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2016年5月24日 (火)

【復元】チベットの伝統舞台芸術公演を観て

 『竹取物語』に関してクラッシュした記事を復元する過程で、『竹取物語』のチベット語訳をした教え子のことを書いた文章と写真も出てきたので、ここに復元します。

 最後に紹介しているDVDが手元にあるので、その表紙と解説書の写真を追加します。


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(※本記事は、平成19年3月に消失したブログの復元です。)
 
********************** 以下、復元掲載 **********************
 
2006年7月11日公開分
 
副題「仏教王国の軽快なリズムを堪能」
 
 今夜は、チベット舞台芸術団東京公演を観に行きました。
 仏教音楽かと思っていたのです。ところが、非常に軽快な明るい舞踊を楽しんで来ました。居眠りをする暇もないほど、舞台に見入ってしまいました。
 写真は、最後の挨拶のところです。

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 この催しは、ダライ・ラマ法王14世71歳の誕生祭の一環として行われたものです。

 ダライ・ラマは、1949年に中国のチベット侵略によりインドへ亡命し、デリーの北にあるダラムサラにチベット亡命政権を樹立した人です。ガンジーと同じく非暴力を説き、1989年にノーベル平和賞を受賞しています。

 私はインドへ行くと、定宿の近くにあるチベットハウスと、デリー大学の近くにあるチベタンコロニーとニュー・チベタンコロニーへ必ず行きます。宿舎の方々がチベットから逃れてきた人たちであるだけでなく、私がデリー大学で教えた大学院生の1人が、チベット出身で亡命政権の仕事をしている人だったからでもあります。

 彼は、『竹取物語』のチベット語訳の絵本を刊行したりしています。英語バージョンもあるので、両方を並べてみました。刊行前に、絵などについて質問を受けました。装束などについて少しコメントをしたのですが、結果は原本を見てのお楽しみです。なかなか楽しい絵本に仕上がっています。

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 その彼が、今は東京にあるダライ・ラマ法王日本代表事務所に勤務しています。そして、今回の公演に招待してくれたのです。

 今回の公演では、12の演目がありました。前半が終わった休憩時間に、彼と話すことができました。オープニングセレモニーの通訳などで忙しい合間に、久しぶりに話をしました。昨年から電話では何度か話をしていました。直接会うと、立派になった姿に圧倒されました。

 チベットの舞踊は、日本の民謡や演歌や盆踊りや雅楽や能楽や狂言や歌舞伎などの要素が、随所に見受けられました。あくまでも、日本人の目から見てですが。
 そして、その明るさに驚きました。仏教臭さを先入観として持っていたからでもありましょう。在りし日の日本につながる、親しみのある旋律と身のこなし方に、非常に親近感を持ちました。
 リズミカルな男性の踊り、透きとおった女性の歌声に、チベットの自然を感得しました。中国の弾圧にもめげずにチベット文化を伝えようとする使命感を肌で感じて、今の日本にはこのような情熱があるのだろうか、との想いを強く持ちました。

 私が大好きな井上靖の『星と祭』という小説に、主人公がエベレスト山麓で満月を見るため、カトマンズからタンボチェへと向かう場面があります。舞台を見ながら、その姿を彷彿とさせるシーンに出くわしました。インドの定宿の方の出身地であるラダックの自然をも思い起こしました。
 ダラムサラには、何度も行こうと思っていました。それが果たせないままの自分に、今度こそはとの思いを強くしました。

 休憩時間に、ロビーの出店で『ヒマラヤを越える子供たち』というDVDを買いました。デリーで定宿にしているお寺の人たちが、命からがら、ヒマラヤを越えてデリーに来たことを知っていたからです。命がけでチベットを脱出した彼らを、少しでも理解しようと思い、DVDをいただきました。裸足で極寒のヒマラヤを越えたことを、彼らから直接聞いていたからです。

 人間の不屈の精神とおおらかな生き様に、学ぶべきことが多いように思うイベントでした。

********************** 以上、復元掲載 **********************
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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