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2016年11月15日 (火)

インド言語の討議が盛り上がった研究集会の初日

 第8回目となった今回の研究集会は、「『源氏物語』をインド7言語に翻訳するためのシンポジウム」と題して開催しました。副題には、「ダイジェスト版『十帖源氏』を世界33言語で翻訳するプロジェクト」というテーマを掲げています。

 インドで印刷製本した討議資料集も、立派な冊子として完成しました。ご配慮いただいた国際交流基金ニューデリー事務所の宮本薫所長と野口晃佑氏に、あらためてお礼申し上げます。


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 上の写真の右側にある、白い表紙に国際交流基金の建物を配したものが今回のレジメです。左側の黄色い表紙は、第7回までの記録を収録した『インド国際日本文学研究集会の記録』です。

 なお、この完成版は66頁あります。ただし、渡航前に試作版として作成した50頁のレジメは、本ブログの「来週インドで開催する日本文学研究集会のレジメ(試作版)を公開」(2016年11月04日)で事前にネット上に配布して、参加できないみなさまに対して情報提供を求めて公開しました。しばらくは、それをご覧になりながら以下の記事をお読みいただけると、研究集会の展開がわかりやすいかと思います。

 会場である国際交流基金・日本文化センターには早めに入り、プロジェクターのチェックや資料のセッティングをしました。


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 今回の研究集会を開催するにあたり、私から発表と討論に参加なさるみなさまには、以下の確認事項を要望としてお伝えしました。


1)今回の集会での使用言語は日本語です。
2)画像をスクリーンに映写しての発表ができます。
3)講演と発表者の1人の持ち時間は【25分】です。
4)各言語担当者からいただいた問題点をリストアップした資料は、討議用の資料として伊藤の下で編集に着手しています。
5)講演及び発表者は、各自のプレゼンスタイルで行なってください。その際に必要となるレジメ等は、11月6日(日)の夜までに伊藤と淺川宛に印刷データを添付ファイルとして送っていただければ、8日(火)にデリーに到着してから現地で印刷します。
6)今回の研究集会の内容は『海外平安文学研究ジャーナル』の特集号として公刊します。これまでの第1号から第5号は、以下のサイトから確認及びダウンロードできます。
http://genjiito.org/journals/
7)伊藤の科研は2017年3月で終了します。
 そのため、以下のスケジュールでジャーナルの編集を進めます。
 *電子版のため、原稿の分量や図版・画像の数量に制限はありません。
 *資料として、動画像や音声ファイルも問題はありません。
  各言語における具体例などを提示する箇所での挿入を、お勧めします。
 *表組みは各執筆者でお願いし、完全版のワード文書で提出をお願いします。
  人手と経費がないので、もろもろのご協力をお願いします。
 電子版のため、印刷と製本の工程がないので、報告書の刊行は迅速です。
 ・2016年11月末 講演と担当言語に関する原稿〆切り
 ・2016年12月中 討議・討論の録音から文字起こし—業者納品
 ・2016年12月中〜2017年1月中 ジャーナルの版下編集
 ・2017年1月中〜末 執筆者に初校を回覧後、国文研への戻り〆切り
 ・2017年2月中 執筆者からの再校の国文研への戻り〆切り
 ・2017年2月末 HP「海外源氏情報」(http://genjiito.org)に公開

 10時から開会式と講演が始まりました。
 司会進行役は、入口敦志先生です。

 予定通りのプログラムで進行しました。これは、テーマが魅力的であったこともあり、とにかく限られた時間を有効に使おうという、参加者全員の思いがあったからだと思っています。特にインドでの研究集会としては、これまでにないほどに順調にプログラムが進行しました。

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 なお、今回の研究集会は、上記の通り来年2月に電子版の『海外平安文学研究ジャーナル』の特集号として公開します。そのため、ここでは内容についての詳細は省略し、記録としての列記とメモに留めます。


(1)挨拶 宮本 薫(国際交流基金ニューデリー事務所長)


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※宮本さんには、私がエジプトのカイロにある2つの大学院の図書選定に行った時に、大変お世話になりました。今回、インドでもこの研究集会を支えてくださいました。そのご縁に感激すると共に感謝しています。

 ・自己紹介(アニタ・カンナー、麻田豊)

(2)趣旨説明 伊藤鉄也(国文学研究資料館)

(3)基調講演 高田智和(国立国語研究所)
 「変体仮名の国際標準化について」

(4)講演 伊藤鉄也(国文学研究資料館)
 「インド8言語訳『源氏物語』の書誌」
 ※実際には高田先生の講演の意義について時間を費やしました。

 休憩を挟んで、お昼からは……


(5)講演 入口敦志(国文学研究資料館)
 「江戸時代のダイジェスト版『十帖源氏』について」

(6)問題提起
 アルン・シャーム(English and Foreign Languages University)
 「マラヤーラム語訳の問題点」
 (ドラヴィダ語族)

 菊池智子(翻訳家)
 「ヒンディー語訳の問題点」
 (インド・アーリア諸語の中央語群西部ヒンディー語)

 村上明香(University of Allahabad)
 「ウルドゥー語訳の問題点」
 (インド・アーリア諸語の中央語群西部ヒンディー語)

◇昼食◇

【パネルディスカッション】
テーマ:(1)
 『十帖源氏』を多言語翻訳するための問題点

 コメンテータ
 麻田豊(元東京外国語大学)
 アニタ・カンナー(ネルー大学)

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《各言語の朗読(各2回ずつ読む)》
 ※この企画は、麻田豊先生の発案を須藤圭先生が実現することにより可能となったものです。

1 平安時代の読み方を復元した朗読(音声再生)
 ・源氏物語「若紫」巻から
 ・朗読本文をパワーポイントで提示
 ・違いのあるところを赤字で映写

2 現代の読み方による古文朗読(音声再生)
 ・「桐壺」巻冒頭部分

3 現代日本語訳の朗読(須藤)

4 英語(音声再生)

5 マラヤーラム語(1日目の対象言語)

6 ヒンディー語(1日目の対象言語)

7 ウルドゥー語(1日目の対象言語)

8 パンジャービー語(2日目の対象言語)

9 ベンガル語(2日目の対象言語)

10 オディア語(2日目の対象言語)

※この朗読に関しては、来年2月に発行する電子版『海外平安文学研究ジャーナル』の特別号に、付録として音声データを収録することになっています。
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 この後、麻田先生に取りまとめと進行役をしていただき、コメントやディスカッションが展開しました。予定した2時間45分が、あっという間に過ぎるほどに、さまざまな意見が飛び交いました。この問題でここまで盛り上がるとは、企画をした私が一番驚いています。
 ぜひ、電子版の特別号のテープ起こしを通して、この時の臨場感と迫力をたっぷりと味わってください。翻訳するということは何なのか、という討議も含めて中身も濃いのです。

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 初日の大盛会を祝して、関係者一同で記念撮影をしました。
 みなさん、準備の段階からいろいろとご協力いただき、ありがとうございました。
 とにかく、初日は大盛り上がりのうちに終了しました。


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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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