« 天理図書館で池田本のナゾリと格闘 | メイン | 池田本に関する亀鑑のメモ書き紙片3種 »

2015年3月 4日 (水)

古都散策(37)雨の中で見た二月堂の修二会

 夕方から、あいにくの雨となりました。
 雨が次第に強まる中、東大寺二月堂のお水取りに行きました。
 3月1日から14日まで執り行われます。

 奈良県民だった20年間に、子どもたちを連れて何度も来ました。
 二月堂は節分の豆まきとこのお松明、春日大社には若宮の御祭り等々、子連れで順繰りに回ったものです。

 東大寺には、秘密の駐車スペースがありました。それを知っていたので、気楽に車を停めて散策がてらの見物をしていたのです。

 今夜は雨足が強かったので、お松明を見に来られた方は、肩をすぼめて傘の雫を避けながら、午後7時をじっと待っておられました。


150303_kasa



150303_nigatudo1


 やがて二月堂周辺の照明が落とされます。


150303_nigatudo2


 鐘の音が鳴り止むと、下から明々と火に包まれた大松明がノッシノッシと登ってきました。しばらく高欄で休んでから、火の粉を散らしながら横に移動しだします。


150303_nigatudo3


 大松明を振って火の粉を参拝客に振りかけるサービスをしていると、次の大松明が登ってきました。


150303_nigatudo4


 両側で火の演舞が始まると、その真下にいた私も、思わず声を上げました。
 荘厳さと勇壮さが、あたりの闇の中に溶け込んで行きます。
 10本お松明が明滅して左から右へと移動します。
 不思議と静かに進行していきます。
 不思議な火祭りです。


150303_nigatudo5


 井上靖の小説に、『青衣の人』があります。何度か読んだのに、すぐにその内容を忘れて、また読むことを繰り返している作品です。

「井上靖卒読(22)『青衣の人』」(2008/1/7)

 この二月堂に来ると、私は『青衣の人』の話はどんなだったのかな、といつも思います。不思議な作品です。

 奈良の一夜を、絶えたことのない伝統行事に身を置くのもいいものです。
 悠久の時の流れに思いを馳せて、しばし日頃ご無沙汰している方々のことを思い出していました。

 夜8時に、宿への帰路につきました。
 今日ばかりは東大寺の南大門も、目立たないようにひっそりとしていました。


150303_nandaimon



 
 
 

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

Powered by Six Apart
Member since 07/2008