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2015年4月 1日 (水)

速報・科研費「挑戦的萌芽研究」で内定通知をいただく

 新年度がスタートした今日、新規プロジェクトとして申請していた科学研究費補助金による私の研究テーマが採択された、という内定の連絡をいただきました。

 昨年の5月5日に、東京・渋谷の温故学会で「塙保己一検校生誕 第268年記念大会」が開催されました。その記念講演として、私は「英国ケンブリッジ大学と米国バージニア大学の『群書類従』」と題するお話をしました。

「早朝の地震の後、渋谷の温故学会へ」(2014年05月05日)

 その時の懇親会で、目の不自由な方々と一緒に『源氏物語』の写本が読めないか、というかねてよりの問題意識を話題にして以来、その課題解決に取り組んで来ました。

 昨秋、私とは専門を異にする先生方のご理解とご協力を得て、日本学術振興会に「挑戦的萌芽研究」の分野で新たな科研費研究を申請しました。それが、本日、幸運にも内定通知をいただくことになったのです。

 現在私は、科研費研究としては、「基盤研究(A)︰海外における源氏物語研究及び各国語翻訳と日本文化理解の変容に関する調査研究」(課題番号:25244012、平成25年度〜28年度)に取り組んでいます。
 今回採択された「挑戦的萌芽研究」も平成28年度までの2年間なので、この2つの科研費研究は私が定年となる2年後に、共に終了となります。
 その意味では、これが私にとっては最後の公的資金を導入した研究となります。
 「基盤研究(A)」の方は着実に成果をネットに公開しているところなので、共に稔りある研究となるように努力したいと思います。

 今回新規に採択された課題遂行上の条件など、詳細な情報は追って通知が来るそうです。
 早速、以下のテーマとメンバーで、このプロジェクトの計画を推進する準備にとりかかります。


研究種目:「挑戦的萌芽研究」(平成27年〜28年)
分野:社会科学
分科︰教育学
細目︰特別支援教育
細目表キーワード︰視覚障害・聴覚障害・言語障害
細目表以外のキーワード︰古写本・仮名文字
研究課題名:「視覚障害者と共に古写本の仮名文字を読み日本古典文化を共有するための挑戦的調査研究」
課題番号︰15K13257
研究経費:4,896,000円(2年間、申請額)
研究組織:伊藤鉄也(研究代表者)・広瀬浩二郎(連携研究者)・大内進(連携研究者)・中野真樹(連携研究者)・高村明良(研究協力者)・岸博実(研究協力者)・間城美砂(研究協力者)・淺川槙子(研究協力者)

 
 なお、この新規プロジェクトの申請書には、次のように「研究目的」を記しました。


 現在、視覚障害者(以下、触常者という)の読書活動は受動的である。近年、パソコンの活用により、触常者の読書スタイルが多様化し豊かになった。しかし、点字と音声だけでは、先人が残した文化遺産の受容に限界があり、温故知新の知的刺激を実感し実践することが困難である。そこで、日本の古典文化を体感できる古写本『源氏物語』を素材として、仮名で書かれた紙面を触常者が能動的に読み取れる方策を実践的に調査研究し、実現することを目指すこととした。墨字の中でも平仮名(変体仮名)を媒介として、触常者と視覚に障害がない者(以下、見常者という)とがコミュニケーションをはかる意義を再認識する。触常者と見常者が交流と実践を試行しながら、新たな理念と現実的な方策の獲得に本課題では挑戦するものである。

 解決すべき課題が山積しており、容易に実現しないと思われる研究テーマです。しかし、刺激的な異分野の仲間と共に、失敗をおそれず挑戦的にテーマへの体当たりを敢行したいと思います。

 今後とも、さまざまな視点からのご教示を、よろしくお願いいたします。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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