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2016年8月20日 (土)

駅のホームドア設置と「ホーム縁端警告ブロック」

 一昨日は、日比谷図書文化館から尾崎さんと一緒に、地下鉄三田線で途中まで帰りました。
 先日の、地下鉄ホームから転落した方の悲劇を思い出し、そのことを話題にしました。白杖を持った尾崎さんと一緒に駅の構内を歩いていると、こちらも五官が研ぎ澄まされ、あたりにアンテナを張り廻らす自分を意識しました。

 尾崎さんも中学生の時、電車から降りたところを前から来た人に押されて、ホームから線路に転落したことがあるそうです。何人かの方に引き上げてもらったとか。

 これまでに私が出会った多くの全盲の方々は、そのすべての方がと言ってもいいほどに、ホームからの転落を経験しておられました。それが、民博の広瀬浩二郎さんの言葉を借りれば「通過儀礼」であるかのように、みなさんがその怖さを語ってくださいます。
 新聞やテレビなどでは、ホームからの転落は「37パーセント」としています。しかし、現実にはもっと多いと思われます。

 一昨日の三田線大手町駅のホームには、電車との接触や転落を防止するために、両開きのホームドアがありました。


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 宿舎に帰ってから見た毎日新聞(平成28年8月18日(木)朝刊14版)には、1面、3面、28面の都合4箇所で、この問題を大きく取り上げていました。電子版で見たところ、関西版も大きく扱っていました。


 既存の地下鉄駅で、全国で初めて可動式のホーム柵(ホームドア)が設置され運用が始まったのは2000年。東京都営地下鉄三田線の高島平駅(東京都板橋区)だった。毎日新聞が視覚障害者向けに発行する点字毎日の紙面は、当時「落ちない駅が実現」と紹介した。それから16年。ホームドアは着実に増えているとはいえ、まだ不十分だ。(3面、「クローズアップ2016 視覚障害者ホーム転落 周囲の声掛け命綱」)

 設置や補強費用のことと共に、列車のドアの数や位置が現状ではまちまちなので、その対処策と問題点は単純ではないようです。しかし、バーが上下する「昇降式ホーム柵」などの改良を進め、一駅でも多くのホームにドアや柵を設置してほしいと思います。

 また、点字ブロックについて、同紙には私がまったく知らなかった説明があったので以下に引いておきます。それは、次の図版の右側にある「ホーム縁端警告ブロック」に関するものです(3面より)。


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 点字ブロックについては、「警告ブロック」(図版左側)と「誘導ブロック」(図版中央)があることは知っていました。「社会福祉法人日本盲人会連合」のホームページでも、「点字ブロックについて」という項目にはこの2種類だけが取り上げられています。

 「ホーム縁端警告ブロック」というのは駅のホームにだけ使われているためか、その他のホームページでも「点字ブロック」の説明には見当たりません。「ウィキペディア」でもそうなので、このあたりの説明には、手を入れる必要があるのではないか、と思われます。
 この「ホーム縁端警告ブロック」については、次の2つの報告書が参考になります。ユニバーサルデザインの分野の問題でもあります。

「視覚障害者誘導用ブロックを効果的に配置する」(大野央人、鉄道総合技術研究所、RRR Vol.71 No.7 2014.7 16~19頁)

「鉄道技術来し方行く末 発展の系譜と今後の展望 第38回 視覚障害者誘導用ブロック」(大野央人、鉄道総合技術研究所、RRR Vol.72 No.6 2015.6 28〜31頁)

 点字ブロックは日本が開発したものであり、平成24年に国際規格として定められ、今や世界130カ国以上で採用されているそうです。

 インドでも、「警告ブロック」と「誘導ブロック」が使われていました。もっとも、その使われ方には疑問を抱きましたが。

「インド・デリーの点字ブロックなどには要注意」(2016年02月25日)

 日本でも、駅のホームにある柱との位置関係をどうするかには、課題があります。上記ブログで写真を掲載したように、インドで樹木やマンホールの蓋を避けて点字ブロックをカクカクと回り込ませているのは、どう見ても無理があります。

 「ホーム縁端警告ブロック」について、上記毎日新聞の説明では続けて次のように記されています。


 国土交通省によると、青山一丁目駅のホームで品田さんが転落した場所にあったのは、歩く方向を示す「誘導ブロック」ではなく、ホームの端が近くて危険だと示す「ホーム縁端警告ブロック」だった。
(中略)
 品田さんは両ブロックの接続する地点から離れた場所で転落した。同省担当者は「縁端警告ブロックの上を歩くことを想定していない」と指摘する。だが、混雑時には一般利用客が点字ブロックをふさぎ、機能しているとは言い難い状況も生まれる。実際、警告ブロックを頼りに移動する視覚障害者は少なくない。青山一丁目駅では、縁端警告ブロックの列を柱が遮るように建っている。
 国交省の指針ではホームに縁端警告ブロックを敷設する場合、途中に構造物があっても連続させるよう求めている。遠回りするよう敷くとかえって方向や位置が分からなくなるという視覚障害者の意見を反映させており、青山一丁目駅はこの指針に沿っている。

 点字ブロックに関して、検討すべき課題はいろいろとあるのです。
 これまでは、ブロックの上に立つ人や置かれた荷物に、注意喚起がなされていました。今は、スマートフォンのながら歩きが、目が見える見えないに関わらず問題になっています。

 尾崎さんに、歩きスマホの人とぶつかったことがあるかを聞きました。彼女の答えは、人にぶつかることは多いので、その相手が歩きスマホかかどうかは見えないのでわからない、とのことでした。
 目が見えない方々の実情を私がまだよく理解していないため、それが愚問であったことを教えられました。

 また、回りの方からの「大丈夫ですか?」という声掛けについても聞きました。
 彼女の返答は、通学などでよく通う道は熟知しているので、声を掛けていただくのはありがたいけれども、あまり続くといちいち対応するのに苛々することがある、とのことでした。ただし、通学路以外では、助かることが多いしありがたいと思うそうです。
 この件も、声掛けする方としては親切心からなので、相手のことを慮っての対応が微妙なこともあるようです。それはそれとして、やはり基本的には、押し付けにならない程度に声を掛けるのが自然なことだと思います。
 危険と隣り合わせの方には、原則として声をかける、という心構えを持ち続けたいと思います。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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