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2015年11月 7日 (土)

京都ライトハウスでの点字百人一首体験会に参加

 ワックジャパンで源氏を読む会では、先月は『源氏物語』の舞台である内裏を散策しました。
 今日は、京都ライトハウスで開催された点字百人一首の体験をしてきました。
 次回は、12月5日(土)に宇治で開催される「視覚障害者文化を育てる会」の『源氏物語』に関するイベントに参加します。

 しばらくは、座学を離れて身体で『源氏物語』を感じる勉強会を続けます。

 さて、京都ライトハウスでは、毎年、日本の点字制定記念日である11月1日前後に「点字普及イベント」を開催しておられます。
 今日は、滋賀県立盲学校教員のロイ・ビッショジト先生の講演と、点字付き百人一首の体験会が、4階あけぼのホールで開催されました。

 プログラムは以下の通りです。


13:10〜14:40 講演「点字で切り開く私の人生〜言葉と文字の壁を越えて」
    講師:ロイ・ビッショジト先生(滋賀県立盲学校教員、日本点字委員会委員)
15:00〜16:20 点字付き百人一首体験会
    講師:点字付き百人一首〜百星の会
    協力:京都小倉かるた会

 本日の司会進行役は、京都ライトハウスの野々村好三さんでした。
 メモがテーブルに置けなかったこともあり、お腹に当てた点字資料を巧みに触読しながらの進行です。


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 野々村さんは、目の見えない方と一緒に古写本『源氏物語』が読めないか、ということを私が具体的な問題として最初に相談した方です。
 去年の初夏のことであり、「京洛逍遥(322)京都ライトハウスにて」(2014年06月12日)で詳しく記した通りです。

 その後、「京洛逍遥(375)嵯峨野で「点字付百人一首」を楽しんだ後は時雨殿へ」(2015年08月31日)で再会し、
2週間前にも、「京都ライトハウスで体験三昧」(2015年10月25日)でお会いしました。
 ご縁と親しみのある、『源氏物語』の触読研究についてのよき理解者でもあります。

 ロイ先生のお話は、非常に具体的でわかりやすい内容でした。
 その内容は、以下の通りです。

  1 私の母国バングラデシュの紹介
  2 バングラデシュの社会状況
  3 バングラデシュの視覚障害者
  4 私自身が辿ってきた路
  5 日本に来たきっかけ
  6 日本に来て
  7 点字に対する思い

 流暢な日本語で、ユーモアを交じえて語ってくださいました。
 インドの方々がそうであるように、どうやら日本語の習得や発音は問題が少ないようです。
 さらに、日本語の点字は、英語やベンガル語の点字に比べて、非常にうまくできていて、覚えるのに易しかったのだそうです。音の組み合わせがよく考えられているとのことでした。

 バングラデシュは日本の半分の面積にもかかわらず、人口は日本よりも多い1億6千万人だそうです。それだけに、教育の普及が遅れていることへの対処が大変です。
 また、視覚障害者の数は、日本が35万人であるのに対して、バングラデシュでは100万人と3倍です。

 日本に来て、日本文化の壁としては、日本語という言葉以上に、箸を使うことがもっとも難しいものだったそうです。
 また、現在は、日本語で考え、日本語で夢を見るのだとか。
 こうした楽しい話を織り交ぜながら、1時間があっという間に経っていました。

 質問時間の最後に、私は「日本のマンガ文化」についての感想をお尋ねしました。
 ロイ先生は、読む機会がないので申し訳ないが……とのことでした。
 このマンガとアニメ文化については、目の見えない方々にも体験してもらえる方策を検討しているところです。

 後半は、『点字百人一首』の体験です。
 今日は、ワックジャパンで源氏を読む会の仲間と一緒に参加していたので、その中から若者2人がカルタ取りにチャレンジしました。
 2人とも、大学で平安文学を専攻しているので、カルタを取るのは問題ありません。
 それよりも、点字付きのカルタを使ってのゲームが初めてだったので、貴重な体験となったようです。


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 今、変体仮名で書かれた百人一首を作成中です。
 それを立体コピーにして、そのゲーム化を考えた時に、今回の体験は大いに生きるはずです。

 今回は、初心者用の体験だったので、対戦式のルールとは違うようです。
 一応、今日のルールの一部をメモとして残しておきます。


・審判 正しさと速さを判定
・取った札は枠の外に出す
・札の場所を移動してもよい
・三枚残った時点で終了

 続いて、お馴染みの「坊主めくり」を、点字カルタでやりました。
 これには、私も参加し、2回目には11枚も取り、大勝ちしました。
 私がゲームに勝つのは、めったにないことです。


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 このルールのメモも残しておきます。


・姫 もう一枚
・男 そのまま
・坊主 すべて出す
・座布団の男は姫と同じで二枚ひく
・座布団の姫は場に捨ててある札すべてをもらう

 いろいろな機会を好機として、目の見えない方々のイベントに参加しています。
 少しでも多くの体験を通して、古写本『源氏物語』の触読研究をさらに発展させていきたいと思っています。
 今後とも、さまざまな情報をお寄せいただけると幸いです。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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