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2015年7月13日 (月)

古都散策(40)薬師寺の追善法要茶会で見た娘のお点前

 奈良大和路の西ノ京にある薬師寺で、裏千家淡交会奈良支部が主催する物故者追善法要が開催されました。これは、昨年亡くなられた淡交会の会員の法要を営むものです。

 近鉄特急で京都駅から乗り換えることなく近鉄西ノ京駅に行けます。
 西ノ京駅から東に少し歩くと、すぐに薬師寺の横手の門から境内に入れます。
 塀の崩れ加減といい、木の門といい、少し寂れた雰囲気を漂わせています。


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 しかし、境内に入ると、気持ちのいいほどの解放感に浸れます。

 慈恩殿で、物故者の追善法要が営まれました。
 その右の突き当たりに、本日のお茶席となっているまほろば会館があります。


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 私がこの日、足を延ばして薬師寺まで来たのは、このまほろば会館でのお茶会に出席するためです。この扁額は故高田好胤管主の筆になるものです。


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 待ち合いの正面には、本日のお茶会の会記が掲示されていました。


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 席主が森田宗輝となっています。この森田先生が、私がお茶のお稽古でお世話になっている先生です。
 なかなかお稽古に行かれないので、私は手間のかかる弟子となっています。

 今日は、奈良支部の理事である森田先生が、このお茶会を取り仕切っておられるのです。
 そして、日頃私が一緒にお稽古をしているお弟子さんたちが、みなさんお手伝いとして、お茶を点て、お菓子やお茶を運んだりと、慌ただしく立ち働いておられます。
 まだまだ初心者の私は、お客さんとしてお相伴させていただきました。

 私と妻が入った席では、娘がお茶を点ててくれました。
 大勢のお客様が居並んでおられる中で、娘のお点前を見ました。失敗しないかと、はらはらどきどきです。
 そんな親の心配はよそに、娘はなかなか立派に大役を果たしていました。

 薄緑の着物がよく似合っていました。これは、私の姉が見立てた着物です。まさに、家族親族総出で送り出したようなものです。その着物に着負けすることなく、みやびな立ち居振る舞いを見せてくれました。
 娘のすぐ横におられた席主の森田先生から見ると、いろいろとヘマをしていたことでしょう。しかし、何事も堂々と振る舞うに限るようです。贔屓目に見ても、会席者の視線を釘付け(?)にしていました。親の欲目ですが。

 後で先生の所へお祝いの挨拶に行きました。最後の席が終わったことでもあり、ほっとしておられました。今日一日で400名ものお客様がいらっしゃったそうです。
 もっとも、しばらくお稽古に行っていない私には、時間を見てお稽古にいらっしゃい、としっかりと釘を刺されてしまいました。

 無事にお茶会も終わったので、薬師寺の玄奘三蔵院伽藍にある大唐西域壁画殿で平山郁夫さんの絵を見ようと思いました。これまでにも、何度も見ています。しかし、昨日はあいにく公開されていなかったので、南に一本道を隔てた、白鳳伽藍の方を散策しました。

 奈良に住んでいた時から、子供たちと、そしてお客さんが来るたびにここを訪れました。
 生まれたばかりの長女の世話をしに、妻の実家からおいでになっていた義母は、日本の古代史が大好きでした。そのこともあり、奈良の各地を連日車で案内しました。
 ちょうど当時は高田好胤管主で、父母恩重経を義母と一緒に聞いたときのことは今でも忘れられません。

 この前来たのは、ちょうど2年前だったことを思い出しました。

「奈良西の京を中国からの留学生と歩く」(2013年06月30日)

 東僧坊の前に咲き広がる蓮越しに大講堂を望みました。左上の鮪を戴く金堂の向こうに、西塔の相輪がかすかに見えています。

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 西塔は、昭和56年に復興されたものです。しかし、その優美な姿は白鳳の様式を今に伝える印象的なものとなっています。この裳階を付けた三重塔は、一度見ると忘れられません。

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 この塔の横には、歌碑が二基あります。
 その向かって左側は、佐佐木信綱の歌を刻んでいます。


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      信綱
遊く秋農
 や万との
    国能
 薬師寺
   の
塔△
 うへ△△
一ひら濃雲

 戸外で風雨に晒されてきたために、ところどころ読めなくなっています。

 この歌碑を読みながら振り向くと、金堂の右側にある東塔は今も解体修理の工事中でした。


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 頭を左に振ると、金堂とその左に大講堂が迫ります。
 この大講堂には、天平時代の仏足石と仏足跡歌碑があります。


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 この薬師寺は、いつ来ても気持ちが晴れやかになります。
 唐招提寺にまで回る余裕がなかったので、西ノ京駅に戻りました。

 ちょうど入線してきた急行に乗って、京都駅まで出ました。


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 新幹線に乗る直前に、祇園祭をデザインした缶ビールを見かけたので、お土産にいただきました。


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 今年は何かと忙しくて、祇園祭は見られそうにありません。
 こうした小物で、参加した気分になっておきます。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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