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2016年11月27日 (日)

池田本校訂本文レポート〈0〉(伊藤)

 池田本の校訂本文がほぼできあがり、当初の予定では、インドへ旅立つ前に関係者に配布する予定でした。


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 しかし、大島本で擦り消されている箇所に関して、カメラ付きの拡大装置を使った調査の成果が、出来上がっていた池田本校訂本文に盛り込まれていないことがわかりました。

 藤本孝一先生のご指導を受けながら、岡嶌偉久子さんなどと一緒に京都市文化博物館の地下の一室で大島本の精細な調査をしたのは、2007年から2年間でした。「桐壺」巻は2007年10月27日と2008年7月12日だったことが、手元の記録に残っています。

 その時の調査結果が、今回の池田本の校訂本文の注記に、まったく反映していないことがわかったのです。
 そこで今日、最後の確認と補訂を、立命館大学の須藤圭君と一緒に、京都で4時間半をかけて行ないました。

 大島本の傍記で削り取られた異文注記に、あの幻の写本とされる従一位麗子本が伝える本文が新たに確認できたことは、今日の補訂作業での一番の収穫です。

 また、大島本で削り取られた傍記には、池田本の異文注記と思われるものも含まれていることなどが確認できました。池田本の校訂本文を作成する過程で、その注記に大島本の書写様態を記述することにした副産物は、予想外に大きなものであることがわかったのです。これまで確認されていなかった大島本の削除箇所の本文が、精査した時の資料を再確認する中でいくつも追補することができたことは、編者にとっても僥倖でした。

 その詳細は、共同編集者である須藤君に、「池田本校訂本文レポート〈1〉~〈?〉(須藤)」として連載でまとめてもらうことになりました。私の元に届き次第、本ブログに掲載しますので、楽しみにお待ちください。

 今回の新しい池田本の校訂本文は、「江戸の源氏から鎌倉の源氏へ」というスローガンで推進しているものです。
 いつ終わるとも知れない、気の遠くなるプロジェクトです。ご意見をいただくことで、より使い勝手の良い校訂本文に仕上げていくつもりです。ご支援のほどを、よろしくお願いします。

 岡山を発つ時に小降りだった雨が、京都では本降りとなっていました。雨と一緒に京都入りです。

 今日も大仕事を終えました。
 ぐっすりと眠れそうです。
 
 
 

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NPO法人〈源氏物語電子資料館〉広報室より

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