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2015年12月 6日 (日)

体験型学習会で点字付百人一首のお手伝い

 東京の護国寺にある筑波大学附属視覚特別支援学校で、「科学へジャンプ! イン東京 2015」というイベントがありました。

 このことは、先月下旬に「五感を使って江戸時代の百人一首カルタにチャレンジ」(2015年11月23日)でお知らせした通りです。

 昨日は、宇治で〈運読〉のワークショップのお手伝いをした後も、参加されたみなさまと情報交換を夜遅くまでやったために、今朝は早い新幹線で上京することになりましました。

 地下鉄烏丸線の駅へ急ぐ道々、北大路橋から賀茂川を見下ろすと、水が冷たくなったこともなんのそのと、鷺とユリカモメが遊び出したところでした。


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 川の東側では、土砂が堆積した中洲の整備が始まっています。
 写真中央奥には、京都五山の送り火でメインとなる、如意ヶ岳の大文字が寒そうに姿を見せています。


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 東京駅から1駅もどって有楽町駅に出て、そこから東京メトロ有楽町線で護国寺駅まで行きました。

 駅から筑波大学附属視覚特別支援学校への道は、目が見えないと大変だろうと、来るたびに思います。複雑な交差点の信号と横断歩道を渡りきっても、次は急な石段が待っているのですから。
 平らな道は大幅に遠回りになるので、みんなこの階段を使うのです。


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 校門に着くと、いつもほっとします。


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 今日の「「科学へジャンプ! イン東京 2015」は、36種類ものワークショップが各教室で進行していきます。ワークショップの担当者の他にも、補助者やボランティア学生などなど、多くの方々の支援でイベントが成り立っています。

 私は午後の部で、「点字の付いた百人一首を使って、楽しみながら、古典の世界に親しもう」というイベントのお手伝いとして、『百人一首』のお話をするのが任務です。

 埼玉県立特別支援学校塙保己一学園の先生を中心として、百星の会のみなさま、長野県立松本盲学校の先生、それに加えて筑波大学と明治学院大学の学生スタッフのみなさに助けられながら、無事に『百人一首』のカルタ取りを楽しむことができました。

 今日の内容は、「坊主めくり用カルタ」「近衛家旧蔵『百人一首』の立体コピー」「お内裏さまとお雛さまの人形」「マネキンの頭部」「塙保己一座像」「匂い袋」「源氏絵付き貝合わせセット」「点字付百人一首」などなど、多彩な小道具による演出で、中学1年生の参加者に『百人一首』の世界を多角的・立体的に味わってもらえたと思います。
 先日、東京駅で打ち合わせたことを踏まえて、無事に予定通り進行しました。

 私が選んだ10首とその現代語訳と簡単な説明は、百星の会の関場さん親子の不眠不休のおかげで、無事に点訳されてこの日に間に合い、生徒さんの手元に置いて進めることができました。

 撰歌、訳文、説明を中学生向けにわかりやすい文章にするにあたっては、生徒指導の経験が豊富な妻の力を借りました。この日のためのスペシャルバージョンです。

 ちょうど先週から私のメールが不調だったこともあり、この点訳資料の作成には、関場さんに本当にご苦労をおかけしてしまいました。ありがとうございました。

 そうした結晶としての点訳資料を、私の説明を聞きながら指を走らせて触読してくれている生徒さんの姿には、感動を超えるものがありました。
 今日の点訳を持ち帰って読むことで、さらに『百人一首』が好きになってもらえたら幸いです。

 台盤にセットして臨んだ「点字付百人一首」のカルタ取りも、回を重ねる毎にスピードがアップして、熱気が伝わるようになりました。読み手として奮闘された廣田先生も、子どもたちへの当意即妙の対応が小気味よくなされていったせいもあって、あっという間に時間が来てしまいました。

 生徒さんには、過日書道家の先生が書いてくださった『百人一首』をもとにして作成した立体コピー版カルタを、参加記念として1枚ずつ差し上げました。

 終わってから、参観しておられた方々が、持参した近衛家旧蔵『百人一首』の複製を時間をかけて興味深く触っておられました。
 確かに、こうした美術品クラスの道具は、なかなか直に手に取って見ることは叶わないものです。
 いい機会に触ってもらえて、有意義な時間をみなさまと共有できました。
 私にとっても、貴重な勉強をさせていただいたことは、みなさまにあらためてお礼もうしあげます。

 なお、本イベントの実行委員長をなさっている入試点訳事業部の高村良明先生は、私の科研「古写本『源氏物語』の触読研究」でもさまざまな視点からご教示をいただいています。
 本日ご挨拶すべきところを、運営責任者として奔走なさっていたので、そのまま失礼しました。
 またの機会にお声掛けいたしますので、今日のところはこのブログで簡単な報告にかえさせていただきます。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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