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2015年2月13日 (金)

仮名文字に関する2つの研究会に参加

 今日は、2つの研究会が一部重複して同時進行でありました。共にメンバーとなっているので、慌ただしい参加となりました。

 まず、入口敦志先生が研究代表者としてスタートされたばかりの【表記の文化学 ―ひらがなとカタカナ―】です。これは、国家的規模で推進されている「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」(大規模学術フロンティア事業)における共同研究です。

 今日は今西祐一郎館長の挨拶と問題提起で、第一回目の研究会が始まりました。
 多彩なメンバーが集っています。私は、中古文学の領域からの参加です。
 時代も分野も異なる先生方のコラボレーションとなるので、今後の成果が楽しみです。
 私が来月から行く天理図書館の調査は、この研究の一環となるものです。

 別会場では、少し時間をずらして、今西館長科研の最終回となる研究会がありました。
 これは、私が5年間お世話をした科研の会です。今回が最後の研究会なので、私も現在進めている研究の一部を発表しました。

 今日の私の発表は、「次世代に引き継ぐ翻字資料作成に関する提言 ─変体仮名を混在させて表記すること─」と題するものです。
 今取り組んでいる〈変体仮名混合版〉による翻字について発表をしました。

 内容は、すでに本ブログで公開したことが中心です。
 今日は、最近整理した資料をもとにして、ハーバード大学本「須磨」と「蜻蛉」、そして国立歴史民俗博物館本「鈴虫」の3本が、同じ文化圏で書写された写本であることを報告しました。
 変体仮名の文字遣いを通してわかったことの一例として、特徴的な字母表記である「ものかたり」という文字がどのように表記されているか、ということをとりあげたものです。


150213_katari


 「可多り」「可多里」「可堂里」「か多り」と書写されている例の検討です。
 これは、変体仮名を混在させた翻字資料があるからこそ可能な研究となります。
 ここからも、三本に書写された文字の表記傾向が明確にうかがえます。
 〈変体仮名混合版〉による翻字は、次世代に引き渡す翻字資料として、今後とも有益なデータとなることでしょう。

 今日は統計学の手法を導入した若手の発表が2つもあり、活発なやりとりがなされました。
 仮名で書くか漢字で書くかというテーマは、まだまだ検討課題が山積しています。

 現在、研究報告書の第4号の編集が、プロジェクト研究員の阿部さんのもとで進んでいます。3月には出来上がりますので、しばらくお待ちください。
 昨秋カナダのブリティッシュ・コロンビア大学で実施した、国際研究集会の報告などが掲載されています。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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