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2015年9月18日 (金)

江戸漫歩(111)赤坂で打ち合わせと会議

 昨日から2日続きで、国会周辺を地下鉄で移動しています。


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 今日は、上掲地図の左下にあるオレンジ色の矢印で示す赤坂駅が起点となりました。
 私は初めてこの赤坂駅に降り立ちました。
 この駅の上にある国際新赤坂ビル東館13階にある「TKP赤坂駅カンファレンスセンター」で、総合研究大学院大学文化科学研究科の教授会があるのです。


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 これには、同じ研究科に所属する国立民族学博物館の広瀬浩二郎さんも出席なので、会議の前に食事をしながら、今後の予定を中心とした打ち合わせをすることにしました。

 ちょうど目の前に「赤坂サカス」や「赤坂 Biz タワー」があります。歩き回らなくてもいいように、「赤坂 Biz タワー」の地下1階にある「げんまい食道」で食事をしながら話をしました。

 広瀬さんと一緒に歩くときには、この頼りない身体であっても、肘を貸すことで全盲の広瀬さんをエスコートできます。棒切れのような私でも、お役にたつことがあるのです。
 椅子に座って話をしていると、相手が目の見えないことをすっかり忘れて、つい話に夢中になります。

 食後は、教授会の会場となっている、道を隔てた国際新赤坂ビル東館に移動して、その地下にあるスターバックスで話しました。

 広瀬さんと話をしていると、いつも多くのひらめきをもらえます。
 今日も、意外な発見がありました。
 変体仮名の話をしていた時でした。
 「あ(安)」の他の変体仮名として「阿」があり、それが阿倍野や阿佐ヶ谷の「阿」であることは共通理解として共有できました。ところが、私の名前の「伊」も変体仮名の1つだというと、漢字としての「伊」がはっきりしない、とのことです。「藤」ははっきりと認識できるそうです。

 これは意外でした。
 中学1年で失明したので、それ以来生活に関連しない漢字はどんどん忘れていく、というよりも、字形がぼやけていくそうなのです。
 パソコンや携帯電話で文字の読み書きをするようになってからは、特に漢字の形が曖昧になっているということでした。

 「伊」も、人偏だったことはわかるが、旁はどんな字だったかあやふやだ、というのです。
 正直言って、これは衝撃でした。私の名前をメールなどに書き、口にしていても、彼の頭の中にある私の名前は、漢字ではなくてひらがなか単なる音だったのです。

 しかし、そこからまたヒントをもらいました。
 今、目が不自由な方と一緒に古写本を臨書することを考えています。
 左手で立体コピーの変体仮名を触読しながら、右手では指にはめた筆具で紙に書写するのです。

 これは、写本に書かれた変体仮名を学習する一環として取り組もうと思っていることです。しかし、今日の広瀬さんの話から、この筆写は筆文字を体得するためばかりではなくて、忘れゆく文字を思い出し、字形を再確認することにもつながるのです。また、先天盲の方には、まったくしらなかった新たな文字のスタイルを、これを機会として覚えることになるのです。

 私の名前の漢字に端を発した話は、忌憚なく何でも話ができる間だからこそ、こうしたヒントがもらえたのです。
 このことは、さらに考えてみることにします。

 無事に教授会が終わってからは、東京メトロ千代田線の赤坂駅から1駅隣りの国会議事堂前駅で丸の内線に乗り換えます。
 駅の路線案内図を見ると、地下鉄の乗り換えの複雑さがよくわかります。


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 東京駅に出てから新幹線で京都に帰りました。
 東京駅から新幹線に乗ろうとして地下鉄で行くと、どの線も歩く距離が長くて不便です。
 東京の交通機関は迷路です。
 しかも、地下深く網の目のように張り巡らされているので、水害のことを考えると身震いがします。

 南米チリの沖合での地震の影響で、今日は日本にも津波が来ているようです。
 自然災害が頻発する昨今、東京の地中を移動する日々に身を置くのも気が抜けません。
 あと1年半は、慌ただしい中でのこんなハラハラドキドキの生活が続きます。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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