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2016年2月 8日 (月)

点字による変体仮名版の翻字は可能か(8/from 関口)

 1月21日から2月2日までの7回にわたるやりとりを拝読しました。
 点字に関しては初心者ながら、点字によって変体仮名を翻字することは可能なのでは、と感じました。

 変体仮名、つまり漢字を、点字によってどのように再現するかという問題は、1月28日の記事で、渡邊先生が、翻字データをご自身で点訳し、変体仮名のメモを作って実際に活用されている事例が参考になります。

 例えば、単純ですが、変体仮名の情報を、翻字本文のなかに丸括弧でくくるなどして直接組み入れる方法を考えてみました。写本の「なつ古ろ」でしたら、「なつこ(こぶんのこ)ろ」のようになります。あるいは、欄外に注のような形で、「なつころ」の「こ」は「こぶんのこ」である、という情報を添える方法も考えられます。

 現実的かどうかはわかりませんが、翻字本文は易しく読みやすいほうがよいと思いました。

 変体仮名に対応する点字を新たに作ることも一案かと思います。
 しかし、翻字本文が複雑になりますし、研究開発のコストが必要になることなどもこれまでのやりとりのなかで挙がっています。
 まずは、点字の古文を読むのと変わらずに、気軽に翻字本文を読むことができるように工夫をこらすほうがよいのではと思いました。

 しかし、「こ」は「こぶんのこ」という情報も、「古」という漢字を知らなければ「こぶんのこ」を想起することはできません。「古」という漢字をどのように伝えればよいかという問題があります。

 翻字本文とは別に、変体仮名を学ぶための点字資料を用意する必要があると思いました。

 1月31日の記事では、ハーバード本『源氏物語』「須磨」「蜻蛉」と歴博本「鈴虫」の翻字に必要な変体仮名は57種ということでしたので、57種を習得するための点字資料を作成します。加えて、変体仮名の形を詳しく説明する場合には、音声を使えば多くの情報を伝えることができます。翻字本文にあたる前に、点字版・音声版の両方で変体仮名の情報を得ることができれば、翻字本文がさらに読みやすくなるのではないでしょうか。

 音声読み上げによって『源氏物語』本文を読むときは、中野先生の2月1日のご意見で、音のみが読み上げられる場合と、変体仮名の情報が読み上げられる場合を、読み手が時と場合によって自在に選択できるようにするのが一番よいとあります。
 読み手の目的や興味に応じて、情報を選べる、得られる仕組みや環境を整えることも大切だと思いました。
 
(科研運用補助員の関口祐未さんからのメールを、本ブログ用に整形して掲載しました。)
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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