿なので好きではありません。せっかくの紅葉見物が色褪せそうになったので、早々に公園を出ました。

 モダンな六本木という都心の一角で、想い出の地と共に、古いものが消え去る直前の光景を見たことになります。スライド写真から一部分が消え、そこに新しくビルやマンションが屹立する映像が、数年後には映し出されることになります。
 いい時に、この変わりゆく風景を目にしました。

 先日行った大森の山王一帯がそうであったように、かつて自分が体感した場所は、記憶を鮮やかに押し留めておくためにも、今の内に再訪すべきかもしれません。

 それを意識して、また時間を見つけて散策に出かけることにします。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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