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2015年12月13日 (日)

読書雑記(149)水上勉「越後つついし親不知」「桑の子」

 この短編小説2編は、『越後つついし親不知・はなれ瞽女おりん』(新潮文庫、平成16年9月2刷)に収載されているもので読みました。


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■「越後つついし親不知」
 昭和12年、越後から伏見へ出稼ぎに行っていた杜氏の話です。
 瀬神留吉は、働き者で器量よしのおしんを嫁に迎えていました。
 杜氏仲間だった佐分権助は、母が危篤との報で一人雪の中を越後に帰ります。その途次、悪夢の出来事が起こります。
 この話はどうなっていくのだろうと、その後の展開を自分なりに考えてから、また読み出しました。
 その結果は、私の予想とはまったく違うものでした。作者には、もっと語ってほしいと思いました。特に、おしんの気持ちを。【3】

『西陣の蝶』(昭和38年5月、中央公論社)に収録

【映画】
製作:1964年
配給:東映
監督:今井正
[キャスト]
佐分権助:三國連太郎
瀬神留吉:小沢昭一
おしん:佐久間良子
九谷育三:田中春男
佐藤:佐藤慶
伊助:殿山泰司
山田:杉義一
おさと:清川虹子
おいし:北城真記子
留吉の母:北林谷栄
伊助の母:五月藤江
おしんの母:木村俊恵
坊ちゃん:石橋蓮司
飯屋の親爺:中村是好
客の遠藤:東野英治郎
古谷きよ:高橋とよ
大地主の旦那様:松村達雄
大地主の奥様:沢村貞子
沖中専造:松本染升
近迎えの花婿:明石潮
卵買いのおばさん:山本緑
中書島の女:谷本小夜子、相生千恵子 
 
 
■「桑の子」
 毎年2月に行われた、若狭国大飯郡の「釈迦釈迦」という奇妙な行事の話です。
 明治30年代のことです。
 そこで、「桑の子」という異形の子のことが記されています。
 日本の寒村における習俗を語り伝えるものとして、興味深い貴重な話と言えます。
 物事を肯定的に見る、日本の伝統文化の一面が垣間見えます。【3】
 
初出誌:『小説中央公論』昭和38年12月号
『有明物語』(昭和40年9月、中央公論社)に収録
 
  
[付記]
 「桑の子」の話は、上記「越後つついし親不知」が映画化され、その後に人形劇、現代劇、独り芝居となる際に、作者は乱暴者の権助を「桑っ子」として設定します。その意味でも、この2作は通底する物語の要素を持っています。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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