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2016年8月26日 (金)

朴光華訳の第2弾『源氏物語—韓国語訳注—(夕顔巻)』刊行

 朴光華先生が、『源氏物語』の韓国語訳と注釈に挑んでおられます。
 これまでの成果を書籍にしてまとめられた第1弾が、昨秋の『源氏物語─韓国語訳注─(桐壺巻)』でした。

「朴光華著『源氏物語─韓国語訳注─(桐壺巻)』」(2015年09月06日)

 その第2弾となる『源氏物語—韓国語訳注—(夕顔巻)』が、今夏刊行されました。


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 この「夕顔」は、『文華 第五号』(2006年1月)という雑誌に掲載されたものに、大幅な手を入れて一書にまとめられたものです。

 韓国語に翻訳する上でのご苦心の一端が「後記」に記されています。


既刊の桐壺巻では、尊敬語尊敬補助動詞、謙譲語謙譲補助動詞、丁寧語・丁寧補助動詞などで苦労したが、この夕顔巻においては、助動詞「む・べし」、接続助詞「に・を」などで苦労した。

 また、このことに続いて、次のようなコメントも残しておられます。


桐壺、夕顔両巻の作業中において、一つのたのしみがある。それは、本書の訳と注釈に使った六書(『全書』『大系』『評釈』『全集』『集成』『新大系』)に、なにかあやまりはないのか、印刷ミスはないのか、と、それらを見つけることである。ここで、一々例を申しあげるには失敬なことと思ってさし控えるが、本書の中にはすべてを記して置いた。『評釈』には印刷ミスかどうか分からないものが目立つ。『全集』には初版に比べると、漢字やおくりがななどが、なにげなくすらりと変わったものが十数個所にわたって見える。『大系』にはあんまり見当たらないが。後世になって、韓国で、本書のあやまりなどを指摘する人があらわれたら幸いなことであるが、たぶん、おそらく、そのような人はあらわれないでしょう。本書にもあやまりがないわけでもないが。

 これは、活字による校訂本文とその注釈に頼って『源氏物語』を読み、研究する上での、貴重なご教示となっています。確かに、市販の校訂本文は版を重ねると、微妙に手が入っていきます。些細なことだからということもあって、その補訂の手を吟味することはありません。しかし、活字本に頼っている方には、この朴先生のことばは、そうした改訂の手が入ることがあたりまえである、ということをあらかじめ承知して活字本を利用する必要があることにつながります。

 この朴先生の大仕事は、これから14年という長い歳月をかけて刊行されます。
 翻訳にあたっての方針等は、上記ブログの記事に譲ります。
 次は「若紫巻」であり、以降、「須磨」「明石」「総角」「浮舟」と続くようです。

 朴先生からいただいた情報により、本書の書誌を整理してまとめておきます。


1)著者;朴光華(Park KwangHwa)
2)初版発行日;2016年7月1日
3)出版社;図書出版 香紙
 〒08801 韓国 SEOUL市 冠岳区 奉天洞 1688-12 金剛Building 4層
 Emai1;mind3253@daum.net
4)総頁;522頁
5)定価;W65、000
6)ISBN;978-89-94801-08-7
7)本書の構成;
 写真4枚(宮内庁書陵部蔵 青表紙本 夕顔、尾州家河内本 夕顔、廬山寺 等)
 序、凡例、夕顔巻の概要、登場人物系図、参考文献など;1-23頁
 夕顔巻(日本語本文、韓国語訳、韓国語注);24-501頁
 夕顔の宿(糸井通浩);502-514頁
 後記(日本語);515-516頁
 図録1-6;517-522頁

 韓国語に訳された『源氏物語』は、これまで信頼に足るものがありませんでした。それだけに、この朴訳が韓国における今後の『源氏物語』の研究に果たす役割は、ますます大きなものとなることでしょう。

 なお、私の科研(A)のホームページから公開している『海外平安文学研究ジャーナル Vol.3』(2015/09/30)で、この第1弾である『源氏物語─韓国語訳注─(桐壺巻)』に関する詳細な紹介を掲載しています。

 「新刊紹介:朴光華著『源氏物語―韓国語訳注―』(桐壺巻) 厳 教欽(東京大学大学院 博士課程)」(109~115頁)

 このジャーナルは自由にダウンロードしていただけますので、併せてお読みいただけると、朴光華先生の翻訳にあたっての姿勢と、『源氏物語─韓国語訳注─』の意義が明確になると思います。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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