« 銀座探訪(35)イェール大学のケイメンズ先生と「銀座のすずめ」を飲む | メイン | 古写本『源氏物語』の翻字に関する凡例の追加(その2) »

2016年3月18日 (金)

意を決して受けた「セカンドオピニオン」の衝撃

 現在受けている歯科治療に関して、どうしても疑問が払拭しきれないので、生まれて始めて「セカンドオピニオン」を受けて来ました。

 どの歯医者さんへ行って、この現在進行形の治療の適不適を判断する情報をもらうべきか、いろいろと思案しました。
 結局は、同じ宿舎にいる同僚に聞き、今家族で行っているという歯医者さんへ足を運びました。

 現在私は、京都で治療を受けているお医者さんへの不信感を強く抱いています。そうは言っても、病院を変えることには強い抵抗感があるものです。なかなか、治療中のお医者さんは代えられないものです。
 しかし、自分には無縁だと思っていたセカンドオピニオンが、急遽浮上するほどに、現在の治療に強い疑念が生まれたのです。

 思いきって、別のお医者さんに参考となる診断をしてもらいました。しかも、それが正解だったようです。疑問はすっかり晴れました。そして、180度異なる診断に説得力を感じたので、セカンドオピニオンにしたがっての治療に変更することにしました。
 というよりも、今回の発端となった歯は、実際には折れていなかったのです。今は何もせずに外れる直前のものを付け直し、このまましばらく様子を見る、ということに落ち着きました。

 そして得心しました。
 お医者さんとは「相性」がある、ということを。


 先週末に、上前面の差し歯がグラグラするので、2年半前から診てもらっている京都の烏丸御池の歯医者さんへ行きました。
 昨秋作り直していただいた歯が、年末には揺れ出したので、様子見をしていたところでした。次第に動きと揺れが大きくなり、喋るたびにくすぐったさが増幅してきたので、もう限界だとの思いから診てもらったのです。

 その治療をしてくださった歯医者さんが、レントゲンを見ての診断結果は、1本の支柱が歯肉の中で折れている、ということでした。抜け落ちるのは時間の問題なので、次の治療に迅速に移れるように、歯形を取って仮歯の準備をしてくださることになりました。
 そして、前の差し歯が抜け落ちたら、どこか近場の歯科医院に飛び込んで付けてもらうこと、という指示を受けました。
 再来週に、あらかじめ作っておいた仮歯を入れ、その間に次の治療に移るという説明を受けました。
 そこで提示された今後の治療は二つの方法でした。共に保険は効かないので全額負担となる、という説明も受けました。

 それにしても、この前歯は昨秋作り直してもらったものであり、それが2ヶ月足らずで揺れ出したのです。おまけに、支柱が折れているとも。
 そして先生が強調されたのは、「ご自身がご自身の歯を壊しておられるので、どうしてあげることもできない。」ということでした。言葉を変えると「自業自得」ということをおっしゃいます。これは、毎度耳がタコができるほど聞かされる、患者から言えば先生の逃げの一手です。

 その先生の口から出る表現はともかく、今後の治療方法と方針に対して、今回ばかりはどうも納得できません。というよりも、不審の念が消え去らないのです。

 今週上京してすぐに、宿舎の近くにある歯科医院にセカンドオピニオンをお願いしに行き、今日を予約しました。
 受け付けでは、京都の病院から治療経過に関する報告とレントゲン画像がもらえたら、非常に参考になる、と言われました。それは可能であると答えました。ただし、そのためにはいろいろと費用と手間がかかるので、こちらでレントゲンを撮って診察した方が現実的だと思います、とのことにしたがいました。

 まず問診表を書きました。詳しく、上記のようなことを記入しました。
 そして、今回意見をうかがいたいことは、次の2点であることを伝えました。

(1)前歯が歯茎の中で折れている原因は、私が強く歯を食いしばるためとしても、治療して作り直したものが2ヶ月足らずで折れるのは、また別の理由があるからではないか。
(2)提案された2つの治療方法は妥当なものか。

 早速撮影した、口の周り半周分のレントゲンを見て、セカンドオピニオンをお願いすることになった先生は、何も折れていないとの診断を下されました。そして、ぐらぐらする歯を引き抜き、確かに中で折れていないことを確認されたのです。結果としては、上記(1)に関しては、再度付け直すことで解決しました。
 なぜ2ヶ月ほどで揺れ出したのかについては、次に記すように、杭打ちの手抜きをしたマンションの事例が参考になるようです。

 これにより、(2)の治療は発生せず、昨秋の治療をした時点にもどったことになります。
 ただし、前歯の歯肉の中は過去に処置した支柱を利用した治療であり、もし手を入れるならばこの柱から作り直した方がいい、とおっしゃいます。なぜ古いものをそのまま利用した治療がなされたのか、自分としては理解できないとのことでした。

 また、昨秋の付け直しの修理は、半分の深さまでしか対処されていないことも指摘されました。昨年問題になったマンションの支柱問題と同じで、この倍の長さのものを埋め込む処置が必要だとおっしゃいます。杭打ちが浅いので、こうしてすぐに不安定になって揺れ出すのだ、とも。これが、2ヶ月で歯が揺れ出した原因だと思われます。

 なるほど、と納得しました。

 これまで治療してもらってきている医者に対して、同業者ということもあってか、慎重な口ぶりで説明してくださいました。
 私が多忙であることもあって、しっかりした治療では手間と時間がかかるので、おそらく対処療法的な処置がなされたのではないか、というふうに聞こえる遠回しの説明をしておられました。
 それよりも何よりも、「相性がありますから」ということばは、よく理解できることでした。

 そんなこんなで、グラグラする歯は接着剤で解決するものだったのです。
 当分は、これで一安心です。

 さらに衝撃が。
 これまで、寝る時と自宅にいる時にマウスピースを嵌めていました。これは、強く噛む癖を緩和させる習慣づけのための小道具でした。
 しかし、今日の先生の話では、私にはこれは不要なので使わなくても大丈夫ですよ、とのことでした。
 海外に行く時にも、ずっと持ち歩いて嵌めていたマウスピースは、一体何だったのか、狐につままれた思いです。

 お医者さんとの出会いは、本当に微妙なものがあります。
 私は、胃潰瘍、糖尿病、胃ガンと、いいお医者さんに恵まれて命を何度も助けていただきました。
 しかし、歯医者さんに関しては、やっと出会えた先生は早死になさいました。今も放浪の旅にあります。奈良、京都、東京と、いつも歯を強く食いしばりすぎだ、という一点で責め続けられてきました。その対処方法は、どなたからも提案してもらえません。私は特別強く噛む癖がある、とおっしゃいます。しかし、それならば、どうすればいいのか、最適なアドバイスがいまだにもらえていません。奈良の先生が、朝方の太陽を見る生活をしたらいい、とおっしゃったことが、唯一のアドバイスでした。
 歯を食いしばり過ぎる生き方をしているのは、本当に私だけだとは思えません。
 みなさんは、どうしておられるのでしょうか。

 今回が、私との相性のいい歯医者さんとの出会いであることを願っています。
 
 
 

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

Powered by Six Apart
Member since 07/2008