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2016年6月30日 (木)

日比谷図書文化館で読む歴博本「鈴虫」

 今日は、というか今日も、私がお話をし過ぎたことと、新幹線で京都へ帰る最終時間が迫っていたために、質問と翻字の確認にいらっしゃった方には大変失礼な対応となり、本当に申し訳ありませんでした。
 慌てて日比谷公会堂の裏からタクシーを飛ばし、ギリギリで新幹線に間に合いました。

 さて、歴博本「鈴虫」はきれいに書写された本とはいえ、読み難い箇所はたくさんあります。
 その中から2箇所を引きます。


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 これは、6丁裏の6行目から8行目の中ほどです。
 右側の行の中ほどから「けれ八三那」とあります。この「れ」と「那」をよく見つめながら、次の行の上から2文字目にある「古れ八」の「れ」と見比べてください。
 「れ」と「那」は、字形だけでは判別が難しく、意味を考えないと正確には翻字ができません。

 左端の行の「者し免八可りと」も、文字の続き具合にばかり注意を惹かれていると、文字がうまく読めません。特に「免八可り」は、落ち着かないと読めません。
 字形だけでなく、文章の流れと意味を理解しながら読んでいくと、すんなりと翻字できる箇所だと言えます。

 次の例はどうでしょう。


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 まず、右側の2文字目からは、「【本】い」と私は翻字をします。
 ここでは、「本」を漢字で翻字しておくことをお勧めしています。これは、漢字の「本意」の「本」が意味として残っていると思われることばなので、今は漢字を残しておく例です。
 「身つから」などと同じように、当座は漢字の意味が残っているものとしています。
 近い将来、「変体仮名翻字版」のデータが出揃ったところで、こうした語句を漢字の意味が残っているものかどうかを判断し、それから次にどうすればいいのかを判断すればいいと思っています。
 後で一々、漢字で表記されたものとして区別するのは大変です。まずは漢字の可能性を明示しておくのです。この隅付き括弧(隅付きパーレン)は、いつでも外せるのですから。

 そして、「本い」に続く「多可日」の「日」が「る」に見えることに注意しましょう。見た感じでは「る」であっても、意味から「日」となるものです。
 左側の行の「こ那多」では、「那」の懐深くに「多」が潜り込んでいます。一文字ずつを見分けながら丁寧に文字を追っていくと、こうした文字もしだいに見えてくるはずです。

 ここまで綴ってきて、新幹線「のぞみ」は結構揺れることを、あらためて実感しました。これでは、読書もままなりません。
 特に今日は、やけに揺れています。本が読めないのでパソコンを開きました。しかし、これでも目が前後左右に揺れるので、すぐに疲れます。
いつもはiPhone で文字の入力をしています。新幹線の中でノートパソコンを使うことはあまりないので、液晶モニタの揺れが不気味です。

 新幹線がこんなに揺れるとは、いままであまり感じませんでした。スピードアップしたためなのか、車体が古くなったせいなのでしょうか。
 加齢に伴い疲れやすくなっている、と言われるとそれまでです。
 パソコンも読書もダメとなると、音楽を聴くしかないのでしょうか。
 移動時の楽しみが減っていきそうです。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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