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2015年12月14日 (月)

読書雑記(150)水上勉「有明物語」「三条木屋町通り」

 この短編小説2編は、『越後つついし親不知・はなれ瞽女おりん』(新潮文庫、平成16年9月2刷)に収載されているもので読みました。


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■「有明物語」
 奥信濃の紬織りの家に生まれ育ったみんの話です。
 昭和10年代のことです。
 みんの母の物語には、感情移入してしまいます。
 また、みんのその後の美しくも哀れな話は、読み進む内に心が清らかになっていきます。
 水上文学の精髄が注ぎ込まれた作品です。【4】

『有明物語』(昭和40年9月、中央公論社)に収録

■「三条木屋町通り」
 三条木屋町を舞台にした、男と女の愛憎劇です。
 水上らしい、風景と情愛が渾然一体となった作風とは違います。
 さらっとした、明るさのある仕上がりです。
 それがかえって、三条界隈の雰囲気を伝えてくれます。
 使用人の雛子の父が現れてから、物語は急に生き生きとして、厚みが増します。
 意外な展開となっても、淡々とかたられていくのが、水上の特徴だといえるでしょう。【4】

『三条木屋町通り』(昭和39年7月、中央公論社)に収録

 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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