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2016年2月19日 (金)

デリーから夜行寝台列車で雨のアラハバードへ

 しばらくデリーを離れます。
 ちょうど宿を出ようとしていたら、WBC(World BudhistCentre)の玄関前を結婚式の行列が通り掛かりました。白馬に跨がった王子様は、いつみても恰好良い晴れ姿です。お披露目の市街パレードです。


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 鉄道のデリー駅に着くと、夜空に月が顔を覗かせていました。
 これから行くアラハバードでの幸運を、デリーの月が予祝してくれているようです。


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 寝台列車の中は、思ったよりも広くて安心しました。
 たくさんのランクがある中で、良い方のA2という車輌です。
 テレビで見た、ギュウギュウ詰めのイメージが強すぎたので、もっと狭苦しい車内を想像していました。
 村上さんが一緒であることも、気持ちに余裕を与えてくれます。
 寝台列車の寝心地も、問題はありませんでした。
 東京から京都への夜行バスに慣れている私にとって、寝台は楽です。

 快調に列車は走り、アラハバード駅には30分遅れの朝7時に着きました。インドにしては驚異的に正確な時刻に到着です。

 駅前からタクシーでホテルに入りました。
 2階建ての、小ぢんまりとしたいいホテルです。


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 街中の近代的なホテルは、私の好みではありません。
 ヨーロッパの、B&Bのスタイルがいいのです。
 村上さんが下見をしてれていたので、なおさら安心です。
 インターネットは、Wi-Fi がすぐにつながりました。
 ただし、速度はそうとう遅いようです。
 早速、メールのチェックと職場の担当部署への連絡をしました。

 予定したスケジュールは午後からとし、まずはホテルの周辺を散策しました。
 ヒンズー教の聖なる牛が、国際都市を目指すデリーからは郊外に追い出されて久しくなります。
 しかし、このアラハバードでは、街のそこここに牛がいます。
 かつてのデリーを思い出す、懐かしい風景となっています。

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 のどかな中にも、活気を感じさせる地方の街です。

 午後はあいにくの雨でした。
 しかし、傘をさす人はほとんどいません。
 インドにおいて、2回目の雨です。2002年1月に初めてインドに来た翌日、デリー大学に行った時に急に雨が降ってきました。少しいいスーツを着て行ったのに、木々から砂ぼこりが雨と一緒に落ちてきて、その服が黄色のシミだらけになりました。早速クリーニングに出したことを思い出しました。

 雨の中での移動などを考えて、予定は大幅に変更することになりました。
 旅先での無理はしないことです。
 現地に入ると、いろいろと変わります。特に短い期間の滞在では、融通無碍の対応が求められます。日本人の厳格厳密さが邪魔をすることはしばしばです。世の中や物事は何でも「あり」で、そんなことも「あるさ」、という気持ちと姿勢が問われます。どうやら、私はこの精神が、インドへ往き来する内に叩き込まれたようです。どのようにでも対処できるようになりました。

 少し休憩して、これまでのことを整理し、またいろいろなところへ連絡をしました。

 停電が頻発します。ネットが不安定です。ホテルの中で工事をしているようで、壁越しに槌音が響き渡ります。いつもよりも余計な神経と手間をかけながらも、どうにかいくつかの仕事をこなしました。いくつかは職場へメールに添付して送り、いくつかは仲間にこれまたメールで送りました。

 旅先でもやるべきことがたくさんあります。というよりも、やることが多すぎて、優先順位が狂いっぱなしです。私からの連絡をお待ちの方には、本当に申し訳ないことです。

 小雨を避けながら、アラハバードの中心街を散策していた時のことです。シビルラインズという通りで、村上さんが「インディラ・ババン」という電気屋さん街を見つけてくれました。大阪の日本橋、東京の秋葉原とはいかないまでも、たくさんの電気や電子機器のパーツ屋が集まっているビルです。かつてあった、大阪の五階百貨店、秋葉原の電気会館にあたります。


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 ただし、並んでいる品物は、ほとんどが携帯電話に関するものです。パソコンなどはほんの少しです。
 時代の流れなのでしょう。もちろん、アップルのマッキントッシュなどは見かけません。

 外に携帯などの修理屋さんが雑多に密集しているところで、昨日来調子の悪いインド携帯を修理してくれるところを探してもらえました。クマール君が不要になった携帯電話を借してくれたので、それを持ってインドを移動しています。その携帯の電源が入らなくなり、困っていたのです。

 狭いお店のお兄ちゃんが、テスターやハンダごてを器用に使って、ものの10分もしないうちに、元通り使えるようにしてくれました。正式に修理に出したら何日もかかるところを、目の前でさっさとやってのけるのです。まさに、秋葉原や日本橋の路地裏の修理屋さんです。


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 最近は、面倒な修理はせずに、製品を交換することで解決するという、安直なサービスに変質しています。私の iPhone も、今使っているのは不良品を渡されることが度重なり、機種交換を繰り返した3台目です。調子が悪くなってもアップルの対面修理では中を開けて見るわけではなく、本体を交換して終わりです。
 手で直す、という発想が忘れ去られた現代において、この修理するということの復権は大事です。製品が高度な精密部品の組み立てとなり、修理も容易ではないためにそっくり入れ替える、という対処がなされています。しかし、そうではない、手で直すという道も残しておくべきです。そこに、人の出番が出てきます。それができる人は、どこにでもいるのです。そして、仕事が発生します。
 そんなたわいもないことを思いながら、この電気屋さん街を歩きました。
 「インドで、また考えました。」

 とある店先に、布切れがワゴンに積まれていました。


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 布地屋さんで切り落とされた端切れです。
 布地を大量に集めては、好きなものを手作りしている妻のために、ここから何点かいただきました。
 インド綿を中心にして、シルクと混ぜて織ったものも2点ほどあります。


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 私の我がまま勝手なリクエストにもかかわらず、わけがわからないままに走ってくれたオートリキシャは、こんな雄姿です。このリキシャのエンジン音は、まさに緩急自在の音を響かせるドラムのようでした。ヒンディ音楽顔負けの音を撒き散らすリキシャと、独特の風貌のおじさんに、ここで感謝の意を伝えます。ありがとう。


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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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