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2016年2月15日 (月)

ネットに依存した社会での珍事とジュース屋のおじさん

 昨日は、ベンガル地方ではサラスバティ(弁天様)を盛大に祝う日でした。
 宿に泊まっておられるコルカタからお出での高校の先生が、奮発して自分で料理を作って振る舞ってくださいました。
 この WBC(World BudhistCentre)は、こうした人と人との交流や情報交換が活発な施設なので、最新情報や地方の様子がよくわかってありがたい宿泊場所です。

 キッチンルームでは、その先生がこの宿の料理人に指示を出して、精力的に料理を作っておられました。そして、おいしい食事ができあがりました。


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 本当にフレンドリーな宿です。

 朝食後すぐに、ネルー大学へ打ち合わせに行きました。
 大学の前では、テレビ中継車をはじめとして、マスコミ関係の車などがたくさん集まっていました。ネルー大学の学生が逮捕されたことに関して、学生が抗議活動をしているとのことでした。
 しかし、この日は無事に正門から入れました。


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 実は、昨日はデリー大学で打ち合わせをする予定を組んでいました。しかし、お目にかかる先生が体調を壊しておられたので、無理をなさらないようにしてご自宅に近いネルー大学のアラベラ・ゲスト・ハウスのコーヒールームでお話しをしました。


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 ここには、当初行く計画をしていたハイデラバード外国語大学のタリク君も来て同席してくれました。タリク君は、ネルー大学からデリー大学へ進み、今回打ち合わせをするウニタ先生のデリー大学での教え子なのです。

 快調に、『十帖源氏』の翻訳をお願いする方々や各言語の編集責任者の名前が決まっていきました。タリク君の同僚や同窓生などが候補にあがりました。
 当初は、サヒタヤアカデミーがかつてやったように、インド語8言語の翻訳を考えていました。しかし、いろいろと検討した結果、ベンガル語とマラティ語を加えた10言語でやろう、ということになりました。
 つまり、以下のインド語10言語で『十帖源氏』の多国語翻訳に着手することになりました。


アッサム語・ウルドゥー語・オリヤー語・タミール語・テルグ 語・パンジャビ語・ヒンディー語・ベンガル語・マラティ語・マラヤラム語

 ただし、タミール語だけは、編集担当者が決まりませんでした。
 これは、今後さらに検討してお願いする方を探したいと思います。

 そして、今秋開催する「第8回 インド国際日本文学研究集会」の内容も固まりました。
 やはり、直接お目にかかってお話をすると、迅速に物事が決まります。やはり、足を運んでの面談は大事です。メールや電話とは違った、人の温もりと感触を確認しながら話をすることは重要なことであることを、今回も痛感しました。物事は、相手と直接会って、顔を見ながら進めていくのが一番確実である、という私の主義主張を実証することにもなりました。

 話をしている最中に、鈴木貞美先生が仕事の合間にお昼ご飯を召し上がりにいらっしゃいました。何と3日間もお昼をご一緒することになりました。こんなこともあるのです。お話を伺えたので、私にとってはラッキーでした。

 打ち合わせが終わってから、タリク君と一緒にウルドゥー語の祭典の会場にタクシーを飛ばしました。
 ここで、珍妙な体験をしました。
 最近、世界各国でインターネットのグーグルのサービスを活用したタクシーの配車システムが広まっています。安心して乗れ、支払いも楽です。乗る時の値段交渉が不要なのですから。

 今回は、タリク君がこのサービスを利用しました。しかし、行った先の「Indira Gandhi National Centre for the Arts」が官庁街にあったため、国会議員や官庁がセキュリティのために妨害電波を出す警備をしていたのです。そのため、タクシーもネットが使えず、インターネットに頼ったシステムでの精算ができないのです。
 会場の周りをぐるぐると回っても、ネットにつながらないので、運転手さんはお手上げです。私の方も、支払いができないままで逃げるわけにもいきません。
 漫画のような本当の話です。
 ウルドゥー語の祭典の会場で村上さんが先に行って待っているので、私だけがタクシーを離れて会場に入りました。やがて、タリク君も精算ができたということでやって来ました。
 IT国家を自認する国で、冗談のようなおもしろい体験をしました。

 会場の中では、今日もサヒタヤアカデミーは何もしていませんでした。何かあったのでしょうか。一昨日置かれていたテーブルも荷物も撤去されていました。


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 別のブースでは、「H」というスペルが抜け落ちていて、それを後で書き足した物に気づきました。発音の関係だそうです。文字を表記するのは、言語によっていろいろな問題を抱えているようです。


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 書店のブースで、気ままに手にしたウルドゥー語の本の挿し絵に、漢字のような図形を見かけました。おもしろいと思ったので、何の本かもわからないままに買いました。


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 宿の前のマーケットに行くと、これまで来るといつも立ち寄っていたジュース屋で、おじさんが今回もその独特の風貌を見せておられました。懐かしさもあって挨拶をすると、私のことをよく覚えておられました。いつも一緒に来ていた中島岳志君のことも。中島君が頼まれていた時計の話もしました。

 インドで生のジュースは自殺行為だと言われます。しかし、このおじさんのジュースは別格です。また、私はこれまでに一度もインドでお腹を壊したことがありません。毎日のようにこのおじさんのジュースを飲んでいたからだ、と思っています。今回も、ミックスを絞っていただきました。後で、いつものように果物をたくさんいただきました。いつもありがとう、と、言葉は通じないので感謝の握手をしました。

 これまでの十数年間に私と一緒にインドへ来た方の多くは、このおじさんのジュースを飲んでもらっています。今も現役でジュースを搾っておられることを思い出していただくためにも、記念写真をごらんください。ジュースの味も変わっていません。


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 また、私が大好きなラム酒の「オールドモンク」も、いつものお店で頼むと、今回はこんないいパッケージになっていました。空港で見かけるデザインのものが、こうしてマーケットにも出回るようになったのです。そして、鉄格子越しに秘めやかな受け渡しをする買い方も、今ではもうなくなりました。クレジットカードが使えるのですから。


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 このマーケットは、少しずつお店も変わっていきます。
 マグドナルドやヘアーサロンができていました。


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 入ることはありません。一応、記録として残しておきます。
 
 
 


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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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